「懸垂やらないのに、なんでそんなに背中がでっかいの?」と聞かれた話

自分のバーベル デッドリフト

こんにちは、鹿野一郎です。
僕は2016年から2017年にかけて、天台スポーツセンターのトレーニングルームで筋トレをしていました。
そこで知り合ったリーダーから

背中を鍛えるには懸垂が一番だと思うんだけど、鹿野さん、懸垂やらないのに、なんでそんなに背中がでっかいの?

と聞かれたことがあります。
リーダーというのは僕が勝手に付けたあだ名です。
この天台スポーツセンターでは2人の方と仲良くなりました。
仲良くなる前から2人の存在を知っていたので、僕は勝手にあだ名をつけていました。
1人が「リーダー」で、もう1人が「部長さん」です。
この2人は仲が良く、いつも一緒にトレーニングしていました。
リーダーは、見るからに体づくりをしていますという感じの人で、筋肉もりもりで、色も黒く、服装もそのスジの人という感じでした。
だから僕は勝手にリーダーという名前をつけていました。
もう1人の方は、そこまでばりばりではありませんでした。
見れば普通のサラリーマンのようですが、トレーニングはとても熱心で、扱っている重量も普通の人から見れば随分と重たかったです。
少しお腹は出ていましたが、すごく熱心にトレーニングしていたので、僕は好意的に感じていました。
会社では立場がありそうな人に見えたので、勝手に「部長さん」というあだ名をつけしました。
そしてある日、リーダーから上のセリフを言われたんです。

天台スポーツセンターのトレーニングルームです

懸垂は確かにやっていませんでしたが、デッドリフトは一所懸命やっていました

確かに当時の僕は懸垂を全くやっていませんでした。
やる必要がないと思っていたからです。
今は懸垂は好きな種目ですが、あの当時はまだきちんと懸垂をする事が出来ませんでした。
もっと正確に言うと、鉄棒で懸垂をする場合、アゴが鉄棒の上に出るまで引き上げる事は出来ませんでした。
出来ないからやらないという側面もあったし、やりたいと思わないからやらないというのも本当でした。
あの当時はパワーリフティングを始めたばかりで、ベンチプレス、スクワット、デッドリフトを中心にトレーニングをしていました。
でも、パワーリフティングを始める前は、スクワットやデッドリフトなんてほとんどやった事がありませんでした。
脚のトレーニングは、レッグプレスやレッグエクステンション、レッグカールのマシーンをやるだけで、バーベルを担いでスクワットをするなんて、考えた事もなかったです。

鹿野一郎
鹿野一郎

何が悲しくてあんなきついことをしなければならないんだ?

ぐらいに思っていました。
デッドリフトもそうです。
やった事はありましたが、本当にやった事があるというだけで、計画的、継続的にやったことはありませんでした。
背中のトレーニングは、たまにラットプルダウンを10回3セットやるだけでした。
それ以外の種目は一切やった事がありません。

でも、パワーリフティングを始めて、デッドリフトをちゃんとするようになると、背中が鍛えられ、体が強くなったような気がしました。
例えば、引越しの手伝いなどで、多くの荷物を運ぶ時、以前の僕だったら真っ先に背中が辛くなってきました。
背中が疲れるというか、熱を持つ感じで、腕や胸が元気でも、背中がきつくて

鹿野一郎
鹿野一郎

ちょっと、休憩。

という感じになっていました。
昔の僕は胸や腕、肩、腹筋を中心に鍛えていて、背中なんてまったく鍛えていなかったので、真っ先に背中がダメになってしまうんです。
でも、デッドリフトをやるようになってから、この感覚はなくなりました。
体の前側だけが強かったんですが、デッドリフトをやって後側も強くなり、バランスが取れたような気がしました。
これはデッドリフトを始めて感じた、大きな変化です。

でも、デッドリフトをやって背中が大きくなるなんて、考えたこともなかったので、リーダーのその言葉は意外でした。
リーダーは背中を大きくしたいのか、懸垂はとても熱心にやっていました。
10kgのプレートを腰に下げて、パワーラックの懸垂バーで懸垂をしていました。
でも、デッドリフトは一度もやっているところを見た事がありません。
それは、過去に腰を痛めた事があるからだそうです。
かなりひどい怪我をしたそうで、それ以降、腰に負担のかかる種目はやらなくなったそうです。

だから背中は懸垂で鍛え、脚はレッグプレス、レッグエクステンション、レッグカールのマシーンで鍛えていました。
バーベルでのデッドリフトや、バーベルを担ぐスクワットは怖くて出来ないのだそうです。

あの当時の僕はまだデッドリフトで150kg程度しか挙げられなかったんですが、それでも「でっかい背中」と言ってもらえました。
自分の背中は自分で見えないのでわからないですが、デッドリフトをすると背中は大きくなるようです。

