こんにちは、鹿野一郎です。
バーベルを背中に担いだスクワットと、マシーンを使ったレッグエクステンションは、どちらも大腿四頭筋を鍛える種目ですが、効果は全く違うと思います。
今回も、個人の経験に基づいた、個人的な意見として述べさせて頂きたいと思います。
バーベルを背中に担いだスクワット(以下、単にスクワットとします)とレッグエクステンションの違いは主に以下の点だと思います。
(1)スクワットの方がレッグエクステンションよりも疲れが大きく、やる前に気持ちの準備 が必要。 (2)スクワットは全身が疲れるけれど、レッグエクステンションは大腿四頭筋だけが圧倒的 に疲れる。 (3)スクワットの筋肉痛はなかなか抜けないけれど、レッグエクステンションはそもそも 筋肉痛にならない。 (4)スクワットよりもレッグエクステンションの方が手抜きができる。
何故このように思うのかを順に話させて頂きます。
スクワットの方がレッグエクステンションよりも疲れが大きく、やる前に気持ちの準備が必要
僕はパワーリフティングをしています。
スクワットはパワーリフティングの種目の一つで、可能な限り重いバーベルを挙げられるようになりたいと思っています。
スクワットを強くするためにやっていることは、スクワットのみでした。
たまにレッグエクステンションやレッグカールもやっていましたが、これは気分転換の遊びであって、本気のトレーニングではありませんでした。
ところが、今から1ヶ月半ほど前に160kgのバーベルを担いでスクワットをしたときに、左内股を痛めてしまって、それ以来スクワットは休んでいます。
しゃがむと痛いので、スクワットの代わりにレッグエクステンションとレッグカールをするようになりました。
スクワットはもうしばらく休んで、痛みを感じなくなってから再開するつもりです。
レッグエクステンションがスクワットの代わりになるとは、最初から思っていませんでしたが、脚のトレーニングを何もせずにいるよりは、やった方が良いと思ってやっています。
以前、気分転換でやっていた時は、210ポンド(およそ95kg)で10回3セットぐらいをやっていました。
ジムにあるマシーンでやっていました。
椅子に座って、足首にクッションのついたレバーをひっかけて、膝を伸ばしてレバーを押し上げるあのマシーンです。
スクワットが出来なくなってからは、およそ以下のような内容でこなしています。
100ポンド15回、120ポンド13回、140ポンド12回、165ポンド10回、190ポンド10回
210ポンド 9回、230ポンド 8回、250ポンド 6回、270ポンド 3回、300ポンド 1回
100ポンドがおよそ45kgで、300ポンドはおよそ136kgです。
本当はどの重さも10回ずつあげるつもりでやっていますが、重くなるほど回数が少なくなって行き、300ポンドなどは意地であげているようなもんです。
最初の100ポンドでも、15回目を挙げるときは、大腿四頭筋が燃えているような感覚があり、とてもキツいです。
どの重さもすべてきついです。
楽な重さというのはないです。
上の内容のボリュームを計算するとおよそ6.6トンになります。
ボリュームとは、重さと回数をかけたものです。
もしスクワットで6.6トンのボリュームをこなそうと思ったら、100kgだったら66回、120kgだった55回、140kgなら47回挙げる必要があります。
僕の場合、100kg66回だったらそれほどキツくないですが、140kg47回だったらかなりきついです。
これだけの内容をこなすならば、それなりの覚悟をしてからでないとスクワットに取り組めません。
また、時間も随分かかるだろうし、セット間のインターバルも結構長く取る事になります。
僕は先日(2021年10月24日)のパワーリフティング千葉県大会の前は、スクワットは週に1回やっていましたが、1回のトレーニングでボリュームが10トンを超えるようにやっていました。
これは僕には大変なトレーニングで、スクワットだけで1時間ぐらいかかっていました。
始める前はかなりの覚悟が必要でした。
でも、レッグエクステンションは遥かに気楽に始めることができます。
マシーンが空いていたら、
お!空いてる。やろう。
というぐらいの気軽さで始められます。
終わった後の疲れ方も違います。
レッグエクステンションも、終わった後は大腿四頭筋が燃えているような感覚で、歩くにも脚に力が入らないですが、スクワットの場合は全身が疲労して、ぐったりした感じになります。
スクワットは全身が疲れるけれど、レッグエクステンションは大腿四頭筋だけが圧倒的に疲れる
レッグエクステンションでは、膝関節を伸ばして曲げますが、スクワットでは膝関節だけでなく、股関節も曲げて伸ばします。
わかりますか?
