2021年10月24日パワーリフティング千葉県大会に出場しました。

パワーリフティング

こんにちは、鹿野一郎です。
昨日、2021年10月24日にパワーリフティングジュニア及びマスターズ千葉県大会に出場して来ました。

この試合に向けて、今までに無い努力をしてきたし、自己ベストを大幅に更新したいと思っていましたが、結果は失格でした。
記録なしです。

スクワット、ベンチプレスが終った後、最後のデッドリフトでまさかの三振をしてしまって、失格になりました。

試合会場には1人で行きましたが、夜帰宅すると妻から次のように言われました。

あなたは、いつもそう。試合前は勇ましい事ばかり言っていて、今回は絶対に行ける!と自信満々なのに、試合で何かしらのミスをしてダメになって、でも全然反省しないで、これで良かったと勝手に満足している。見ていて馬鹿馬鹿しいわ。

細かい言葉遣いは多少違うと思いますが、大体こんなような事を言われました。
何も言い返す事が出来ない、核心をついた指摘でした。

今回は、僕のような人間がバーベルブログと名乗るブログを書いていて良いのだろうかと思いました。
それは試合結果を受けての事ではなく、試合会場で周りを見渡してそう思いました。
今回の試合はベンチプレスの試合と同時開催で、ベンチプレスに出場した選手が22人、パワーリフティングに出場した選手が39人でした。
試合会場でその人達を見渡して、僕のような弱い人間が勝手にブログを書いて良いものなのか?と思わざるを得ませんでした。
選手の人々の中にはツイッターをやっている人はたくさんいると思います。
インスタグラムをやっている人もいるかも知れません。
では、ブログをやっている人はどのぐらいいるんでしょうか?

ウォームアップ用のベンチプレス台です。

僕は自己ベストがスクワット165kg、ベンチプレス107.5kg、デッドリフト185kgの弱小マスターズリフターです。
今回の試合には国体選手も何人か来ていましたが、ああいう人達こそ、ブログやYouTubeなどをやるべきなのではないかと思いました。
ただ一つ救いなのは、このブログはバーベルブログであって、パワーリフティングブログではない事です。
僕のような人間がパワーリフティングを語るのはおこがましいにも程があります。

このブログはバーベルブログなので、今後もバーベルについて書きたい事を書いて行きたいです。
妻からは猛烈に反省を促されましたし、もしこのバーベルブログを読んでくれている人がいるならば、その方達にも申し訳なく思います。
偉そうな事を言って、結果が失格じゃ、口先だけのダメ男です。
それは事実であって、謙虚に受け止めたいと思います。

でも、僕は決して暗い気持ちで試合会場から帰ってきた訳ではありません。
結果は残念でしたが、一定の成果をあげたと思っているし、学びもあったので、良かったと思っています。
そう、失格だったのに、ちっとも悔しそうにせず、むしろ明るい態度で帰ってきたから、妻もカチンと来て、ああいうセリフを言ったのかも知れないです。

僕は今回完全に失敗しました。
でも全く落ち込んでいません。
それは次の試合があるからであり、次はうまくやれると思うからです。
もし昨日の試合が人生最後の試合だったならば、もっと暗い気持ちになっていたと思います。
でも、違います。
次があるので、今回学んだ事を次に活かしたいと思っています。

今回の悪かった点

今回の試合で悪かった点は、前日の睡眠が十分で無かった事と、検量後に大量に食事を取った事でした。
特に大食いが良くなかったです。
今回は3ヶ月半で6.2kgというゆっくりな減量だったため、検量直後もそんなにおなかが空いていませんでした。
なのにいつもと同じつもりでバクバク食べて、夕方には眠くなってきてしまいました。
眠くて力が入らない感じでした。
おそらく僕の体は胃腸の中の食べ物を消化、吸収するのに忙しく、筋肉に100%の力を出すように指令出来なくなっていたんだと思います。
これが敗因だったと思います。

