5/3/1プログラムの紹介

5/3/1プログラム

こんにちは。鹿野一郎です。
僕は2020年の6月から、スクワット、ベンチプレス、デッドリフトの3種目は、5/3/1プログラムというものに従ってトレーニングをしています。
それまではその日の体調ややる気によって、何kgのバーベルを何回挙げるか、何セットやるかを決めていましたが、自分で考えるのではなく、既存のプログラムに従ってトレーニングをするのも良いかも知れないと思って、試すことにしました。
この文章を書いているのは2021年の4月なので、まだ1年経っていませんが、随分と効果を感じています。

1 5/3/1プログラムの概略

5/3/1プログラムというのは、ジム・ウェンドラーというパワーリフターが開発したトレーニングプログラムだそうです。
インターネットでいくつか紹介するサイトを見比べましたが、ジム・ウェンドラー本人が書いた英語のサイトは読んでいません。
英語が読めないからです(笑)。
でも日本語で説明しているサイトもいくつかあります。
パワーリフターが考えたプログラムですが、パワーリフティングに特化したプログラムではなく、広く大勢の人々のために考案されたもののようです。
なのでパワーリフティングに集中したい人にとっては、スクワット、ベンチプレス、デッドリフトの強度が足りないようです。
また、ボディービルなどのボディーメイクをしたい人に取っては上半身のボリュームが足りないそうです。
僕はパワーリフティングをしていますが、まだまだ低レベルの端くれなので、パワーリフティングに特化したプログラムをこなそうとまでは思っていません。
というより、探してもなかなか見つからないし、この5/3/1プログラムが面白そうだと思ったから、これをやる事にしました。

5/3/1プログラムというのは、3週間で一つのサイクルを組むトレーニングで、扱う重量は毎週変わります。
それだけでなく同じ日でも、1セット目と2セット目、3セット目で重量が変わります。
トレーニングの使用重量を決めるのは自分ではなく、プログラムです。


このトレーニングを始めた時、僕のスクワットの試合でのベストは165kgでした。
このブログでは、この165kgを今後、「仮想MAX」と呼ぶことにします。
なぜ仮想なのかは後で話します。
今回のブログでは、スクワットを例にとって話を進めたいと思います。

まずはこの仮想MAXに0.9を掛けます。
これがTM(トレーニングマックス)という重量になります。
165kgの場合は148.5kgです。
そして1週目(Week1)は1セット目はTMの65%を5回、2セット目は75%を5回、3セット目は85%を5回やります。
重量で言うと、96kg5回、111kg5回、126kg5回です。

そして2週目(Week2)は1セット目はTMの70%を3回、2セット目は80%を3回、3セット目は90%を3回やります。
重量で言うと、103kg3回、118kg3回、133kg3回です。

最後の3週目(Week3)は1セット目がTMの75%を5回、2セット目が85%を3回、3セット目が95%を1回やります。
重量で言うと、111kg5回、126kgを3回、141kgを1回です。
ここでは小数点以下は切り捨てました。

これは、自己ベストが165kgの人間からすると、軽すぎるし、少なすぎて、まるでウォーミングアップだと思いました。
こんなトレーニングで本当にパワーアップできるのか?実に胡散臭いなあ、と思いました。

でも、良く説明を見ると各週とも3セット目は5回、3回、1回にこだわらず、それ以上の回数であれば、限界までやっても良いと書いてありました。


説明のホームページでは大体、3セット目の回数は、「5+」、「3+」、「1+」 と書いてあります。
限界までやるとなると、3セット目は厳しいセットになるでしょう。
でも、1セット目と2セット目はまるでウォーミングアップのように楽です。

僕は2020年の6月22日から5/3/1プログラムを始めましたが、7月6日のWeek3の3セット目は140kgで「1+」のところを、連続8回挙げています。
「1+」ではなくて8でした。

「1+」というより、とにかく限界までやれ!という方が正しいのではないかと思いました。
1回という数字に意味がないと思えたんです。
なので、この時点での僕の解釈は以下のようになりました。

