こんにちは、鹿野一郎です。
今日はずるい懸垂についていろいろ語りたいと思います。
昔の事なので良く覚えていませんが、僕は中学時代は懸垂は2、3回しか出来なかったと思います。
クラスには懸垂が20回出来る人も何人かいましたが、僕は大苦手でした。
大学生ぐらいまでは懸垂が出来ましたが、30歳を過ぎた頃、懸垂は全く出来なくなりました。
それから懸垂をまじめにやるようになって、54歳の今は、自重で一応16回出来るぐらいになりました。
7.5kgのおもりを腰に下げると8回、10kgの重りを下げると5回が精一杯です。
学生時代のアイバラ先輩の懸垂
僕は大学では空手部に入るつもりでしたが、強引な新入生勧誘の力で混成合唱団に入ってしまいました。
合唱には興味がなかったんですが、強引な勧誘に負けました。
大学は東京理科大学でしたが、当時の東京理科大学混成合唱団は、日本女子大学の合唱団と交流があり、1回だけ遊びでソフトボールの試合をした事があります。
大昔の事なので、良く覚えていませんが、当然男女混合チームで競いました。
でも日本女子大には女子しかいないはずです。
男子は東京理科大から貸していたんでしょうか?
ちょっと覚えていません。
単なる遊びなので、楽しめばそれで良いはずなんですが、当時の僕は勝つ事しか頭になく、本気で投げて本気で打っていました。
だから持てなかったんですね、きっと。
で、試合で出番がなくて暇な時、グラウンドの横にあった鉄棒で懸垂をする事にしました。
多分、せいぜい5回ぐらいしか出来なかったと思います。
僕は学生時代シルベスター・スタローンが大好きで、スタローンの映画はほとんど全部見ていました。
「ロッキー3」で敵役のクラバー・ラング(俳優名ミスターT)のトレーニングシーンでは、室内で懸垂をする場面がありますが、1回ごとに大きなうめき声をあげて懸垂をしていました。
僕はそれを見て、
世界戦に挑戦するボクサーでも懸垂はあんなにきついのか
と思っていましたが、当然それは映画の演出ですよね。
当時はそんなこともわかっていませんでした。
僕はグラウンドの脇の鉄棒で懸垂をする時、クラバー・ラングになったつもりで、大きなうめき声を立てながら懸垂をしました。
ソフトボールの試合をしていた人々は驚いて振り返りましたが、やがて無言で視線を元の位置に戻しました。
僕のその情けない懸垂を見て、アイバラ先輩が手本を見せてやるよと言って懸垂を始めました。
僕は懸垂だけは得意なんだと、言っていました。
アイバラ先輩の懸垂は、物凄かったです。
両足を揃えて、強く下に蹴り下げて、その反動で体を上に引きあげます。
1回目からずっとそうやっていました。
僕は、
先輩、それは露骨なインチキで、ダメですよ。
と言いたかったですが、相手は先輩なので、何も言えなかったです。
これぞ、ザ・インチキだと思いました。
筋肉番付で見たずるい懸垂
その後、時が流れて1995年にテレビで「筋肉番付」という番組が始まりました。
僕が初めて見た時は腕立て伏せでした。
何十人もの選手が参加して、一斉に腕立て伏せをします。
最後まで潰れなかった人が優勝という仕組みでした。
僕はこれを途中から見たんですが、面白かったです。
最後は体操選手(当時)の池谷幸男とプロレスラー(当時)の高田信彦の一騎打ちになりました。
僕の記憶が間違っていなければ、380回ぐらいで池谷幸男が潰れて、高田信彦が優勝したと思います。
その回数の多さに驚きましたが、とにかく面白かったです。
その筋肉番付で、懸垂の回数を競う回がありました。
誰が優勝したのか覚えていないし、何回で優勝したのかも覚えていませんが、優勝した人がひどいインチキをしていたのをはっきり覚えています。
体操の選手だと思いますが、知らない選手でした。