UESAKAの競技用プレートです。穴がなくて薄いです。

それともう一つあげるならば、試合前日はもっとたくさん食べても良かったと思います。
試合前日は、夕食後に体重が74kg調度になるように、体重と夕飯の重さを測って食べました。
結果として寝る前の体重は73.9kgでしたが、もっと食べても良かったと後になってわかりました。
試合当日の朝の体重は自宅の体重計で73.1kgでした。
それを見てびっくりしました。
何でこんなに減っているんだ?という驚きがありました。
なので朝ご飯は多めに食べました。
白米350g、生卵1個(50g)、コーヒー200gを食べて、犬の散歩に行きました。
散歩の後、洗濯物を干してから、また体重を測ってみると、73.5kgでした。
まだ食べても大丈夫だなと思ったので、バナナ2本を食べて、水を100g飲みました。
これで体重は73.7kgになりました。

これでよしと思って、家を出ました。
検量は午前10時から始まりましたが、僕の番が回ってきたのは10時半ぐらいでした。
審判の前で副を脱ぎ、パンツ一丁になって体重計に乗ると、表示されたのは73.15kgでした!
これには驚きました。
やっぱり自宅の体重計は試合会場の体重計より500g重く出るようです。
こんなことなら、昨夜の晩ご飯をもう少し多めに食べておけば良かったと思いました。

昨夜の晩ご飯で食べた白米は170gでした。
あと200gぐらい食べても全く問題なかったようです。

これは次への反省として活かしたいと思いますが、その反面、もうこういう心配は必要ないだろうと思ってもいます。
また大口を叩いてしまいますが、今後は体重を70kg程度まで落として、そこで安定させたいと思っているので、試合前に減量をするのは今回が最後だと思っています。
言ってしまいました。果たして実現できるんでしょうか?
それともまたしても口先だけですぐにリバウンドするんでしょうか。
僕としては、脱口先男のためにも頑張りたいと思います。

今回の良かった点

今回良かった点もあります。
それは気持ちの問題です。
僕は今回の試合に向けて、今までに無いボリュームのトレーニングをして来ました。
それに耐えられたのは一重に、ユーチューバーのサイヤマングレートさんのお陰です。
彼は今年、6月の横浜オープンから始まって、東日本ディービル選手権、日本クラス別選手権、日本選手権と4つの試合に出場しましたが、今シーズンの彼のトレーニングは鬼気迫るすさまじいもので、これぞトレーニングという感じでした。あれを見て僕は、自分がやっているのはバーベルごっこだったんだと自覚し、ハイボリュームのトレーニングをするようになりました。
そのトレーニングをやった上での会場入りだったので、いつもに比べて自信がありました。

試合会場は市原市の辰巳第中学校の体育館でした。

普段は試合会場に入ると臆病風に吹かれて、第1試技の重さを、予定より軽い重さで申請したりしていましたが、今回はそんなことはありませんでした。
検量の時に重量申請をするんですが、全く迷いもなく予定通り、スクワット160kg、ベンチプレス105kg、デッドリフト190kgと言い切りました。
これは、あれだけのトレーニングをやったからこそ得られた精神的安定だったと思います。

試合結果

今回の試合で、僕はスクワットは160kg、170kg、175kg、ベンチプレスは105kg、110kg、115kg、デッドリフトは190kg、200kg、210kgに挑戦するつもりでした。 そして結果は以下の通りでした。

スクワット  160kg成功
       170kg失敗(しゃがみが浅い)
       170kg成功(自己ベスト更新)
ベンチプレス 105kg成功
       110kg失敗(バーベルが傾いた?)
       110kg失敗(バーベルが途中で下った?)
デッドリフト 190kg失敗(びくともせず)
       190kg失敗(びくともせず)
       第3試技棄権

デッドリフトの試技が始まるまでは、僕はとても明るい気分でいました。
結果はスクワット170kg、ベンチプレス105kgで、スクワットは目標を5kg下回り、ベンチプレスは目標を10kg下回っていましたが、それでも明るい気分でいました。
まず、スクワットは175kgに挑戦出来なかったんですが、それでも170kgが挙がったのが嬉しかったです。
周りの人が助けてくれたのも嬉しかったです。

