こんにちは、鹿野一郎です。
今日は2022年5月4日の水曜日です。
僕がこのバーベルブログを書き始めたのは去年の3月10日でした。
あの当時は、ベンチプレスで右肩を痛めて、リハビリをしているところでした。
4月には治ったと思った右肩を、再びベンチプレスで11月に痛め、それが治ったと思ったら今年の1月にまたやってしまいました。
いくらなんでも多すぎます。
別に無理な重量を扱って怪我をした訳ではありません。
今年の1月にやってしまった時は、80kgのバーベルで普通にベンチプレスをしていたら、突然右肩が痛み始めました。
ゆっくりバーベルを下ろした時でした。
これだけ怪我が続くという事は、おそらくフォームに根本的な問題があるのでしょう。
今後も怪我を繰り返さないようにするためには、改善しなければなりません。
81cmラインについて
オリンピックシャフトと呼ばれる、220cm20kgのシャフトには81cmラインという線が刻まれています。
それはパワーリフティングの試合の時に重要な意味を持つ線です。
パワーリフティングでは、ベンチプレスの時の握り手の幅に制限があります。
手幅が広すぎると、それで失敗の判定になります。
バーベルを握った時に、81cmラインが完全に見えなくなっているか、または手の外側に見えている場合はOKです。
でも、81cmラインが握り手の内側に見えている場合は失敗になります。
つまり、握った時の人差し指と人差し指の間の距離は最大で81cmまでしか許容されないという事です。
ベンチプレスでは手幅が広い方が有利になります。
手幅が狭いより広い方が、肘が伸び切るまでバーベルを押し上げても、バーベルが上向きに動く距離が小さくなります。
また、手幅が広い方が胸の力をより多く使う事ができます。
手幅が狭いと上腕三頭筋の関与が大きくなり、手幅が広いと大胸筋の関与が強くなると言われています。
なので、僕はいつも81cmラインに人差し指が重なるような握り手でベンチプレスをしています。
実はこれが良くなかったようです。
筋肉系ユーチューバーのShoさん(Sho FitnessのShoさん)が2017年1月12日に公開した動画「正しいベンチプレス講座」を改めて見て、そう感じました。
この動画は前にも何回か見た事がありますが、今回は自分のフォームの悪い点を探す視点で見ました。
すると、すぐに原因がわかりました。
僕の場合は、体の大きさに対して、手幅が広すぎたんです。
Shoさんは筋肉系のユーチューバーですが、自分の経験やトレーニング法を語るのではなく、海外の研究者が実験と検証を重ねて発表した論文の内容を紹介する事が多いです。
彼は英語が読めるだけでなく、話を論理的に構成し、わかりやすくまとめる力が優れていると思います。
そのShoさんの動画で、もっとも気になったのは、手幅でした。
Shoさんの説明によると、ベンチプレスでの手幅は肩峰という骨の距離の1.5倍以内が適切な手幅だそうです。
Shoさんの場合は、肩峰の幅が45cmなので、その1.5倍は67.5cmになると話していました。
そして、実際の彼の手幅は67cmなので、1.5倍の幅に収まっていると話していました。
これには驚きました。
Shoさんは、182cm92kgの巨人です。
対する僕は、164cm76kgの小人です。
Shoさんの手幅が67cmで、僕の手幅が81cmというのは完全におかしな話です。
僕の身長はShoさんの身長の0.90倍で、僕の手幅はShoさんの手幅の1.21倍です。
2人を同じ身長に換算すると、僕の手幅はShoさんの手幅の1.34倍にもなります!!