Week1、1セット目5回、2セット目5回、3セット目限界まで。
Week2、1セット目3回、2セット目3回、3セット目限界まで。
Week3、1セット目5回、2セット目3回、3セット目限界まで。

でも、この解釈が間違っていることに、数ヶ月後に気づくことになりました。
これについて話す前に、仮想MAXという呼び方をしたくなった理由を話したいと思います。

2 仮想MAXと呼ぶ事にした理由

5/3/1プログラムは、ジム・ウェンドラーの提案では、スクワット、ベンチプレス、デッドリフト、オーバーヘッドプレス(ショルダープレス)の4種目でやるべきということになっています。
3週間やったら1週間はディロードと言って、軽い負荷でトレーニングをして、疲れを抜きます。
なので4週間でサイクルが終わります。
そして、2サイクル目に入る時は、仮想MAXを増やします。
スクワットとデッドリフトはプラス5kgで、ベンチプレスとショルダープレスはプラス2.5kgです。

この仮想MAXという言葉は僕が勝手に作った言葉で、世間では通用しません。
何故仮想と呼ぶことにしたかというと、この値が本当の自分の最大筋力を表すのはプログラムを始める時だけで、後は自動的に増えていき、最大筋力を表さなくなるからです。
僕のスクワットの場合だと、一番最初はMAXが165kgだったので、2サイクル目は170kgになります。
3サイクル目は175kg、4サイクル目は180kgとどんどん増えていきます。
これはもはや最大筋力ではないです。
実際に170kgのバーベルを挙げることができて、それが限界だったら、本当に最大筋力が170kgという事になりますが、5/3/1プログラムでの仮想MAXは、1サイクルごとに自動的に増えていんです。
だんだん本当の最大筋力とは言えなくなっていくので、仮想MAXと呼ぶのが良いのかなと思うようになったんです。

3 3セット目の5回、3回、1回の持つ意味

2021年の3月4日のトレーニングは、スクワットは仮想MAX205kgのWeek3でした。
こなさなければならない内容は、1セット目は140kg5回、2セット目は155kg3回、3セット目は175kg1回以上でした。
トレーニングに入る前は、175kgが挙がらないかも知れないと、緊張していました。
もし175kgが挙がらなかったら、このサイクルはこなせなかったという事になり、次のサイクルも同じ重量で取り組む事になります。
でも実際にやってみたら、175kgは3回挙がりました。
これでこのサイクルはクリアとなり、次のサイクルは仮想MAXが210kgになることが決まりました。
もし175kgが挙がらなかったら、次のサイクルも仮想MAXは205kgのままになるところでした。

つまり、各Weekの3セット目の5回、3回、1回というのは、最低その回数は挙げなければならないというノルマなんです。
限界まであげれば何回でも良いんではなくて、Week1は最低5回、Week2は最低3回、Week3は最低1回挙げなければダメだという事だったんです。
初めの1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月ぐらいは楽々達成できますが、月日が経つとだんだんきつくなってくるんです。

実際問題僕は、デッドリフトでノルマをこなせず、MAX230kgで一度足踏みをしたことがありました。
2021年の1月のことでしたが、このサイクルはWeek1もWeek2もWeek3も3セット目が引ききれなくて、ダメでした。
なので次のサイクルもMAX230kgでやりました。
2回目の挑戦で、MAX230kgはクリアできたので、次のサイクルはMAX235kgに進みました。

4 Week1が5回、Week2が3回の理由(僕個人の予想)

5/3/1プログラムを続けるうちに、一番きついのはWeek3ではなく、Week1なのではないかと思うようになりました。
もちろんWeek1よりもWeek3の方が重いバーベルを扱うので、Week3の方が大変なはずなんですが、続けていくとそうは思わなくなってきたんです。