デッドリフトをすると背中の厚みが増すような気がします

懸垂をすると、広背筋が発達して、左右に広がると思います。
そのため、懸垂をやると逆三角形の体型になると思います。
これはベントオーバーローをやっても同じだと思います。
鏡を見たときに、前から見ているのに左右に張り出した広背筋が見えるのは、とても気分が良いです。

逆三角形の体を手に入れたかったら、懸垂、ベントオーバーローをするのが良いと思います。
ケーブルマシーンのラットプルダウンも悪くないですが、それよりは懸垂の方が良いと思います。
あくまでも個人の感想ですが。
昔の僕のように懸垂が1回も出来ない人は、例えストロークが浅くても良いですから、とにかく懸垂をすることをお勧めします。
初めは上下に5cm程度しか動かせなくても、続けてやっていけばきっちりアゴがバーの上に出るまで引けるようになります。
一年ぐらいかかるかもしれないですが、続けていけば必ず出来るようになります。

近くの公園の懸垂台です。庭に欲しいです。

懸垂で広背筋が横に張り出すのに対して、デッドリフトをすると、背中が分厚くなるような気がします。
何故そう思うのかと言われると、椅子に座った時の背もたれの感覚からそう感じるんですよ。
デッドリフトをする前だったら、背もたれに肩甲骨が当たる感じがはっきりありましたが、それがだんだん変わってきました。
肩甲骨と背もたれの間に、明らかに筋肉があるのがわかるようになって来るんです。
そしてデッドリフトをすればするほど、筋肉が厚くなっていくのがわかるんです。
これはデッドリフトの効果だと思っています。
でも、デッドリフトで広背筋が大きく成長し、逆三角形の体型になるかと問われたら、僕の経験ではそこまでではないと思います。
デッドリフトで改善できるのは背中全体の筋肉の厚みと僧帽筋だと感じています。
広背筋を大きくしたいと思ったら、やっぱり、懸垂かベントオーバーローをするのが良いと思います。

「デッドリフトは背中全体を鍛えられる種目」という言い方はアンフェアだと思います

デッドリフトはたった1種目で背中全体を鍛えられる良い種目という言い方をたまに耳にしますが、僕はこの言い方はとてもアンフェアだと思います。
それを言うならベンチプレスだって、大胸筋だけでなく、三角筋(肩の筋肉)、上腕三頭筋なども鍛える事ができる良い種目という事になるでしょう。
カールだって、上腕二頭筋だけでなく、大胸筋や三角筋も使います。
でも、一般にベンチプレスは大胸筋を鍛える種目と言われ、カールは上腕二頭筋を鍛える種目と言われます。
なのにデッドリフトだけは、背中全体を鍛えられる良い種目という扱いになります。
背中の筋肉といっても、僧帽筋、広背筋、脊柱起立筋などがあります。
具体的にどこが一番鍛えられるのか、何故明言しないのでしょうか?

それはおそらく、デッドリフトで鍛えられる筋肉が、やり方によって随分変わるからだと思います。
その気になればデッドリフトで広背筋を鍛えることも出来ます。
デッドリフトで僧帽筋を集中的に鍛えることも、脊柱起立筋を集中的に鍛えることも出来ると思います。
どういうフォームでやるかによって、どの筋肉が鍛えられるかが変わってくるので、曖昧な言い方になるんだと思います。

僕のバーベルです。デッドリフトは自宅でやっています。

通常、デッドリフトでバーベルを引く時、肩を落として両腕はぶらりと下げて、ただバーベルを握っているだけです。
でも、セカンドプルで引き上げる時に、腕や肩に力を入れて、腕の力でも引き上げようとすると、広背筋をかなり使います。
そのようにして腕でも引くデッドリフトを心がけると、広背筋も大きくなると思います。
脊柱起立筋を鍛えようと思ったら、最初の前傾が大きい方が良いと思うので、ハーフデッドリフトなどをするのではなく、底引きでやるべきだと思います。
しかもワイドスタンスではなく、ナロースタンスの方が良いと思います。
そうすると脊柱起立筋にダイレクトに刺激が入って、筋肉は強くなると思います。

僧帽筋に効かせるのにどうしたら良いのかはよくわかりません。
デッドリフトを同じようにやっているつもりでも、僧帽筋がキツい筋肉痛になる時もあれば、全くならない時もあります。
これは、今の時点では僕にはよくわからないです。

話をまとめたいんですが、初心者に説明する時に、デッドリフトは背中全体を鍛えられる良い種目ですよというのではなく、

広背筋を狙うときはこうやってやりましょう。
脊柱起立筋を狙うときはこうやってやりましょう。
僧帽筋を狙うときはこうやってやりましょう。
やり方によって鍛えられる場所は違ってくるんですよ。

と説明した方が良いような気がするんですよ。
まあ、説明するのも理解するのも難しいから、きっと、「デッドリフトは背中全体を鍛える事ができる良い種目なんですよ。」という説明になってしまうんですよね。

「背中をでかくするならトップサイドデッドリフトをやるべし!」は本当か?