股関節ですよ。
実は僕は最近までわからなかったので、わからない方のために簡単に説明させて頂きます。
股関節というと、僕は股を開く、閉じるの動きばかり考えていました。
だからスクワットで股関節が動くというのを初めて聞いたときは、意味がわかりませんでした。
世に、股割りという柔軟運動があるので、股関節というと、脚を開く・閉じる、のイメージが定着してしまったんだと思います。
でも股関節の動きはそれだけではありません。
例えば立った状態で膝を上げるとき、曲がるのは膝関節だけでなく、股関節も曲がります。
床に足を伸ばして座り、前屈運動をする時も股関節が曲がります。
そうです。
股関節は、横の動きだけでなく、前後の動きもするんですね。
股割りができるほど体が柔らかい人は、股関節が横に90度まで開くでしょう。
右が90度、左が90度で、合わせて180度です。
前屈運動で、お腹を太腿に密着させられる人は、股関節が前に180度曲がるんでしょう。
では、後ろはどうでしょうか?
おそらく世界中探しても、後ろに180度曲がる人はいないと思います。
いたら怖いです。
おそらく普通の人ならば、後ろにはあまり曲がらず、せいぜい60度ぐらいじゃないでしょうか?
前後開脚がちゃんとできる人は、股関節が後ろに90度曲がっている事になります。
新体操の選手などで異様に体の柔らかい人はもっと曲がるんだと思いますが、さすがに180度曲がる人はいないでしょう。
ちょっと股関節の話が長くなてしまいましたが、スクワットでは膝関節だけでなく、股関節も曲げ伸ばしをします。
この股関節の曲げ伸ばしで、膝の曲げ伸ばし以上に強い力を発揮し、それが疲労につながっているんだと思います。
おそらく、大腿四頭筋だけでなく、お尻の筋肉も使っていると思います。そして腹圧をかけるために、腹筋にも力が入っていますよね。
トレーニングの目的が、大腿四頭筋の筋肥大に限定されているのであれば、むしろレッグエクステンションを限界までやった方が良いのかも知れないです。
でも、健康のための運動という面では、スクワットの方が動きが大きく、より多くの筋肉を動員しているので、体には良いように思います。
こういう点からも、スクワットとレッグエクステンションは別物だと思います。
スクワットの筋肉痛はなかなか抜けないけれど、レッグエクステンションはそもそも筋肉痛にならない
これはあくまでも僕の個人的な経験なので、他の方には当てはまらないかも知れないですが、僕はレッグエクステンションをやってもほとんど筋肉痛になりません。
でも、スクワットをすると、ひどい筋肉痛になります。
次の日は床に落ちたものを拾うのにかがむのがツライほどです。
でも、レッグエクステンションの場合は違います。
毎日でもレッグエクステンションが出来るのではないかと思うほど、筋肉痛になりません。
もしかしたら単にトレーニングのボリュームが足りないだけかも知れないですけど。
トレーニングのボリュームを6.6トンではなくて、10トン以上にしたら、ひどい筋肉痛になるのかも知れないですが、少なくとも6.6トンのボリュームでは筋肉痛は起こらないです。
これはアイソレーション種目とコンパウンド種目の違いによるんでしょうか?
アイソレーション種目というのは一つの関節の曲げ伸ばしで行う種目で、カールやサイドレイズ、フロントレイズ、ライイング・トライセップ・エクステンションなどがこれに当たります。
それに対してコンパウンド種目というのは、いくつかの関節を複合的に動かして行う種目です。
スクワットやベンチプレス、デッドリフトなどはこれにあたります。
一般にコンパウンド種目はアイソレーション種目よりも大きな力を出すことができます。
大きな力を出すことができるから、その分筋肉痛もひどくなるんでしょうか?
でも、そうだとしても不思議です。
カールやライイング・トライセップ・エクステンションなどもアイソレーション種目ですが、みっちりやった次の日には物凄い筋肉痛になります。
何故大腿四頭筋はレッグエクステンションで筋肉痛にならないのでしょうか?