どう考えても広すぎです。
おそらくこれが怪我の原因なのでしょう。
自宅でのフロアプレスでは怪我をした事がありません
ジムでベンチプレスをしていて、肩を怪我した回数はとても多いです。
数えていないので何回かわかりませんが、しょっちゅうやっています。
一番酷かったのは30歳ぐらいの時の左肩の怪我で、1年以上ベンチプレスが出来なくなりました。
あの時は、肩が痛いだけでなく、前腕や首筋まで痺れが走る、かなり酷い症状でした。
でも、自宅で自分のバーベルでフロアプレスをしていて肩の怪我をした事はないです。
それはおそらくバーベルシャフトが短いからです。
僕が持っているバーベルシャフトは、マーシャルワールド製のもので、160cm9kgです。
28mm規格のレギュラーシャフトです。
シャフトが160cmと短いので、81cmラインはありません。
いつものようにシャフトを握って、人差し指と人差し指の間の距離を測ってみたら、72cmでした。
左右の肩峰の間の距離をどうやって測るのかわからないので、勝手にShoさんと同じと仮定して、僕も67cmぐらいで握るようにしてみようと思います。
フロアプレスで肩の怪我をした事はないので、72cmでも大丈夫だと思いますが、とりあえずShoさんを真似て67cmでやってみようと思います。
Shoさんは81cmラインに薬指が乗るように握っているそうです。
次から僕もその手幅でやってみます。
ん?何か変じゃないですか?
僕は今、81cmラインに人差し指が乗るように握っています。
それで81cmです。
Shoさんは67cmという事なので、左右7cmずつ内側に寄せないと67cmになりません。
薬指が乗るように握ってもダメじゃないですか?
僕の手の場合だったら、7cm内側に寄せたら、多分小指が81cmラインに乗るようになると思います。
Shoさんは手も大きいんですね。
まあ、182cmですからね。
きっととても大きい手なんでしょう。
訂正します。
僕は小指が81cmラインに乗るように握ることにします。
チーム内でのベンチプレスセミナーで指摘された事
今は新型コロナウィルスの感染拡大のため、パワーリフティングのチーム「バーベル野郎!」の集まりがありません。
以前は、年明けと夏に、合同練習会、親睦会をやっていました。
合同練習会ではチームの中で抜群にベンチプレスが強い幕張さんに、ベンチプレスセミナーをやってもらった事があります。
会場は、チームの検見川さんが私財をはたいて作った個人ジムでした。
その時に、幕張さんから一通り説明を受けて、それを実践してみた後、各自悪いところを直してもらいました。
僕の場合は、バーベルを下ろす位置が腹側すぎるので、もう少し胸の方に下ろすように言われました。
でも、その時に手幅が体に対して広すぎるとは言われませんでした。
幕張さんの認識ではあの手幅で問題がなかったのでしょうか。
いや、違うと思います。
手幅まで見ていなかったんだと思います。
思い出してみても、チームの人々がどんな手幅でバーベルを握っていたか、全く思い出せません。
普通、そういうところは見ないんじゃないでしょうか?
考えてみれば思い当たる事がたくさん出てきました。
僕はバーベルを胸に下ろした時に、肘が大きく開いてしまいます。
これは怪我をしやすいフォームだと知っているんですが、なかなか直せなくて苦労していました。
どうやったら肘が開かないようにバーベルを下ろせるのか?