第1種目スクワット

スクワットの1本目の160kgは必ず挙がるという確信をもって臨む事が出来ました。
去年の9月の試合でもスクワットは160kgから始めましたが、あの時は、もし160kgが挙がらなかったらどうしよう?という不安な気持ちで一杯でした。
でも今回はそんなことはありませんでした。

スクワットの試技台です。これはスクワットでもベンチプレスでも使える優れものです。

バーベルを担いでみて、普段ジムで担いでいるバーベルより担ぎやすいと思いました。
普段ジムで使っているのはBULLのバーベルです。
試合で使っていたプレートはROGUEの物でしたが、シャフトがどこのものかはわからないです。
でもとても担ぎやすかったです。

160kgを担いでしゃがんで立つと、白2本、赤1本の旗が挙がりました。
成功ですが、何故赤が挙がったのか分かりませんでした。

次は170kgです。
170kgのバーベルを担ぐときも、絶対に挙がると強く信じて臨みました。
13日前の10月11日にはジムでこの170kgであっけなく潰れてしまいましたが、あれは絶対に怪我が原因だったのであって、実力ではないと何度も自分に言い聞かせて170kgに臨みました。
そしてしゃがんで立ち上がると、あまりにもバーベルが軽かったので驚きました。

鹿野一郎
鹿野一郎

こりゃあ、次の175kgも楽勝だな。180kgに変更してもいいな。

と思いましたが、見ると赤旗3本で失敗でした。
一瞬混乱してしまいましたが、控えの席に戻ると同じ階級の静岡さんが、「1番の札が出ていましたよ。」と教えてくれました。
審判は、その試技が失敗と見なすと赤旗をあげるだけでなく、その理由も公表します。
1番の札(赤い札)があがったという事は、しゃがみが浅いという事です。

怪我をしている左内股をかばってスクワットをしていたので、動作がゆっくりだったし、しゃがみが浅かったのでしょう。
おそらく160kgで赤旗があがったのもそれが原因だったんでしょう。

ROGUEの競技用プレートです。穴がなくて薄いです。しかも奇麗です。

僕はどうしても次は取りたいと思ったので、怪我の事は考えず、思いきりしゃがむ事にしました。
いつものようにストンと重力に任せてしゃがむことにしました。
第3試技の重量を170kgにするか、それとも175kgに挑戦するかはかなり迷いましたが、確実に記録を更新する方を選び、次も170kgに挑戦する事にしました。

名前を呼ばれて試技場にあがり、審判に挨拶をしてからバーベルを握ります。
このときは、何が何でも挙げるという強い意欲がありました。
そしてバーベルを担いで、後に3歩下がり、呼吸を整えてから顔を挙げて審判を直視します。
それが準備が整ったという合図です。
「スクワット!」の合図で、すとんとしゃがみました。
しゃがんだ瞬間に、もらった!と思いました。
100人の審判が見ていても全員が白旗を挙げるぐらい完璧にしゃがんだと思います。
あとは立つだけだと思いました。
切り返して立ち上がろうとすると、さっきとは同じバーベルとは思えないほど重かったです。
重かったですが、これまでの経験で、これは立てると確信しました。
ゆっくりと、ゆっくりと体が立ち上がって行くとき、真後ろからささやき声が聞こえました。

立てる、立てる。行ける、行ける。

という、声を殺したささやき声が聞こえました。
何かと思いましたが、補助員がそうささやいてくれていたんです。
スクワットの時は補助員が後の1人、左右に2人ずつつきます。
真後ろの補助員の方がそうやって励ましてくれていたんです。
まったくの見ず知らずなのに、とてもありがたい励ましでした。
やがて完全に立ち上がり、フィニッシュを決めてから、「ラック!」の合図を待ちます。
合図のあとバーベルをラックに戻すと、白旗が3本あがりました。
スクワットの自己ベストを5kg更新して、170kgにしました。
このときは嬉しかったです。
ですが、その後、デッドリフトで失格になったため、この170kgの記録も無効になり、僕の公式記録は165kgのままなんですが。

もし、静岡さんがしゃがみが浅かったと教えてくれなかったら、もしかしたら動揺してしまって何をすれば良いのかわからなくなり、3本目も外していたかも知れないです。
静岡さんのお陰で3本目が取れたと思います。
もしあそこで175kgに挑戦していたらどうだったでしょうか?
挙がったかも知れないですが、170kgを確実に取りに行った判断は間違っていないと思います。

