トレーニングの強度とボリュームについて

トレーニング

こんにちは。鹿野一郎です。
今回はトレーニングの強度とボリュームについて考えたいと思います。
よく聞く話ですが、パワーアップを目指すなら、トレーニングは1セットの回数(レップ数)が4回程度になるように、高重量でトレーニングをするのがよく、筋肥大を目指すのであれば、1セットの回数(レップ数)は8回から12回程度のするのが良いようです。
これは本当に色々なところで聞く話です。
僕の場合は数年前に、ベンチプレスとスクワットで、高強度低回数(レップ数4前後)のトレーニングと、中強度中回数(レップ数8前後)のトレーニングをしてみて、違いを確かめた事があるんですが、僕の場合は、中強度中回数の方がパワーアップできました。
当時のトレーニングの内容を記録してある訳ではないので、厳密な比較はできませんが、例えば4回5セット程度のトレーニングと、8回5セット程度のトレーニングをしてみたら、後者の方が筋力の向上は見られました。

でも世間では、高強度低回数の方がパワーアップに有効だと言われています。
トレーニングは人によって向き不向きの差が大きいので、一般的にはそうだけど、僕の場合は違うのだろうと思っていました。

今年の夏から秋にかけて、スクワット、ベンチプレス、デッドリフトでハイボリュームのトレーニングをしましたが、これはかなり効果があったと思います。
特にベンチプレスは2016年12月に初めてパワーリフティングの試合に出てから5年間も、ずっと110kgが挙がらなくて、進歩が見られなかったんですが、今回のハイボリュームで110kgを何とか挙げられるようになりました。
ハイボリュームのトレーニングでは、色々な重さと回数でトレーニングをしたので、結果として高強度低回数のトレーニングも、中強度中回数のトレーニングも両方やっていたような感じです。
それがとても良かったようです。

パワーリフティングでは、ボリュームは少なくした方が良いというような意見も聞きます。
例えば、スクワットとデッドリフトは週1回のトレーニングにし、1回のトレーニングは8レップ2セットしかやらない方が良いという意見もあります。
これはパワーハウス(という有名なジム)を作った吉田進さんの言葉です。
会った事はないですが、ネットでそのような記事を読みました。
また、74kg級で日本最強と言って差し支えないパワーリフター比嘉選手のトレーニングも、レップ数は1から3程度で、セット数もそれほど多くないです。

あおの自己満足チャンネルというYouTubeをやっている「あおさん」(74kg級で神奈川県最強と言って差し支えないパワーリフターです)も、ピーキングの時は、1セット1レップのセットと、1セット3レップのセットしかやらないと言っています。

また、最近ツイッターを見るようになったんですが、パワーリフターによってツイッターに投稿されている動画では、スクワットやベンチプレス、デッドリフトを1レップや2レップ挙げる動画がとても多いです。
つまり、世の中の強いパワーリフターの方々は、高重量低回数のトレーニングをしているという事のようです。

でも僕の経験では、僕の場合は高重量低回数のトレーニングはほとんど効果がありませんでした。

神経系を鍛える

高重量低回数のトレーニングは、筋肉ではなく、神経系を鍛えると言います。
この神経系というのが良くわからないんですが、どうやら神経のことのようです。
神経系という、一種の臓器(?)が実在するようです。
では神経を鍛えるというのはどういうことなんでしょうか?
人間は普段は最大筋力の3割ぐらいしか出せないようになっていると聞いた事があります。
火事場の馬鹿力というのは、いざという時にこの割合が4割とか6割とかに跳ね上がり、普段では出ない力が出るという事のようです。
神経を鍛えるというのはこれと同じ事なんでしょうか?
普段は3割しか力が出せないけど、神経を鍛えることによって、35\%の力が出るようになれば、筋肉が大きくならなくても、出力は大きくなりますよね。
神経を鍛えるというのはそういう事なんでしょうか?

僕は若い頃は空手をやっていたんですが、空手だと神経を鍛えるという事がよくわかります。
例えば前蹴りを出して、蹴ったと同時にすぐに足を引くようにと言われても、初めはなかなかうまくいきません。
蹴ってから足を戻すまでにタイムラグが生じてしまいます。
何度も何度も練習し、それを何ヶ月も続けることによって、素早く蹴って瞬時に元の位置に戻す事ができるようになっていきました。
組み手でも同じです。
相手にスキがあっても、初めのうちはすぐに打ち込めなかったです。
スキがあると頭でわかっていても、突きを繰り出すという動作ができないんです。
要するに体がついて行かないんです。
これも何ヶ月も練習をすることによって、スキを見つけたら反射的に打ち込めるようになっていきました。
神経を鍛えるというのはそういう事だと思います。
これは反射神経の話ですけどね。

