こんにちは、鹿野一郎です。
今日は2022年3月22日の火曜日です。
僕は子供の頃、テレビで「ど根性ガエル」というアニメを見ていました。
同じ世代の人なら絶対に分かってくれると思います。
主人公は中学生のひろしで、ゴリライモとの喧嘩で、カエルの上にうつ伏せに倒れて、カエルをトレーナーにプレスしてしまいます。
しかし、そのカエルはぺっちゃんこにつぶれても生きていて、トレーナーと一体化した平面ガエルになりました。
なんでこんな話をするのかというと、そのひろしが通っている学校の先生に、町田先生という初老の先生がいたからです。
町田先生は、アニメを見る限り、50代半ばぐらいの男性に見えますが、何か事が起こるとすぐに感動して涙を流し、
「教師生活25年、こんなに感動したことはない。」というセリフを言います。
子供の頃は、町田先生のことをおじいさんのように思っていましたが、その僕が気づけば、予備校講師生活30年目を迎えました。
54歳になりましたが、白髪は一本もないです。
髪の量もとても多く、床屋さんからは稀に見る剛毛と言われています。
鏡を見ても、あまり老けたとは感じませんが、もう30年目です。
長い時間があっという間に過ぎました。
今日は昼間、何もする気が起こりませんでした。
今日から予備校の春期講習が始まりました。
昨今の少子化で、昔ほど授業は多くありません。
今日からのタームは、僕は夜に90分1コマの授業をするだけです。
でも朝は8時に目覚ましをセットして起きました。
仕事が夜だけとは言っても、新年度の開講には違いないので、だらだらと寝ないで、同じ時間に起きるようにしました。
8時に起きても娘と妻はまだ寝ているので、朝食を作って、1人で食べました。
そして洗濯物を風呂場に干して、浴室乾燥機を稼働させます。
外はみぞれだったので、そうなりました。
その後、愛犬にレインコートを着せて、僕も厚手のダウンジャケットを着込んで散歩に出かけました。
今日は真冬の寒さでしたね。
家に戻ったのは10時半でした。
妻は起きていましたが、娘はまだ寝ていました。
僕はそれから自分の書斎にこもりました。
一応、今日の授業の予習をしようと思いましたが、テキストの問題は見ればその場で解ける問題ばかりなので、すぐに終わりました。
そして、去年の今頃、一昨年の今頃の日記を読み返して、今日の授業の参考にしようと思いました。
日記を読み返してみると、確かに参考になるものがありました。
なるべく一方通行にならないように、双方向の授業を心掛けているんですが、その具体的な内容が書いてあって、ためになりました。
自分で書いた文章なんですが、もう忘れていました。
ふと時計を見ると12時になっていました。
特に何もしていないのに時間はしっかり過ぎていると思いました。
家を出るまであと3時間、その3時間で何をするか?
ずばり、何もする気が起こりませんでした。
昨日、ジムで筋トレをしましたが、時間の都合で予定の半分しかこなせなかったので、出来なかった分は今日やるつもりでした。
3時間あれば十分にこなせる内容です。
でも、まったくやる気が起こりませんでした。
本当に何もする気が起こりませんでした。
ただ、ぼーっとしていたかったんです。
これはきっと、長かった休暇モードから、仕事モードに気持ちを切り替えるために必要な空白なんだと思います。
今日から仕事が始まります。
今まではずっと休みでしたが、これからは仕事です。
念のために書いておくと、これまでの長い休暇モードというのは、具体的には4週間の週休5日と3週間の週休7日のことを言います。
週休5日だった時の授業時間は、1週間でたったの210分でした。
なので、この7週間はずっと休みだったようなものです。
長い休暇でした。
でも、今日から仕事です。
気持ちを切り替えるのに、何もしないでぼけーっとしている事が必要だったみたいです。
29年前、初めて予備校の教壇に立った日
僕は25歳で大学を卒業して、そのまま予備校講師になりました。
大学受験で1年浪人し、大学で2年留年したので、25歳で社会人になりました。
予備校講師になるまでに、小中学生の学習塾にアルバイトで算数、数学を5年間教えていたので、授業には自信がありました。
初めての授業の日、授業は5時半から始まるのに、僕は1時に出勤しました。
校舎の職員の方々は驚いていました。
でも、あの時の僕にはまるっきり余裕がなくて、一刻も早く職場に入りたかったんです。
授業の準備は自宅でおよそ10時間かけてやりました。
万全のつもりでしたが、気持ちの方がちっとも万全ではありませんでした。
初めての予備校の授業というのは、正直こわかったです。
自分の不安な気持ちを少しでも抑えるために、早めに校舎に入り、授業をする気持ちを作って行きました。
不安な気持ちを抑え、自分で自分を励まして、何度も授業の段取りを確認しました。
そうしていると4時間半というのはあっという間に過ぎました。
授業が始まる30分ほど前になると、次々に先生方が出勤して来ます。
一応全員に挨拶と自己紹介をしましたが、ベテランの先生方を前にすると、余計に精神的なプレッシャーを感じて、恐怖心が増して来ました。
何度も自分は大丈夫だと励まして、教室に行ったものでした。
教壇に立って自己紹介をすると、頭の中が真っ白になってしまいました。
中学3年生を相手に授業をするのは日常茶飯事でしたが、高校3年生は全然存在感が違いました。
生徒の圧力に圧倒されてしまいました。
授業の流れは頭の中で何十回もシミュレーションしたはずなのに、緊張で舞い上がり、全く違う展開になってしまいました。
緊張に緊張を重ねながらもなんとか初回の授業を終えた時、僕は完全に打ちのめされていました。
階段を降りて講師室に戻る足取りも、完全に敗北者でした。
講師室に戻ると、どさっと椅子に座り、思わず机につっぷしました。
そして心の中で誓いました。
くそう!負けるもんか!