例えば仮想MAXが205kgだとWeek3の3セット目は175kgを「1回以上限界まで」となります。
そして僕はこれを3回挙げました。やれやれ、良かったと思いましたが、次のサイクルは仮想MAXが210kgになります。
仮想MAX210kgでのWeek1の3セット目は160kgを「5回以上限界まで」です。
もちろん挙がりましたが、楽ではなかったです。
Week2の3セット目は170kgを「3回以上限界まで」です。

仮に175kgがギリギリ1回だけ挙げられた場合だと、160kg5回や170kg3回はかなりきついと思います。
かなりきついですが、それを成し遂げるとさらに仮想MAXが5kg増えます。
Week3でギリギリ重たいバーベルを1回挙げられた場合、次のサイクルのWeek1では、それよりは少し軽いバーベルを5回以上挙げなければならなくなります。
そしてWeek2ではもう少し重いバーベルを3回以上挙げなければなりません。
こうやって波のようにだんだんとバーベルが重くなっていき、じわじわと強くなっていく感じがするんです。
始めた頃は、5回とか3回とか1回という数字に意味なんかないじゃないかと思っていましたが、長く続けていると、とてもよく考えられたプログラムだと思うようになてきたんです。

5 5/3/1プログラムの補助セット

上で述べたのがメインセットですが、ジム・ウェンドラーは、脚、胸、背中、肩で補助種目をそれぞれ2種目ずつやるように言っています。
補助種目は10回5セットです!すごいボリュームです。
補助種目は何でも良いようですが、ジム・ウェンドラーはいくつかの補助種目のパターンを提示してくれていて、それぞれのパターンに名前までついています。
三つばかり紹介します。

パターン1 Boring But Big(退屈だがデカくなる)

スクワット:スクワット10回5セット、レッグカール10回5セット
ベンチプレス:ベンチプレス10回5セット、ロウイング系種目10回5セット
デッドリフト:デッドリフト10回5セット、レッグレイズ5セット
ショルダープレス:ショルダープレス10回5セット、懸垂10回5セット

パターン2 Triumvirate(三つ組)

スクワット:スクワット10回5セット、レッグカール10回5セット
ベンチプレス:ダンベルプレス15回5セット、ロウイング系種目10回5セット
デッドリフト:グッドモーニング12回5セット、レッグレイズ5セット
ショルダープレス:ディップス15回5セット、懸垂10回5セット

パターン3 I’m Not Doing Jack Shift(何もやらない)

スクワット:なし
ベンチプレス:なし
デッドリフト:なし
ショルダープレス:なし

パターン1の「退屈だがデカくなる」は、驚く事に、メインセットと補助セットが同じ種目です。
スクワットが終わった後にまたスクワットを10回5セットやるんです。
そしてレッグカールもやるんです。
同じ種目を2回やるのは確かに退屈ですが、それでデカくなるならば良いかなと僕は思いました。

パターン2の「三つ組」は、よくわからないのですが、調べたところでは、トレーニングを日ごとに三つのエクササイズに限定し、大きなリフトを一つ含めるという組み方だそうです。
よくわからなかったし、個人的にはグッドモーニングをやりたくなかったので、このパターンは見送りました。

パターン3の「何もやらない」は、メインセットだけやって、補助セットは何もやらないということです。
忙しい人はこれでも良いそうですが、個人的にはそうは思えません。
補助セットはやった方が効果があるのではないでしょうか。
やらなくても効果が同じという事はないと思います。何も差がないのであれば、何もしない方が良いですよね。
やはり差は出ると思います。

以上より、僕は「退屈だがデカくなる」をやる事にしたんですが、改めてこうやって見てみると、自分が今やっている事が、本当の5/3/1プログラムからずれていることがわかります。

まず、ショルダープレスはやっていないです。
ショルダープレス自体はやっていますが、5/3/1プログラムに従ってやっているのではありません。
初めはやっていたんですが、途中からきつくなってやめてしまいました。