でもバーベルを挙げる動きは、空手の突きや蹴りに比べるととてもゆっくりな動作です。
反射的な素早い動きは必要ないので、また別の意味の神経なのでしょう。
高強度低回数でトレーニングをすると神経系が鍛えられて、パワーアップにつながるというのは今ひとつわかりません。
理屈ではなく、行動で効果が実感できていれば、納得できるんだと思いますが、僕の場合は行動で効果がなかったという経験をしてしまっているので、どうしても納得できないです。

もし本当に8レップ2セットのトレーニングで強くなれるんだったら、または1レップ10セットとか、2レップ5セットぐらいのトレーニングで強くなれるならば、トレーニングの時間はとても短くて済むと思います。
本当にみなさん、そんなに少ないトレーニングで強くなっているんでしょうか?

5/3/1プログラムのボリュームについて

僕は一昨年の6月から今年の7月頃まで5/3/1プログラムでトレーニングをしていました。
5/3/1プログラムをやめたつもりはありません。
10月24日のパワーリフティングの試合に向けて、8月からハイボリュームのトレーニングを始めたら、自然に5/3/1プログラムから遠ざかったという感じです。
5/3/1プログラムとハイボリュームのトレーニングはなかなか両立が難しいと思います。

まず簡単に5/3/1プログラムについて説明しておきます。
5/3/1プログラムは4週間のサイクルを組んでトレーニングをします。
スクワット、ベンチプレス、デッドリフト、オーバーヘッドプレス(ショルダープレス)の自己ベストをそれぞれ「仮想MAX」と呼ぶことにします。
本当はTrue Maxというんですが、僕はこれがTrue Maxだとは思えないので、個人的に「仮想MAX」と呼ぶことにしています。
仮想MAXに0.9をかけた値をTM(Training Max)と言います。
そして各種目とも以下のようなプログラムでトレーニングをします。

1週目  TMの65%の重量を5回、TMの75%の重量を5回、TMの85%の重量を5回以上できる限り
2週目  TMの70%の重量を3回、TMの80%の重量を3回、TMの90%の重量を3回以上できる限り
3週目  TMの75%の重量を5回、TMの85%の重量を1回、TMの95%の重量を1回以上できる限り
4週目  ディロード(TMの40%から50%ぐらいの重量でトレーニングをして疲れを抜く)

見てわかると思いますが、とてもボリュームが少ないです。
これで強くなれるなら、嬉しいですが、残念ながらこれだけでは足りないようです。
5/3/1プログラムでは、メインセットの他に補助セットをやることを勧めています。
補助セットにはいろいろなバリエーションがありますが、そのうちの一つはスクワット、ベンチプレス、デッドリフト、オーバーヘッドプレスのそれぞれを10回5セットやるというものです。
メインセットと補助セットで同じ種目をするというのは、最初は驚きましたが、やってみるとこれはとても良かったです。
5/3/1プログラムではスクワットとデッドリフトが成長したと思いますが、メインセットよりもむしろ補助セットで強くなったような気がします。
10回5セットというのは僕がそれまでやっていたトレーニングに比べると、かなりのボリュームだったので、それで強くなったんだと思います。

でも5/3/1プログラムのメインセットにも大きな意義があると思います。
長期間のトレーニングでゆっくりと自己ベストを更新していくのには、とても適していると思うんです。
5/3/1プログラムの3セット目はだんだん重くなっていき、回数が減っていきます。
これがとても良かったです。
例えばベンチプレスの仮想MAXが100kgの場合は、TMが90kgになります。
すると1週目の3セット目は76.5kgを5回以上できる限り、2週目の3セット目は81kgを3回以上できる限り、3週目の3セット目は86.5kgを1回以上できる限り、です。
実際に100kgを挙げられる人にとっては、とても軽いトレーニングだと思います。
サイクルをクリアしたら、仮想MAXを重くします。
スクワット、デッドリフトはプラス5kg、ベンチプレス、オーバーヘッドプレスはプラス2.5kgです。
サイクルをクリアするたびに自動的に重さが加算されていくので、True Maxより、仮想MAXの方が実態に近いと思っています。

ベンチプレスのサイクルを順調にこなして、仮想MAXが120kgになると、1週目の3セット目は92kg5回、2週目の3セット目は97kgを3回、3週目の3セット目は103kgを1回以上できる限り、という事になります。
これがすべて挙がると、仮想MAXは122.5kgになります。
このようにじわじわと重くなっていくのが、とてもよく出来ていると思います。
でもボリュームを稼ぐという面ではあまりにも少ないので、ハイボリュームのトレーニングとは相性が良くないと思います。

