こんにちは、鹿野一郎です。
昨日、職場でボディービルダーに会いました。
前にもこのバーベルブログに投稿したことがありますが、同僚のキクタさんです。
僕は予備校講師をしていて、キクタさんも同じ予備校の講師です。
僕は一応パワーリフティングをしていますが、キクタさんはボディービルをしています。
彼とは毎週職場で会いますが、離れた席に座ることが多いのでそんなに頻繁に話し込む事はありません。
でも、昨日は珍しくすぐ隣のテーブルに座ったので、僕の方から話しかけました。
彼が随分と日焼けしていたので、そろそろコンテストなんだろうと思って声をかけたんですが、彼の話を聞けば聞くほど、自分が情けなくなって仕方なかったです。
ボディービルダーのキクタさん
僕は164cm55歳、76.4kgの男ですが、キクタさんは僕よりさらに背が低くて、おそらく160cmぐらいだと思います。
年齢も僕より少し下なので、おそらく53歳とか52歳ぐらいだと思います。
僕はよく人から腕が太いと言われますが、キクタさんは胸板が厚くて肩幅が広いです。
彼は僕よりもはるかに体重が軽くて、増量期で一番太るときでも70kgに届かないそうです。
ボディービルのことを全く知らない人々は、ボディービルダーが一年中、筋肉ムキムキで脂肪がない体型を維持していると思っているようですが、それは違います。
僕もそんなに詳しい訳ではありませんが、ボディービルのコンテストは毎年7月から10月にかけて行われます。
そしてボディービルダーが、体脂肪がほとんどない絞りあげられた体になっているのはコンテストの期間だけなんです。
普段はもっとぶよぶよしています。
バキバキの体を一年中維持しようと思うと、どうしても筋肉もジリ貧になってしまうそうなんですよ。
なのでコンテストが終わったら、翌年のコンテストに向けて、ばりばり食べて体重を増やします。
もちろん増えるのは筋肉だけでなく、体脂肪も増えますが、それでも構わずにたくさん食べて、滅茶苦茶トレーニングをして筋肉をつけます。
そして、大体2月か3月ぐらいから減量に入ります。
ボディービルダーの減量は、体脂肪を落として筋肉を残す作業です。
高タンパク、低脂肪の食事を心がけて、炭水化物を少しずつ減らして痩せていきます。
大体、1ヶ月に2kg程度の減量が適当なペースのようです。
なので、10kg落とす人は、5ヶ月間減量します。
だから2月から7月が減量期になるんです。
高タンパク、低脂肪の食事をしながら、ハードに筋トレをしていくと、主に脂肪を落として、筋肉はなるべく減らさずに減量できるそうです。
で、そのキクタさんがコンテストに出る時に体重は、なんと52kgだといいます!
僕は耳を疑いました。
男性で52kgなんてほとんどいないですよね。
僕が知る限り、世の中の男性は体重が70kgに達すると危機感を感じて減量を始めるようです。
もちろんそうでない人も多いですが、70kgをデッドラインと考えている人は多いようです。
ちなみに僕は70kgを超えているのは当たり前で、僕にとってのデッドラインは80kgです。
80kgを超えると流石にまずいと思います。
僕はパワーリフティングの試合に74kg級で出場しているので、試合の時には74kg以下まで減量しなければなりません。
今は、1ヶ月後のパワーリフティング関東大会(開催地千葉)に出場するために減量しています。
減量を開始したのは、事実上9月1日で、それからおよそ1ヶ月が経過しました。
79kg程度から減量を開始して、今朝の体重は76.4kgでした。
あと1ヶ月で2.4kg落とします。
食べたいものを我慢する生活にもそろそろ疲れてきて、早く減量から開放されたいと思っていたところでした。
キクタさんはボディービルダーですが、筋力もとても強いそうです。
ベンチプレスは140kgを挙げるそうです。
スクワットは普段はスミスマシーンでトレーニングをしているそうですが、190kgでパラレルまでしゃがんでやっているそうです。
パラレルというのは、大腿部が床と水平になるまでしゃがんでいるという意味です。
190kgで何回やるのか聞いていないですが、ボディービルダーは筋力強化ではなく、筋肥大のためにトレーニングをしているので、結構な回数を挙げているんだと思います。
世間では筋力強化には限界で4回ぐらいしかあげられない重量でトレーニングをするとよく、筋肥大を目指すなら限界で8回から12回程度の重さでトレーニングをするのが良いというのが通説のようです。
なので、キクタさんは物凄い脚力を持っているようです。
でもデッドリフトは苦手なようで、120kgかな?と言っていました。