肘を閉める事を意識してベンチプレスをすると、重いバーベルが全く上がらなくなりました。
今ならこの原因がはっきりとわかります。
手幅が広すぎたからですね。
これに尽きますね。
81cmの手幅を67cmまで狭くすれば、14cmも狭くなるので、肘も開かなくなるでしょう。
おそらく、それが原因だと思います。
ベンチプレスの手幅と使う筋肉の関係
僕は19歳で浪人していた時から現在まで日記をつけているんですが、日記で「81cmライン」という言葉が出てくるのはいつからなのだろうかと調べてみました。
すると、2016年に初めて登場していました。
バーベルシャフトを買う事を検討していて、長さを140cmにするか160cmにするか、それとも180cmにするかを迷っている文章の中に81cmラインという言葉が出てきました。
81cmラインという言葉はもっとずっと昔から知っていたはずですが、日記では2016年が最古の記述でした。
その時の日記を読んでみると、81cmラインぎりぎりに握っても大胸筋に効いている感覚がなく、上腕三頭筋に効いていると書いてありました。
これはとても不思議ですが、当時はそう感じていたようです。
去年の11月にベンチプレスで再び右肩を怪我してしまった時、1ヶ月後にベンチプレス栃木県大会が控えていたので、なんとか痛みの出ない形でトレーニングをしたいと思い、ナローベンチプレスをしました。
ナローベンチプレスだと、右肩の痛みが出なかったんです。
ここでもやっぱり、手幅が広すぎる事が怪我の原因という仮説がぴったりと当てはまりますね。
で、ナローベンチプレスをすると、世間で言われているように、上腕三頭筋ばかりが効いていたのかというと、そうではなく、ばっちり大胸筋に効いていたと思います。
以前、81cmラインでやっていても大胸筋ではなく、上腕三頭筋に効くと感じていました。
そして、去年は肩幅程度(50cmぐらい)の手幅でナローベンチプレスをすると、大胸筋に効いているような気がしました。
一体、僕の体はどうなっているのでしょうか?
世間で言われている事とまるで逆です。
去年の11月にはベンチプレスが過去最高に強くなっていました
僕は2016年からパワーリフティングに74kg級で出場しています。
2005年にベンチプレス千葉県大会の82kg級(当時はそういう階級がありました。)に出場しましたが、それを除けば、試合でのベンチプレスの自己ベストは107.5kgです。
110kgには何度も挑戦していますが、一度も成功していません。
かつては110kgは、バーベルシャフトを胸まで下ろして1秒静止させた後、主審の「プレス!」の合図がかかっても1cmたりとも押しあげる事ができずに潰れていました。
でも去年の10月の千葉県大会では、第一試技で105kgを成功させた後、第2試技で110kgを初めて最後まで押しあげました。
でも、バーベルが水平ではなく、右が先行し、左が遅れて挙がったという理由で、判定は失敗になりました。
第3試技で再び110kgに挑戦し、今度はバーベルが水平を保ったまま最後まで押し上げましたが、バーベルがとても重く、押しあげるのに長い時間がかかりました。
判定は、バーベルが途中で下がったという理由で失敗になりました。
そして12月のベンチプレス栃木県大会で、第1試技の105kgを成功させた後、再び110kgに挑戦しました。
怪我を押しての出場でした。
第2試技では110kgを最後まで押し上げましたが、バーベルシャフトがラックに接触してしまって失敗になりました。
第3試技では、もうバーベルを押し上げる力が残っていなくて、潰れました。
このように110kgは一度も成功させた事がない重さなんですが、普段のトレーニングでは何度も成功させています。
特に去年の11月、怪我をする前は簡単に110kgが挙がっていました。
あのまま怪我をせずにトレーニングを重ねていたら、今頃115kgとかもっと上の重量まで挙がるようになっていたかも知れないです。
そう思うと怪我は本当にもったいないです。
もし手幅を67cmに変更する事で二度と怪我をしなくなれたなら、どんどん記録を伸ばして行けるかも知れないです。
それが今から楽しみです。
デッドリフトで怪我をした事はありません。
僕はこれまでにベンチプレスでは何回も肩の怪我をしてきました。
その都度、何ヶ月もベンチプレスが出来なくなり、悔しい思いをしてきました。
そして去年は9月に初めてスクワットでも怪我をしました。