僕は絶対にこの世界で生きていくんだ!
絶対に一人前になってやる!
どんなに少子化が進んでも、最後まで生き残るんだ!!
なんか、こうやって思い出すと、とても懐かしいです。
もし、タイムマシーンがあって、当時の自分に会いにいく事ができたとしても、僕は絶対に過去の自分に対して、絶対に
大丈夫だよ。
お前は29年後もちゃんと予備校講師をやっているよ。
とは言わないです。
僕は、性格的にそんなことを言われてしまったら、すぐに天狗になって努力を怠ります。
そして、自滅します。
僕は褒められるとダメになり、けなされると頑張るタイプなので、当時の自分に声をかけるなら、
おい、あれだけ準備して、そのザマかよ。
情けない。
お前、この業界をなめているんじゃないのか?
本当にやる気があるのかよ?
というところですね。
おそらくこう言われたら、僕は逆上して物凄いエネルギーで仕事に邁進すると思います。
今、授業を終えて帰宅しました。
今、授業を終えて帰宅しました。
今日の校舎に行くのは1月19日以来2ヶ月振りでしたが、講師室がリフォームされていて、広くなり、綺麗になっていました。
喫煙室が潰されて、壁がぶち抜かれたため、随分と広くなりました。
これまでは講師用の机がとても小さくて、4人掛けのテーブルは事実上2人掛けでしたが、テーブルも2まわり程大きくなって、快適になりました。
椅子も新しくなっていたし、エレベーターホールのLEDも追加されて明るくなっていました。
久し振りに授業はやっぱり楽しかったです。
去年の生徒たちの進学先もわかりました。
例年に比べると若干良かったと思います。
久し振りの授業だったので、わずか90分でも声が枯れてしまいました。
授業に先立ち、生徒たちの予習のノートを見せてもらいましたが、予習をしていない生徒が2割ほどいて、予習をしても半分も解けない生徒が大半でした。
まあ、新年度の一発目ですからね。
そんなもんなんでしょう。
授業の中で生徒に質問をしてみました。
僕が今、地面に立っていて、目の前に地平線が見えるほど広いところにいるとします。
気づくとライフル銃を持っていました。
僕はライフル銃を水平に構えて、撃ちます。
撃たれた弾丸は、やがて地面に落っこちます。
では、弾を撃ってから、地面に落ちるまでに、どのくらいの時間がかかるでしょうか?
ライフル銃の弾丸の初速度は800m/sとします。
1 0秒から10秒 2 10秒から100秒 3 100秒から1000秒 4 1000秒以上
これは2年生の授業では毎年尋ねる質問ですが、新3年生に尋ねたのは初めての事でした。
1と答えた生徒と4と答えたが1人ずつでした。
2という答が10人程、3という答が20人程でした。
新高3でも、これほど正答率が低いとは思っていませんでした。
正解は1です。
弾丸が水平に800m/sの初速度で発射されたなら、鉛直方向(上下方向)の速度成分はゼロなので、肩の高さから弾丸を初速度ゼロで落っことして地面に落ちるまでの時間と同じ時間で落下します。
なので、発射されてから地面に落下するまでの時間は、わずか1秒足らずという事になります。
放物運動では、水平方向の運動は、鉛直方向の運動に全く影響しないんですが、慣れるまではどうしてもそれがわからずに間違えてしまいます。
つい2ヶ月前まで受験生を教えていたので、新高3の授業をすると、学力の落差に驚くのは毎年の事です。
彼らも一年後には十分な力をつけて、志望校に合格してくれるでしょう。
講師室では、馴染みの先生達に会い、楽しく談笑しました。
予備校講師というのは話の面白い人が多いので、講師室での談笑はとても楽しいです。
それがストレスの解消に大いに役立っていると思います。
腰痛とパワーベルト
ある先生から次のように聞かれました。
鹿野さん、ウエイトリフティングやってるでしょ?
ウエイトリフティングをやる人が腰に巻くベルトって、腰痛の時に巻くと痛みが軽減するの?
僕はまず、ウエイトリフティングじゃなくて、パワーリフティングをやっていると説明し、ベンチプレス、スクワット、デッドリフトの説明と、スナッチ、クリーン¥&ジャークの説明をしました。
それから、僕は腰痛になった事がないから、パワーベルトが腰痛に効くかどうかはわからないと答えました。
さらに、ウエイトリフティングの人が絞めるベルトと、パワーリフティングの人が締めるベルトは違うと説明しました。
その先生は、今まさに腰痛で苦しんでいて、少しでも痛みを軽減したいから、効果があるなら買いたいと言っていました。
そういうことなら実際に巻いて試すのが一番いいです。
明日、僕はゴールドジムのトレーニングベルトと、apt’のパワーベルトを校舎に持っていきます。
そしてその先生に締めてもらって、確かめようと思います。
一つだけ心配があるんですが、もしかしたらその先生のウエストが太くてベルトが締まらないかも知れないです。
コロナが起こる前に、別の先生と上野のジムで合同トレーニングをしたんですが、その時に僕のパワーベルトを貸してあげたら、ベルトが届かなくて締められないという驚きのハプニングがありました。
明日、そうならなければ良いんですが。
今日、昼間は何もする気が起こらない無気力人間でしたが、実際に授業をしてみると、生き返ったように元気になりました。
明日は、バッチリトレーニングをしたいと思います。
今日はトレーニングをする気になれませんでしたが、もう大丈夫です。
2022年度の初日は、無事に終わりました。
ありがとうございました。