もう一度高重量低回数のトレーニングをしてみようかと思います

僕は今は12月12日のベンチプレス栃木県大会に向けて、ベンチプレス、フロアプレスをハイボリュームでやっています。
なので、5/3/1プログラムは中断しています。
左内股をスクワットで怪我してしまっているので、それが治るまではスクワットはしないつもりです。
でも、デッドリフトをする上では特に支障がないので、デッドリフトはやります。
これまでと同様にハイボリュームのトレーニングをしても良いんですが、もう一度だけ、高重量低回数のトレーニングをしてみようかとも思います。

かつて1セット4レップ程度のトレーニングではパワーアップは見られなかったんですが、もっと重量を挙げて、1セットあたり1レップまたは2レップ程度のトレーニングを、実験的にやてみても良いと思います。

74kg級最強と言っても差し支えないパワーリフターの比嘉選手がそういうトレーニングをしています。
前に何かの雑誌で比嘉選手のトレーニングの内容を読んだ事がありましたが、以下のようなものでした。


スクワット
  70kg8回、110kg5回、150kg5回、190kg2回、210kg1回、230kg1回、

  252.5kg1回、272.5kg1回、280kg1回
ベンチプレス
  70kg8回から10回、90kg5回、110kg1から3回、130kg1回、150kg1回
デッドリフト
  70kg8回から10回、90kg5回、110kg5回、150kg1回、190kg1回、

  210kg1回、230kg1回、250kg1回、270kg1回、280kg1回

ものすごくレップ数が少なくて、ボリュームも少ないので、驚きましたが、あれで強くなれるなんて実に羨ましいと思いました。
でも、周りを見ると僕以外の人はほぼ全員と言っても良いぐらいに、高重量のトレーニングをしているので、僕ももう一度だけ試してみようかと思うようになりました。
回数がものすごく減るので、デッドリフトをするのは週1回ではなくて、週2回にしてやってみようと思います。

デッドリフトのハイボリュームトレーニングは、とても辛かったです。
1日で13トンのデッドリフトをした事がありますが、もうあんなトレーニングはしたくないとすら思います。

比嘉選手のトレーニングメニューを僕の筋力に合わせて縮小すると以下のようになりました。


スクワット
  45kg8回、70kg5回、96kg5回、121kg2回、134kg1回、147kg1回、

  162kg1回、174kg1回、179kg1回
ベンチプレス
  50kg8回から10回、64kg5回、77kg1から3回、91kg1回、105kg1回
デッドリフト
  48kg8回から10回、62kg5回、76kg5回、103kg1回、131kg1回、

  145kg1回、160kg1回、172kg1回、186kg1回、193kg1回

スクワットとベンチプレスも計算してしまいましたが、ここではデッドリフトの話をしています。
もしこのメニューで良いならば、とても楽で助かります。
おそらく全然キツくないのではないかと思います。
この感じだと、145kgまではウォームアップで、160kgからが本番セットという感じです。
本番セットが4本しかないなんて、本当に楽だと思います。
でも、普段はなかなか186kgとか193kgまで持ち上げないので、これを週に2回やるならば、普段とは違う高重量の刺激が入るのも間違い無いと思います。
これでパワーアップできるならば、儲け物だと思います。

周りの人々はほとんど全員、こういうトレーニングをしているようなので、僕も試してみようと思います。

今日のフロアプレス

今日、午前中に1時間だけ自宅でフロアプレスをしました。
朝は6時に起きて、朝食を作り、洗濯機を回します。
娘が学校に行った後は、洗濯物を干して、部屋を暗くして9時まで寝ました。
9時に起きて布団を片付けて、フロアプレスのセッティングをします。
フロアプレスは9時から10時までと決めて取り掛かりました。10時以降は、犬の散歩に行って、弁当を作って、仕事に出掛けました。

フロアプレスのインターバルの間に、書斎の片付けをして、書斎と僕の寝室兼トレーニングルーム、妻の寝室、2階の廊下と2階のトイレに掃除機をかけ、トイレ掃除をしました。
今日のフロアプレスは64kgから94kgまでのバーベルを合計92本挙げて、6.9トンのボリュームをこなしました。
11月に入ってから毎日フロアプレスをしていますが、4日目で月間ボリュームが26.6トンになりました。
これは10月の25.1トン、4月の25.32トンを超えています。
目標は8月の月間117トンを超えることですが、体が続く限りやっていくつもりです。
仕事をしても大胸筋や上腕が痛いです。
結構な筋肉痛になっていますが、まだまだ行けそうです。
筋肉痛がひどいと、トレーニングをしっかりやっているという充実感が得られます。

今回はこんなところです。
ありがとうございました。

内部リンク「5/3/1プログラムの紹介

内部リンク「パワーリフティング比嘉選手のトレーニング

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