第2種目ベンチプレス

競技の開始は12時でしたが、僕の番が回ってくるまでにはかなり時間がかかりました。
パワーリフティングに出場した選手は39人でしたが、それを3つのグループに分けていました。
Cグループ、Dグループ、Eグループです。
まずはCグループのスクワットを3本すべてやってしまい、それがすべて済んだらDグループのスクワットに移ります。Dグループも全員3本やってから、Eグループへと進みます。
僕はEグループだったので、かなり長く待つ事を予想していました。
13人がスクワットを3本ずつやるとなると、全部で39本です。平均2分として78分かかります。
Cグループで78分、Dグループで78分かかったら、2時間半を超えます。
出番は2時過ぎだと思っていました。

でも試合は僕の予想より早く進み、僕がスクワットの1本目をやったのは1時50分、2本目が2時2分、3本目が2時15分でした。
そしてベンチプレスの第1試技は4時5分でした。
スクワットが終ってからベンチプレスが始まるまで、およそ2時間の空き時間がありましたが、とても暇でした。
車に戻って昼ご飯を食べたのは良いですが、ずっと車の中にいるのも暇なので、やっぱり会場に戻りました。
今回は会場が中学校で、これまでのような広い会場ではありませんでした。
会場が狭くて観客席もないので、会場に戻ってもパイプ椅子に座っているだけです。
これは本当に暇でした。
普段は市原のゼットエー武道場や袖ケ浦の臨海スポーツセンターでやっていますが、これらの会場は広いし、観客席もあるので、中学校の体育館に比べると遥かに快適です。
パワーリフティング協会も財政難だと聞きますので、今後もずっと会場は中学校の体育館の可能性はあります。
上位3人に入ってもメダルを貰う事が出来ず、賞状だけになったのも、財政難が理由ではないかと想像しています。

ベンチプレスは105kgから始めました。
今回は確実に記録を狙って行くために、センター補助をつけてもらいました。
センター補助というのは、試技の前にラックからバーベルを外す動作の補助してもらうことを言います。
僕は初めてこれを見たときは、インチキじゃないかと思いました。
自力でラックから外して試技をして、ラックに戻さないと自分でやったことにならないと思いました。
でも、スクワットでもベンチプレスでも、審判が「ラック!」の合図をしたら、選手がバーベルをラックに戻すときに補助員が手伝ってくれます。
戻す作業は選手の単独作業ではなく、補助員との共同作業なんです。
そしてベンチプレスの場合は、ラックから外すときにも補助をしてもらう事が可能なんです。

何故かセーフティーに段差があります。

新型コロナウィルスの感染症対策として、選手がセンター補助を希望する場合は、試技の時もマスクをしていなければならないルールになっています。
でもマスクをつけてベンチプレスをするのはいつもの事なので、全く気になりませんでした。
そう言えば、スクワットの時も僕は3本ともマスクをしたまま試技をしました。
スクワットの時は選手と主審の間にビニールシートが貼られるので、選手はマスクを取って試技が出来るんですが、そんなことすら忘れていました。

さて、105kgです。
105kgは軽く挙がる確信がありましたが、やってみると少し重かったです。
重かったですが、余裕はありました。
次は迷わず110kgにしました。
これまで110kgのベンチプレスは全て潰れていて、一度も押し返す事が出来ませんでしたが、今日は挙げる自信がありました。

そして2本目。
バーベルは110kgです。
補助員はベンチプレスでも5人いますが、そのうちの1人は以前同じチームにいた八幡さんでした。
彼は今回は選手としてではなく、補助員として参加しています。
彼は40代でマスターズ1なので、僕とはクラスが違いますが、記録は似たようなもので、毎回勝ったり負けたリを繰り返しています。
今後もお互いに競い合いながら、強くなって行きたいと思っています。