140kgだときついとも言っていました。
彼の体重を考えるとものすごいパワーだと思います。
ちなみに僕の試合でのベストは、ベンチプレス107.5kg、スクワット170kg、デッドリフト185kgです。
74kg級でこれですからね、全然大したことないです。
キクタさんの減量
彼は1ヶ月後に2つの試合に出るそうです。
2週続けて試合があるから、どっちに照準を合わせるか難しいと言っていました。
間が1ヶ月空いていれば、両方ともベストコンディションで出られるけれど、1週間となるとどちらかがおろそかになるそうです。
今日の体重は何kgなのかとキクタさんに聞いたら、なんと55kgだそうです。
そんな風には全く見えなかったですよ。
どう見ても70kgぐらいあるようにしか見えないんですが、55kgだと言います。
彼は同僚のある人からボディービルを教えて欲しいと言われて何度か一緒にジムに行ったそうです。
元々体を鍛えている人で、それなりに筋力はあるそうです。
で、その人からどのくらい減量したら良いかと聞かれて、「20kgやせろ」と言ったそうです。
言われた人はびっくり仰天してしまって、「本気なのか?」という反応だったそうですが、キクタさんは大真面目だったそうです。
普通、20kg痩せろと言われたら、自分は見放されたと思うんじゃないでしょうか?
本当にそんなに痩せる必要があるのかと考えてみました。
例えば、あるところに体重70kgで体脂肪20%の男性がいたとします。
筋トレもそれなりにやっているとします。
そして、ボディービルのコンテストに出るために減量を始める事にしたとしましょう。
一体どこまで痩せれば良いのでしょうか?
70kgで20%ということは、体脂肪は14kgです。
この14kgを落とすために、14kgの減量をしたらどうなるでしょうか?
脂肪がゼロになってキン肉マンになる訳ではありません。
どんなに上手に減量しても、必ず筋肉も減るからです。
仮に14kg減量して、そのうち11kgが体脂肪、3kgが筋肉だとすると、56kgに痩せたときは、体脂肪が3kg残っている事になります。
この場合、体脂肪率はおよそ5%という事になります。
キクタさんはコンテストに出るときは、体脂肪計がエラー表示になるそうです。
体脂肪率が3%を割り込むと、エラーメッセージが出るそうです。
そこまで絞らないとステージに立てないと彼はいいます。
そこまでしないと、ステージに出る以前に、バックヤードで服を脱ぐ段階で、周りの凄さに圧倒されて、ステージに出たくなくなるそうです。
そう考えると、70kgの人が56kgまで痩せてもまだ十分ではない事になります。
という事は、「20kgやせろ!」というセリフも決して大袈裟ではないようです。
本当にものすごい世界です。
キクタさんは最近は体重を増やさないように努力していて、増量期でも60kg台の前半で抑えるそうです。
彼の言葉によれば、野球やサッカーで活躍している選手の体は半分は脂肪で、筋肉はほとんどないそうです。
世の中の人々は全くわかっていないと言っていました。
世の中に人がマッチョとおだてている人は大体脂肪の塊だと言っていました。
確かにボディービルダーの感覚からするとそうなんでしょうが、世間の感覚からいうと、ボディービルダーの減量の方が正気の沙汰ではないと思います。
あそこまで絞らなくても良いと思うし、もう少し脂肪が乗っていた方が、世間的にはカッコイイのではないかと思います。
僕の減量
僕はパワーリフティング74kg級の選手なので、試合のたびに74kg以下に体重を落とします。
大体年に2回、春と秋に試合に出ます。
試合の当日の体重は、大体72.5kgから73.5kgぐらいです。
でも減量を始めるときの体重は大体79kgぐらいあります。
減量中は、試合が終わっても減量を続けて、70kg以下まで絞ろうと思うんですが、試合が終わるとまず体重を計らなくなり、次に朝昼晩の白米の量が増え、外食の機会が増え(減量中は自分で作ったものしか食べません)、お酒を飲むようになり、お菓子も食べるようになり、気づけば79kgになっています。
毎回、試合の発表があると体重を測るんですが、見事に毎回79kgです。
79kgから74kg以下まで落とすのが僕の減量ですが、キクタさんの減量とはあまりにもレベルが違います。
試合当日、73kg台の体重になったとき、鏡の前に立つと、腹筋のカットが鮮明になっていて、横腹の脂肪も少なくなっていて、かなり体が絞れた感じがします。
でもキクタさんの水準でみたら、まだまだ脂肪の塊で、オイルマンとでも言うべき状況なんでしょう。
オイルマンは変な英語ですね。
ではファットマンですか?