デッドリフトをするとき、床に置く底引きではなく、膝ぐらいの高さのラックに置いた状態から、上半分だけでやる、トップサイドデッドリフトというものがあります。
一説によると、背中をでかくしたいなら、底引きよりトップサイドの方が良いそうです。
理由は、デッドリフトのファーストプルでは主に足に負担がかかり、背中に負荷がかかるのはセカンドプルなので、セカンドプルだけをやった方が効率が良いということです。
でもこれは本当なんでしょうか?
僕は普段はトップサイドデッドリフトはやらないんですが、底引きでやる場所がなくて、やむなくパワーラックの中でトップサイドデッドリフトをやった事があります。
その時の印象は、ずばり、

鹿野一郎
鹿野一郎

トレーニングをしている気がしない!

でした。
これで本当に背中がでかくなるなら、とても楽だと思いますが、トレーニングをしている気がしないので、背中の筋肉が肥大するとは思えないんです。
底引きでしっかりとやった方が脊柱起立筋にはっきりと効くと思います。

懸垂、ベントオーバーローは広背筋を横に肥大させ、デッドリフトでは広背筋の厚みが増す?

トレーニングの方法論は千差万別で、星の数ほど無限にいろいろな意見やアドバイスがあります。
中には互いに真っ向から矛盾する意見、アドバイスもあります。
どっちを信じれば良いのかわからなくなりますが、やっぱり最後は自分の体に聞くのが一番良いと思います。
つまり、トップサイドデッドリフトと底引きデッドリフトはどっちが有効なのかを確かめたいならば、一定期間継続的に両方をやって比べるのが一番確実だと思います。
僕の場合は、底引きの方が脊柱起立筋をはっきりと使っている感覚がありますが、人によっては正反対の感想になることもあるんだと思います。

僕が通っているジムのバーベルです。

さらに言うと、僕の経験では、足幅はナロースタンスの方が背中に効き、ワイドスタンスだと脚に効きます。
ナローデッドリフトのファーストプルは足に負担がかかると言いますが、ワイドスタンスのデッドリフトはさらに猛烈に脚に負担がかかるので、それと比べたら大したことないと思います。
僕の経験では、ナロースタンスのデッドリフトでは、脚が筋肉痛になる事はなく、背中だけが筋肉痛になります。
でもワイドスタンスでやると、脚の方が背中よりもきつい筋肉痛になります。
そしてたまに広背筋や僧帽筋も筋肉痛になります。
また、トップサイドデッドリフトはトレーニングをしている気がしません。
これが僕が自分の経験で得た結論です。
まとめると以下のような感じです。

(1)ナロースタンスの底引きデッドリフトは背中の厚みを出すのに効果的だと思います
(2)ワイドスタンスの底引きデッドリフトは、パワーリフティングをしない人にはあまり必要な  いと思います。
(3)ラックを使ったトップサイドデッドリフトは、あまり効果がないのではないかと思います。

なので、背中を大きくしたい人には(1)のナロースタンスの底引きデッドリフトをお勧めします。
そして、このデッドリフトについて次の3つの事が言えると思います。

(1)ナロースタンスの底引きデッドリフトは、とにかく脊柱起立筋に効く。
(2)広背筋にも効かせたいならば、セカンドプルで背中、腕も動員して引く。
(3)僧帽筋に効かせる方法は、現時点では僕にはわかりません。

僧帽筋を鍛えるの種目として有名なのはシュラッグですね。
僧帽筋を狙いたいときは、デッドリフトで狙うよりも、シュラッグをやった方が手っ取り早いような気がします。
あくまでも現時点での僕の意見です。(来年になったら違うことを言うようになるかもしれないです)

でっかいと言われるのは嬉しいですね

人から背中や胸、肩がでっかいと言われるのは嬉しいですね。
僕は30代の頃は大胸筋ばかりがでかくて、よく胸がでかいと言われましたが、最近は以前より小さくなってしまって、そう言われる事がなくなりました。
たまに腕が太いと言われることもありますが、背中がでっかいと言われたのはうれしかったです。
もっと鍛えて、肩も胸もでかくして、別次元の肉体を手に入れたいです。

一時期、ほぼ毎日腕のトレーニングをしていたら、腕まわりがノーパンプ(筋トレをしていない普通の状態)で40cmを超えました。
でも、それをやめたらまた元のサイズに戻ってしまいました。
悔しいので、またバリバリにトレーニングして、太い腕を取り戻したいです。
そして、もっと言うなら、昔のような巨大な大胸筋も取り戻したいです。
そして、脂肪をもっと減らして、筋肉の輪郭がもっとはっきりわかるようにしたいです。

さらにはデッドリフトの数値ももっと伸ばしたいです。
まだ200kgを挙げた事はないので、来年は絶対に200kgの壁を突破したいです。
今回はこんなところです。
ありがとうございました。

内部リンク「ジムの思い出 その10(天台スポーツセンター)

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