パワーリフティングをやっている関係上、スクワット、ベンチプレス、デッドリフトでは重量に拘りますが、肩は別にそれ程でもないので、きつかったからやめてしまいました。
今はその日の体調ややる気によって、気分次第でトレーニングをしています。
もちろんプログラムに従ってやった方が確実に強くなるのは間違い無いですが、あんまりきちっとやり過ぎてしまうと、トレーニングが仕事みたいになってしまって、楽しくなくなってしまうので、ショルダープレスは5/3/1プログラムから外しました。

スクワット、ベンチプレス、デッドリフトの3種目で5/3/1プログラムをやっていましたが、2020年11月にベンチプレスで右肩を怪我してしまったので、2021年3月まではスクワットとデッドリフトしか5/3/1プログラムをやっていませんでした。
ベンチプレスはようやくリハビリが始まったところです。

2021年4月現在の僕の補助セットは、スクワットの日はスクワットとレッグカール、レッグエクステンション、カーフレイズをやっています。
デッドリフトの補助セットは、デッドリフトとベントオーバーローをやっています。このベントオーバーローはどこから出てきたのでしょうか?
上の説明を見る限り、ベントオーバーローをやれとはどこにも書いてないんですが。
なぜこれをやるようになったのかは覚えていませんが、おそらく懸垂の代わりのつもりで始めたんでしょう。
これとは別に懸垂もやっているんですが。

「退屈だがデカくなる」のメニューを見ると、デッドリフトの補助セットはレッグレイズになっていますね。
レッグレイズは腹筋を鍛える種目だと思うのですが、良いのでしょうか?
間違いに気づいてしまったら修正するしかありません。早速来週から、デッドリフトの日はレッグレイズもやるようにします。
って!出来る訳ないですよ!
デッドリフトは自宅のバーベルでやっていますが、レッグレイズをやるようなぶら下がる場所はうちにはありません。
公園でうんていなどにぶら下がってやる事は出来ると思いますが、小さい子供たちが遊んでいるところで、そんな真似はしたくありません。
結局、レッグレイズはやらないと思います。
曜日がずれてしまいますが、スクワットをしにジムに行く時に、パワーラックにぶら下がってやるようにします。

6 補助種目の重量設定

さて、まだ問題が残っています。
スクワットで補助セットにもスクワットをやり、ベンチプレスで補助種目にベンチプレスをやり、デッドリフトでも補助種目にデッドリフトをやります。
補助種目の重量は一体何kgなのでしょうか?
どこを調べても10回5セットとしか書いてなくて、重さの指定は見つかりませんでした。
なので、ここは勝手にその週のトレーニングの1セット目の重量で、10回5セットやる事にしました。

今日、自宅でデッドリフトをやったんですが、今日は1セット目が139kg、2セット目が159kg、3セット目が179kgだったので、補助セットは139kgで10回5セットという事になります。
が、ある事情により、補助セットは149kgでやりたかったので、149kgでやりました。
残念ながら10回5セットはできず、10回、10回、10回、7回、9回でした。

話が長くなりましたが、まとめると僕がやっている5/3/1プログラムは以下のようになります。

仮想MAXに0.9をかけた値をTM(Training Max)として、
Week1 TMの65%を5回、75%を5回、85%を5回以上限界まで、補助セット65%を10回5セット
Week2 TMの70%を3回、80%を3回、90%を3回以上限界まで、補助セット70%を10回5セット
Week3TMの75%を5回、85%を3回、95%を1回以上限界まで、補助セット65%を10回5セット

ここにはディーロードの事は書いていませんが、疲れを感じていないので、今のところディーロードは入れていません。

始めて10ヶ月が経過しましたが、スクワットもデッドリフトも順調に筋力が伸びています。
そしてこの重量と回数の組み合わせは、とても良くできていると思います。
この5/3/1プログラムはまだしばらくは続けようと思います。

以上になりますが、今回の投稿は、あくまでも僕はこのようにやっていますという紹介であって、このようにやりましょうという説明ではないので、ご了承ください。

ありがとうございました。

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