でもファットマンだと長崎に落とされた原子爆弾と同じ名前なので、オイルマンの方がまだいいですね。
もちろん不名誉な名称ですが。
筋肉系ユーチューバーのkatochan33さん、サイヤマングレートさんはボディービルの試合に出る時に65kg以下まで絞ります。
だからてっきり僕も65kgぐらいまで絞ればあのようなばきばきの体になるものと思っていましたが、どうやら全然違うようです。
僕よりも筋力があるキクタさんの仕上がり体重が52kgという事は、考えたくないですが、僕がボディービル並の減量をした場合の仕上がり体重は、50kgとかもっとかるのでしょうか?
50kgなんて、女性の体重じゃないですか?
もし仕上がり体重がそのぐらいだったら、いったい僕の体にはどのくらいの体脂肪がついているんでしょうか?
僕がスクワットやデッドリフトをする時に締めているパワーベルトは、85cmの穴で締めています。
試合前になると82cmの穴で締まるようになります。
僕もたまに職場の同僚と筋トレをする事がありますが、パワーベルトを貸してあげても届かなくて、締まらないという人が2人もいました。
一番ゆるい穴は91cmなんですが、それでも届かないんですよ。
つまり、世の中の中年男性のウエストというのはそのぐらい太いという事なんでしょう。
なので僕はてっきりウエストが細いものと思っていました。
シルベスター・スタローンが「ランボー怒りの脱出」を撮影したときのウエストは85cmです。
今日の僕のウエストは84cmで、その当時のスタローンより細いです。
でも、身長も全然違います。
スタローンは177cmで僕は164cmです。
katochan33さんがボディービルのコンテストに出る時にウエストは70cmだそうです。
男でウエスト70cmなんて、ものすごい細さですね。
それでいて胸囲は1メートル以上あるはずなので、見事な逆三角形ですね。
僕にはウエスト70cmなんて、一生縁がないと思います。
80cmにするのだって一苦労ですよ。
もし70kgまで痩せる事ができたら、ウエストも80cm以下になると思いますが、成人してから体重が70kgを下回った日は、1日しかないので、僕にとって体重70kgというのは難攻不落の難しい目標です。
キクタさんと比べると、随分と甘っちょろいレベルのところで、喘いでいるだけみたいです。
グラビアアイドルの努力
グラビアアイドルの人々の体型は、天から与えられたものだと思いますが、与えられたものを維持するためには大変な努力が必要なんだと思います。
何も考えずに普通に生活していたら、一瞬にして失われてしまうでしょう。
ボディービルダーはより良い体を作り上げるために、増量期には体脂肪が増えることを顧みず、たくさん食べて筋肉を増やします。
そして、コンテストが近づくとなるべく筋肉を残しながら、極限まで体脂肪を落とします。
そしてステージに立っている時だけが、あのバキバキの体な訳です。
それに対してグラビアアイドルの人々は、おそらく年がら年中撮影があるだろうから、常にあの体型を維持しなければなりません。
食事制限も当然きついだろうし、背中やおしりなどの筋肉を鍛えるために筋トレもしていると思います。
もしかしたら全身鍛えているのかもしないですが、その辺はあまり詳しくないです。
それだけでなく、笑顔の作り方、よく見えるアングルの研究などもしていると思います。
以前はとても気楽で羨ましい仕事だと思っていましたが、自分が減量をするようになってみて、つくづくグラビアアイドルは大変な仕事だなと思うようになりました。
暴飲暴食で体型を崩したら仕事を失いかねないし、完璧にコンディション作りができていても、歳を取ると自動的におよびじゃなくなります。
それまでに女優やタレントに転身するなどのセカンドキャリアを築けない人は、そのままサヨナラとなってしまうのでしょう。
ものすごく厳しい世界だと思います。
いつかキクタさんと筋トレしてみたいです
いつかキクタさんと一緒に筋トレをしてみたいです。
50kg台の体重で、ベンチプレスで本当に140kgが挙がるなら、物凄い事だと思います。