110kgのバーベルをラックから外し、「スタート!」の合図で胸まで下ろします。
そしてそこで静止させ、「プレス!」の合図で押し上げます。
今までは毎回そこで押す事が出来ず、そのまま潰れていましたが、今日はバーベルがちゃんと挙がって行きました。
バーベルが少しずつ挙がって行くときに、やった!挙がった!と思いました。
そして挙げ切ったところで、しっかりと両肘を伸ばして審判にアピールしました。
「ラック!」の合図でバーベルをラックに戻して起き上がると、まさかの失敗でした。
そんな馬鹿な!という思いがありましたが、試合では良くある事です。
特に県記録がかかった試技で多く見られるような気がしますが、成功にしか見えない試技でも赤旗が3本挙がる事が、ベンチプレスではあります。
自分なりに考えて、おそらくバーベルが傾いたからだろうと思いました。
右が先に挙がり、左が遅れて挙がったからダメだったんだろうと思う事にしました。
かつて107.5kgを成功させたときは、今日よりも右が先行して、左が遅れていました。
しかもバーベルが重くて押し上げるのにとても苦労しました。
挙げ切った後、どうせ失敗だなと思ったら、まさかの白旗判定でした。
あれを思えば、どうして今の110kgがダメなのか全く分かりませんでしたが、右がわずかに先行したんでしょう。
今日の審判はあの時よりも厳しいようです。

3本目は115kgの千葉県記録に挑戦するか、それとも110kgにもう一度挑戦するか迷いましたが、もう一度110kgに挑む事にしました。
ちなみに74kg級マスターズ2の千葉県記録は112.5kgです。
なので今回はそれを上回る115kgを挙げる事が目標でした。
でも、やっぱり確実に自己ベストを更新したいと思ったので、今回は記録への挑戦は諦めました。
3本目も110kgで申請しました。

さて、3本目です。
僕はここで禁断の秘策を使う事にしました。
左が弱い事を補助するための応急措置ですが、右と左で握り手の位置を変えて、左が軽く、右が重くなるようにするんです。
バーベルには81cmラインというのが引いてあって、ベンチプレスの試合では、この81cmラインが完全に見えなくなるように握らないと失敗になります。
僕はいつも手幅を目一杯広くするために、人さし指で81cmラインを握っていますが、右を2cm程内側にずらして握りました。
そうするとバーベルの重心から握り手までの距離は左が40.5cm、右が38.5cmになります。
こうなると110kgのバーベルを持ち上げるとき、左右に55kgずつ重さがかからなくなり、左におよそ52.3kg、右におよそ57.7kgの重さがかかるようになります。
これで左が遅れる事を解消しようと思いました。

食事エリアです。前回の試合では、ありませんでした。会場は完全に食事禁止でした。

試技場にあがり、主審、副審に挨拶をして、ベンチに寝ころびます。
そしてブリッジを組んで、バーベルを握ります。
するとセンター補助の人がすぐについてくれて、一緒にバーベルをラックから外してくれます。
「スタート!」の合図でバーベルを胸まで下ろし、「プレス!」の合図でバーベルを押し上げます。
左が遅れないように、強く左を意識して、左から挙げるつもりで挑みました。
すると、バーベルがさっきよりも格段に重いです。
でも右は我慢してとにかく左から、左から押し上げました。
ダメかと思いましたが、バーベルは物凄くゆっくり挙がりました。
本当にゆっくりです。
挙げるときにシャフトがラックにこすらないように気をつけながら、最後まで押し切りました。
これで成功だ!とうとう110kgをクリアしたぞ。と思ったんですが、判定は赤旗3本でした。
理由が分かりませんでしたが、もしかしたらバーベルが途中で一度下ったと判定されたのかも知れません。
これは今後、ビデオで審判が挙げたカードを見て確認したいと思います。

結局ベンチプレスの結果は105kgで、107.5kgの自己ベストを更新する事は出来ませんでした。
でも、今まで潰れ続けてきた110kgを2本連続で押し上げたので、一定の成果はあったと思いました。