体を思い切り前後に降って、体がほぼ水平になった時に腕を引いて、アゴをバーの上に出すというやり方でした。
あれで反則にならないのかと思いましたが、完全にずるい懸垂でした。
僕が最近までやっていた懸垂
僕は30歳の頃は懸垂が1回も出来ませんでしたが、出来ないなりに何とかやっていました。
肘もほとんど曲がらず、体も数センチしか持ち上がらなくても1回と数えて、何とか10回3セットをやるようにしました。
初めのうちはその無様さに笑ってしまう事もありましたが、やっていくうちに段々体があがるようになりました。
握り手の高さまで頭のてっぺんがあがるようになり、おでこがあがるようになり、目があがるようになり、鼻があがるようになり、口まであがるようになりました。
ここまで来るのに何年かかったかわかりませんが、とにかく懸垂が出来るようになりました。
鉄棒で懸垂をしている訳ではないので、バーの上にアゴが出るまでという訳には行きません。
パワーラックの懸垂バーは右と左が分かれていて、1本の棒になっていないからです。
でも、大体握り手の高さまで口があがる感じでした。
そして懸垂をする時は必ず体が前後に軽く触れていました。
体が前に触れて後に戻ろうとする時に引きあげるとやりやすかったんです。
だから、ブラーンと揺れて前に行き切ったら引きあげて、そして下ろし、またブラーンとして前に行き切ったら引きあげるという感じでやっていました。
職場の友達に、自宅にパワーラックを持っている人がいて、懸垂はいくらでもすいすい出来るというので、その人にこの話をしたら、微妙に反動を使った懸垂だと言われました。
無反動の懸垂とは、体の上下動以外の動きはないのだそうです。
それはそうなんですが、僕にはそんな懸垂は無理だと思いました。
でも、最近になって、ようやく前後の触れに頼らない無反動の懸垂が出来るようになって来ました。
これでようやく本当の意味で懸垂が出来るようになったんだと思います。
懸垂はどこまで引きあげれば良いのか?
懸垂は一体、どこまで引き上げたら良いのでしょうか?
中学時代、鉄棒で懸垂をする時は、アゴが鉄棒の上に出るまでと定められていたような気がします。
でもパワーラックの懸垂バーは左右が分かれているので、アゴが上に出るかどうかはわかりません。
個人的には成田のゴールドジムのパワーラックがやりやすかったです。
パワーラックの奥に鏡がおいてあるのは良くある事ですが、その鏡がとても背が高くて、パワーラックよりも高いんですよ。
なので、懸垂をして体を引き上げ、パワーラックの上のバーよりも高く顔があがると、バーの向こう側に自分の顔が見えるんです。
これはとても良い基準でした。
自分の顔が見えたら1回、見えなかったら無効、として数えていました。
残念ながら僕が今通っている地元の24時間ジムではそこまで大きな鏡がないので、引き上げる高さは適当です。
僕の職場のブリヂストン先生は、数年前から懸垂を強化する為にジムに通っています。
今は津田沼のゴールドジムに通っているそうです。
今日、懸垂は何回出来るようになったか尋ねてみたら、8回という返事が帰って来ました。
どこまで引きあげてるの?
と聞くと、バーの上にアゴが出るまでという答が返って来ました。
それを聞いてびっくりしました。
僕はそこまで引き上げていないからです。
それだとかなりきついんじゃないの?と問うと、最後の方が本当にきついですと言っていました。
それはその通りだと思います。
そこまでまじめにやっているんだったら、僕の懸垂も「ずるい懸垂」になってしまいます。
でも、ちょっと不思議です。
津田沼のゴールドジムにあるのは、タフスタッフのパワーラックのはずで、懸垂バーはやっぱり左右に分かれているはずです。
どうしてバーの上にアゴが出るとわかるんでしょうか?