スクワットで腰を痛める人がいるようですが、僕の場合は腰ではなくて、左の内股を痛めました。
あの日は、体が硬くて20kgのシャフトを担いでも、深くしゃがめていないのがわかっていました。
60kgでやっても100kgでやってもしゃがみが浅かったので、160kgのバーベルを担いだ時に、重力に任せてストンと落とすようにしゃがみました。
それで深くしゃがむ事ができたんですが、この時に怪我をしました。
その時は全く気がつかなかったです。
次は170kgでスクワットをするんですが、あの当時の僕だったら170kgは軽く3回、4回は出来たはずでした。
170kgのバーベルを担いでしゃがむと、切り返す間もなくそのまま潰れてしまいました。
全く何が起こったのかわかりませんでした。
スクワットはそれで終わりにして、次はベンチプレスをやったんですが、ベンチプレスをしている時にだんだん左の内股が痛み出して、ジムを出る時には何も担いでいなくてもしゃがめないほどに痛くなっていました。
一時は千葉県大会の出場は無理ではないかと思いました。
出てもスクワットの第一試技は20kgのシャフトだけになってしまうんじゃないかと思いました。
そのぐらいにひどい痛みでした。
結局それから試合までまったくスクワットをしなかったんですが、うまい具合に当日は痛みが出なくて、170kgを成功させる事ができました。
ただ、その後デッドリフトで190kgを3回連続失敗して、スクワットの記録も泡と消えましたが。
この怪我の原因は明確です。
体が硬くてしゃがめないのがわかっていながら、十分にほぐしもしないで160kgのバーベルを担いで無理にしゃがんだために呼び込んだ怪我でした。
注意をしていれば避けられました。
もう2度とあんなバカな真似はしません。
デッドリフトでは腰を痛める人が多いと聞きますが、よく聞くので、デッドリフトをする時は背中の反りに注意しています。
おそらく注意しているから怪我をしていないんだと思います。
そう言えば、3日前の千葉県大会の時に、ニースリーブをつけないでスクワットをして、膝が吹っ飛ばないのかと聞かれましたが、今のところ膝はなんともないです。
生まれてこの方、膝が痛かった事と言ったら1回しか経験がありません。
まだ20代だった若い頃、飲み会の帰りに電車に駆け込んで乗ろうとしたら、タッチの差で間に合いませんでした。
頭に来て、鉄の柱に膝蹴りを喰らわせたんですが、あの時は本当に膝が痛かったです。
こんな事を書くと、僕という人間はとても凶暴な人間に思われてしまうかも知れませんが、若かったし、酔っ払っていたし、あの当時は空手をやっていたので、たまたまそうなっただけです。
今のところ、スクワットやデッドリフトで膝が痛いと感じた事はないですが、怪我の予防のためにも次の試合までにはニースリーブを買おうと思います。
スクワットやデッドリフトである程度重たいバーベルを扱う時は、パワーベルトを締めます。
ベルトなしでやったら怪我をするのではないかという恐怖感があります。
ベルトがあるのとないのでは、体幹にかかる負担はかなり違います。
きっとニースリーブをつけてスクワットやデッドリフトをすると、膝が楽になるんだと思います。
終わりに
僕が所属しているパワーリフティングのチーム、「バーベル野郎!」にはかつて10人以上の選手がいましたが、今年選手登録をしているのはわずか5人です。
しかも2人は今年入ってきた新人です。
みんなどこに行ってしまったのかと思ったら、ほぼ全員、怪我でリタイアしていました。
ブログを書いているアジア先輩は、アジア大会に出場するほど強い選手でしたが、回復がとても難しい怪我をしてしまって、競技生活を諦めたそうです。
日常生活は普通に送れるそうですが、競技に復帰するためには、何とか筋という小さい筋肉の移植が必要になるそうです。
もう年齢も60近いので、そこまでする気はないという事だそうです。
他の方々の、肩や大腿二頭筋の怪我などで戦線を離脱しているそうです。
いずれ帰ってくると思いますが、僕も怪我をしないように気をつけたいです。
パワーリフティングに情熱を傾けるならば、一番気をつけるべきは、怪我をしない事ですね。
怪我をしたら何にもなりません。
怪我をしないように気をつけたいです。
ありがとうございました。
外部リンクShoさんの「正しいベンチプレス講座」
内部リンク「ナローベンチプレスは本当に上腕三頭筋に効く?」
内部リンク「アジア先輩のブログ」