「あれだけやったのに」、から変化しました。

ベンチプレスが終って、また車に戻りました。
これまでの結果はスクワット170kg、ベンチプレス105kgです。
でもベンチプレスは失敗になりながらも110kgを2本とも押し切る事が出来ました。
目指していたのはスクワット175kg、ベンチプレス115kgでした。
あれだけ努力したのに目標に届いていません。
あれだけやったのに。
そういう思いがありましたが、会場で他の選手達が競技をする姿や、記録を塗り替えて大きくガッツポーズをして喜ぶ選手達を見て考えが変わって来ました。
僕は自分なりの最大限の努力をしたつもりでしたが、彼らのあの喜びようを見ていると、僕なんかとはケタ違いの努力をしてこの会場に来ているのがわかります。
「あれだけやったのに、これだけの成果」と思っていましたが、違いました。
「あのぐらいの努力だと、このぐらいの成果が得られる。」という事なんだと思います。
僕が望む結果を手に入れたいなら、まだまだ努力が足りなかったという事です。
これまでは試合会場に行くと臆病風に吹かれて弱気になり、そして試合結果も予想外に悪い事の連続でした。


でも今回はそんな事にはなりませんでした。
最後まで強気で攻める事が出来たし、スクワットは、幻に終りましたが170kgを成功させました。
そして、失敗になりましたが、ベンチプレスでは110kgを押し切りました。
次の試合でスクワットで175kgとか185kgを成功させようと思ったら、どれだけの事をすれば良いのか?
次に試合でベンチプレスで115kgを成功させようと思ったら、どれだけの事をすれば良いのか?
それがはっきりとわかったような気がしました。
原因があるから結果がある。
まさにその通りです。
望む結果を手に入れたいなら、もっと努力をすれば良いんです。
今までは本当に努力不足でした。

第3種目デッドリフト

デッドリフトで僕の番が回ってきたのは6時10分でした。
もう外は暗くなっていました。
第1試技は190kgです。
一昨日ジムで挙げている重さです。
あの時は手が滑ってしまってバーベルを落としそうになりましたが、試合会場ではチョークを使えるので、その心配はありませんでした。
でも190kgが挙がらないかも知れないという不安がありました。

会場の中学校です。

それはウォームアップのバーベルが重かったからです。
デッドリフトのウォームアップをする時は、周りに誰もいなくて、僕は1人で1つのバーベルを使っていました。
普段だったらあり得ない事です。
ウォームアップの時は長い行列が出来て、なかなか自分の番が回ってこないもんなんですが、今日は違いました。
まずは60kgを5回挙げました。
続いて100kgを3回。そして140kgを挙げた時に、妙に重かったのでおかしいと思いました。
140kgがこんなに重いはずはないんです。
次は160kgにしてみましたが、やっぱり重いです。
その次は175kgでやってみましたが、本当に重くて、ぎりぎり持ち上げたような感じでした。
これじゃあ、190kgは挙がらないかも知れないと不安になりました。
一昨日挙げている重さなんですが、挙がらないかも知れないと思いました。

ウォームアップで使っていたバーベルのプレートはUESAKAのプレートでした。
シャフトがどこのものかは確認しませんでした。
僕が一昨日ジムで挙げたのはシャフトもプレートもBULLの物で、公式のものと変わりません。

ウォームアップ用のデッドリフトのプラットホームです。

そして試技で扱うバーベルのプレートはROGUEでした。
今回の試合では、機材はBULLを使うと発表されていましたが、それはラックの事だったようです。
ラックはすべてBULLでしたが、プレートはROGUEでした。

第1試技です。
僕のそれまでの結果はスクワット170kg、ベンチプレス105kgだったので、その190kgが挙がればトータル465kgで自己ベスト更新です。
主審に挨拶をして、足幅をおよそ130cmぐらいに構えて、バーベルを握ります。
手が滑らないように、ローレットのある部分を握ります。
十分に腰を落として、背中を反って、思いきり息を吸ってから始めます。
体を後に倒すように思い切り引き上げます。
普段ならそれでバーベルが床から挙がり、挙がればあとは膝のクッションでさらに挙げる事が出来ます。
そして最後は背中で引き切ります。
でも今日は違いました。
渾身の力を込めて思いきり引いたはずなのに、バーベルがびくともしませんでした。
まったく動きませんでした。
まるで床に接着してあるみたいです。