おそらく彼のことだから、ちゃんとルールは踏まえて言っていると思います。
ベンチから尻を浮かす事はないだろうし、バーベルシャフトはきっちり胸に接触するまで下ろしていると思います。
パワーリフティングの試合みたいに胸でシャフトを1秒静止させる事はしていないと思いますが、ちゃんと81cmラインが隠れるようにバーベルを握っていると思います。
またスクワットのスミスマシーンもすごいと思います。
僕はかつて1回だけ190kgのバーベルを担いでスクワットを成功させた事があります。
残念ながら試合ではなく、ジムでのトレーニングの時です。
しゃがみはパラレルぐらいだったと思うので、パワーリフティングの試合では失敗の判定になります。
でもキクタさんは、スミスマシーンといえども、その190kgを何発も挙げるようなので、是非とも見てみたいです。
体重が50kg台の人に本当にそんな力があるとはどうしても思えないです。
パワーリフティングの試合でも59kg級の選手が190kgのバーベルを挙げるところを見た事はありません。
あげる人はいるかも知れないですが、少なくとも僕は試合会場で59kg級の選手が190kgに挑戦するところは見たことがないです。
いつか彼と筋トレをしてみたいと思います。
別に彼の話を疑っている訳ではないですよ。
本当なら是非とも見てみたいという事です。
キクタさんとのゴールドジム談義
キクタさんは普段ゴールドジムでトレーニングをしています。
最近は曳舟のジムに通っているそうです。
その前は北千住のジムに行っていたそうですが、あまりにも混んでいるので、曳舟に変えたと言っていました。
彼が言うには、津田沼のゴールドジムにはパワーリフティング専用ルームがあるそうです。
彼は津田沼のジムには行った事がないようですが、僕は数え切れないほど行っているので、それはパワーリフティング専用ではなく、ウエイトリフティング専用だと伝えておきました。
彼がどこかのジムがとても狭いと言っていたので、四谷も狭いよねというと、激しく同意していました。
四谷のゴールドジムは恐ろしく狭いと思います。
僕は1回だけ行った事がありますが、狭すぎてワイドスタンスのデッドリフトが出来ませんでした。
その時に、もう2度と来ないと思いました。
僕は千葉県民なんですが、彼は千葉県にはゴールドジムが多いと言うので、指折り数えてみました。
本八幡、津田沼、幕張に2つ、千葉ニュータウンに2つ、柏、成田これだけで8つもあります。
確かに千葉にはゴールドジムが多いですね。
キクタさんは埼玉県民なので、おそらく行った事がないだろうと思いましたが、千葉ニュータウン(ジョイフル本田に併設されていない方)のゴールドジムはものすごく広くて、しかも空いていると話しました。
彼はやはり千葉ニュータウンには行ったことがなく、彼が知る範囲では北千住が広いと言っていました。
僕も北千住は1回だけ行った事があります。
確かにあそこは広いと思います。
なんか、ジムが地下っぽいところにあって、天井がものすごく高かったのを覚えています。
あそこも広いですが、おそらく千葉ニュータウンの方が広いと思います。
そして僕としては、お風呂がある方が良いですね。
シャワールームではなく、お風呂があるジムの方が良いです。
成田と津田沼、幕張のアネックスじゃない方にはお風呂があったと思います。
記憶では北千住はシャワーだったと思いますが、よく覚えていないです。
キクタさんが言うには、北千住は広いけれど、人もとても多くていつも混雑していると話していました。
1時間あたり300人とか言っていたような気がしますが、どうしてそんなディープな情報を知っているのかは謎です。
終わりに
職場での何気ない会話でしたが、何故か刺激を受けました。
僕ももっと頑張らなければいけないなと思いました。
本気でやるならば、まずは70kgです。
難攻不落の目標ですが、ちょっとがんばってみようと思いました。
今回はこんなところです。
ありがとうございました。
内部リンク「職場のボディービルダー」