それは今度聞いてみようと思います。
ストラップを巻いた懸垂
筋肉系ユーチューバーのkatochan33さんは、懸垂をする時にリストラップを使って懸垂バーと手首を固定すると、握力の心配がなくなり、広背筋を追い込みやすいと、かつて動画の中で言っていました。
試しにやってみると、本当にその通りで、ばっちり広背筋に効きます。
握力に自信のない人は是非試してみる事をおすすめします。
とても良いと思います。
でももちろん、懸垂が何回出来るかをカウントする時は、ストラップはなしですよね。
それをやってしまったら、ずるい懸垂になってしまいます。
僕はかつては懸垂の時にストラップをつけていましたが、最近はつけていないです。
握力が持たなくて、手が開いてきても、懸垂は続けられるようになったからです。
でも、ストラップをつければもっと効かせる事が出来るんだと思います。
アシスト懸垂マシーンを負荷なしでやると腰がぶつかります
ジムによってはアシスト懸垂マシーンがあると思います。
自重で懸垂が出来ない人を補助してくれるマシーンです。
膝を折り畳んで、マットの上に着くと、マットが膝を押し上げてくれる仕組みです。
押し上げる力はプレートのピンをどこに指すかで、自由に調整できます。
たまにパワーラックが全部ふさがっていると、このアシスト懸垂マシーンを使って懸垂をする事があります。
天台スポーツセンター、津田沼のゴールドジムなどでやっていました。
ただし、自重で懸垂が出来るので、アシストが効かないように、アシストのプレートは1番軽くして押し上げる力を弱くします。
そしてその上にバーベル用の10kgのプレートを載せてしまえば、マットは一番下まで下ったまま上がって来なくなります。
これでアシストの機能を殺す事が出来ます。
それで懸垂をすると、非常にやりにくいことがわかりました。
アシスト懸垂マシーンには、ディップスをする為にバーが左右に着いている事が多いですが、何故か懸垂をすると右側の腰がディップスバーにこすってしまうんです。
これは懸垂をする時に体がまっすぐに上がってなくて、変なよじれ方をしている証拠だと思います。
僕の他にもアシスト懸垂マシーンをノーアシストで使う時は体がぶつかってやりにくいという人がいました。
僕だけでなく、意外と多くの人がそうなのかも知れないです。
体を前後に振らず、左右にもぶれない懸垂というのはなかなか難しいようです。
30歳を過ぎると懸垂が出来なくなりますよね
子供の頃は懸垂が出来たのに、大人になると出来なくなるものだと思います。
あの柔道の井上康生監督が就任した時、選手達は懸垂が1回も出来なかったとインタビューで言っているのを見た事があります。
日本代表の柔道の選手が懸垂が出来ないなんて信じられませんでしたが、その後、井上監督の猛特訓で選手達は背中を鍛え、世界と戦える強さを手に入れたそうです。
懸垂だけでなく、小学生の頃、当たり前のようにやっていた、「うんてい」も大人になると出来なくなります。
僕は娘が小学生になった頃、手本を見せようと思ってうんていをやって愕然としました。
とてもきつくて、反対側までたどり着けないんです。
それぐらいに引く筋肉の力は衰えるようです。
娘が1年生の時、土曜日の夜に小学校の体育館でやる、体操教室に通い始めました。
僕は毎週送り迎えをし、見学もしていました。
子供たちの教室なので、レッスンがすべて終ったあとは、先生と子供たちで遊んでいました。
なので僕も混ざって遊んでいました。
体育館にある、木製のはしごのようなものがありますよね?
調べてみたら肋木(ろくぼく)というそうです。
ある日、僕はあれを腕だけで上まで登りました。
すぐに子供たちが集まってきて真似をしようとします。
よそのお父さんもやって来て、真似をしようとしますが、誰も出来ませんでした。
それどころか普通の懸垂も出来ませんでした。
その時、ああ、やっぱり普通の人は懸垂が出来ないんだな、と思いました。
大人になると、懸垂やうんていは知らないうちに出来なくなっています。
出来るようになる為には結構な努力が必要です。
でも、出来るようになると嬉しいもんだと思います。
健康の為にもがんばりましょう。
ありがとうございました。