まさかとは思いましたが、不安が的中してしまいました。
一昨日挙がった重さが何故挙がらないのか?
デッドリフトではこういう事はよくあります。
デッドリフトは他の種目に比べて好不調の波が大きいと思います。
その波が悪い方に出てしまいました。

ピーキングの理論によれば、一昨日の190kgが実は僕にとって精一杯の力で、あれが原因でピークアウトしたと解説する事は出来ると思いますが、僕のレベルでそんな細かい理論はどうでも良いので、要するに実力が無かったんだと思います。
大量に食事を取って、すっかり眠くなってしまっていたので、全く力が出なくなっていたのかも知れないです。
それはすべて自分の責任です。

第2試技は同じ190kgに挑戦する事にしました。
一応、策はありました。
足幅を変える事です。
普段より広めに足幅を取ってダメだったので、普段通りに110cmの足幅で行こうと思いました。
そうすれば必ず挙がると自分に言い聞かせて、2本目に臨みました。

そして2本目。
必ず挙がると思っていましたが、2本目もびくともしませんでした。
これで策は尽きました。
根性だけで3本目が挙がるならば良いんですが、まったくびくともしなかったので、気持ちだけで挙げるのは無理だと思いました。
やむなく係員に3本目の重量を申請する代わりに、3本目は棄権すると伝えました。
これで僕の失格が決まりました。

果たして重量選択は間違っていたのでしょうか?
デッドリフトを190kgから始めるのは無謀だったのでしょうか?
色々考えてみましたが、どうしても無謀だったとは思えません。

おそらく食べ過ぎで眠くなった事によって、力が出なかったんだと思います。

いつもと違って、飲み食いは出来ませんでした。

試技の合間に車に戻って食事をしましたが、今回はいつものようには胃袋に入って行きませんでした。

350gの白米です。


それは、厳しい減量をした訳ではなかったからだと思います。
前回や前々回は、お茶を4L持って行ってもすぐに全部飲んでしまいましたが、今回は違いました。
アクエリアスを2L持って行きましたが、それを半分と少し飲んだだけでした。
2Lのお茶と900mLのコーヒーも持って行ったんですが、全く手もつけませんでした。
バナナを6本持って行き、検量が終ったら全部食べるつもりでしたが、4本食べたところで限界を感じてやめました。
普段だったらスポンジに水を吸い込ませるように、食事や水分が胃袋の流れ込んで行きましたが、今回は違いました。

300gの白米と、コロッケ、つくねです。

こんなことならば、弁当はもっと少なくすれば良かったです。
普段通りの量にすれば良かったです。
つまり白米150g、鶏肉、梅干し程度の弁当で十分だったと思います。
普段よりたくさん食べれば普段以上の力が出ると思っていましたが、食べ過ぎで眠くなってしまい、普段の力すら出ないようにしてしまいました。
今回は、今までに比べて減量はとてもうまく行ったと思っています。
試合当日にエネルギー不足を実感する事はなかったし、試合間際に急激に体重を落とす事も無かったからです。
それは良かったんですが、試合当日にへまをしました。

バナナです。

強烈な減量で飢え、乾いているときならいざ知らず、そうでないならば当日のどか食いはマイナスの影響しかない事を、今夏の失敗で学びました。

失敗は成功の元

パワーリフティングを始めて8回目の試合でしたが、結果は失格、記録なしでした。
この試合を通して学んだ事は、以下の3点でした。

(1)努力をすれば成果はついてくるが、臨む結果を手に入れるためには努力が足りな過ぎる。
(2)試合当日のどか食いは、普段通りの力を出せないマイナス要因になる
(3)デッドリフトの好不調の波は大きいので、第1試技はマイナス10kgぐらいが適当。

自己ベストを更新できなかった事は悔しいと思いますが、自分の課題がはっきりと見えて、プラスだったと思っています。
また、スクワットやベンチプレスはやっていて楽しかったです。
次こそは自己ベストを更新したいです。
もう大きい事は言わないです。
ただ、自己ベストを更新したいです。

ありがとうございました。

内部リンク「2018年12月パワーリフティング千葉県大会に出場

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