理由はわかりませんが、僕の場合、スクワットとレッグエクステンションでは筋肉痛の度合いが段違いなので、やっぱり完全に別種目だと思います。
スクワットよりもレッグエクステンションの方が手抜きができる
これは、本当にまじめにトレーニングをしている人には関係ないと思いますが、重量を追求し過ぎてしまうと、無意識のうちに起こるズルだと思います。
レッグエクステンションでは、まず椅子に座ります。
当然、背中が背もたれに密着するようにしっかりと深く座る必要があると思います。
足首をクッションのついたレバーに引っかけてスタートポジションです。
体を固定するために両手で握るバーが、椅子の両側についていると思うので、それを握ります。
この時、体はすっかり脱力しているはずです。
その状態から大腿四頭筋に力を入れて、膝を伸ばす事によりレバーを押し上げるのが正しいやり方ではないかと思いますが、疲れがたまってきたり、やたらと重い負荷でやるときには、無意識にズルをしてしまうものだと思います。
それは、スタートポジションですでにお尻が浮いていて、上体にかなりの力が入っている感じです。
お尻が浮いているので、膝は十分に曲がっておらず、結構伸びています。
その状態からお尻を下げると同時に膝を押し上げて行くと、膝はほとんど曲がらないまま、テコの原理でレバーが押し上げられます。
これをやってしまうと、かなり重い負荷でも挙げる事が出来ます。
トレーニングの目的が自己満足とか、誰かに自慢する事であるならば、これでも十分なトレーニングだと思いますが、筋肥大や筋力アップを目指すのであれば、やめた方が良い方法ですね。
そういう僕も実は、最後の300ポンドなんかは、完全にこのやり方でやっています。
本当に膝の力だけで挙げる事が出来るのは、せいぜい250ポンドぐらいまで、いや230ポンドぐらいまでだと思うんですが、マシーンのプレートが全部で300ポンドなので、最後までやりたくなるんですよ。
たとえズルイやり方でも良いから、全部のプレートを挙げたんだという、征服欲を満たしたいんです。
もし僕がその300ポンドを挙げる姿を誰かが見ていたら、
ああ、意味がないトレーニングだな。この人はきっと自己満足のためにトレーニングをしているんだな。そっとしておいてあげよう。
と思うと思います。
一応、スクワットの代わりにせめてもの刺激を筋肉に与えようと思ってやっていますが、後半は自己満足のためにやっています。
一方、スクワットではこういう手抜きは出来ないと思います。
もちろんしゃがみ方を浅くすれば楽を出来ますが、パワーリフティングをしている都合上、膝関節よりも股関節が低くなり、大腿部が明確な下り勾配にならないしゃがみはすべて失敗で、意味がないので、しゃがみの浅さでずるをする事は出来ないんです。
つまり、僕の場合は、スクワットはズルが出来ないけれど、レッグエクステンションは(意識的にではないにせよ)ズルが出来る種目になっているんです。
これも両種目の違いの一つだと思います。
筋肥大の効果はどっちが大きいのか?
ボディーメイクでトレーニングをしている人にとって、スクワットとレッグエクステンションはどっちが筋肥大の効果が大きいのでしょうか?
僕自身は、スクワットの方が遥かに疲れるし、遥かにひどい筋肉痛になりますが、筋肥大の効果はどちらもゼロだと思っています。
あくまでも僕の場合の話ですが、5年前にパワーリフティングを始めた時と今では、太ももの周囲は58cmのままで全く太くなっていません。
自分では結構頑張ってトレーニングをしているつもりなんですが、筋肥大はゼロです。
筋肉系ユーチューバーの方々のトレーニングを見ていると、スクワットもレッグエクステンションもどっちもやっているようです。
まあ、ボディービルダーならば同然の事かも知れないです。
でも、2021年5月3日の東京ノービスボディービル大会で優勝したユーチューバーのコアラ小嵐さんは、その当時は脚のトレーニングはスクワットしかやっていなかったと言います。
スクワットだけであそこまでバキバキな太ももを作れるものなのかと、ただただ驚くばかりでした。
また、僕が学生だった頃、本屋で立ち読みしたボディービルの雑誌には、海外の凄い選手のインタビューが載っていましたが、逆にその人はスクワットはせずに、レッグエクステンションしかしていないと述べていました。
大部分のビルダーの方は両方やっていると思いますが、たまに片方しかやらないという方もいます。
それでいてみんな凄い脚を作り上げています。
僕も僕なりに一生懸命スクワットをしていますが、脚は全く太くなっていません。
もしかしたら意識の問題なんでしょうか?
僕がスクワットをする時は、
脚よ、太くなれ。筋肉よ、大きくなれ。
とは微塵も思っていません。
思っているのはただ、そのバーベルを挙げる事です。
そして今よりも半年後、一年後は重いバーベルを挙げられるようになりたいと願ってやっています。
これが、脚が太くならない理由なんでしょうか?
太くしたいと思わないと、太くならないんでしょうか?
カールをする時は、腕よ太くなれ!と思いながらやっています。
ライイング・トライセップ・エクステンションをする時も、腕よ太くなれ!太くなるのだ!思いながらやっています。
そして、実際に腕は太くなっています。
ショルダープレスやサイドレイズ、フロントレイズをする時も、肩よ、大きくなれ!大きくなるのジャ!と念じながらやっています。
もしかしたら、スクワットをする時も、脚よ脚よ、お脚さん、大きくなあれ、大きくなあれ!と念じながらやったら太くなるんでしょうか?
何か、そんなことを考えてスクワットをやったら、吹き出してしまって、その場で潰れそうです。
とりあえず僕は、脚が太くなる事よりも、試合でスクワットの自己ベストを更新し続ける事の方が嬉しいので、脚が太くならない事は気にしない事にします。
僕がレッグエクステンションを頑張るもう一つの理由
僕は普段はスクワットをやっていて、レッグエクステンションは遊び程度にしかやってませんでした。
去年2020年はレッグエクステンションで、以下の回数をこなしました。
100ポンド20回、120ポンド30回、140ポンド58回、165ポンド159回、
190ポンド98回、210ポンド121回、230ポンド29回、250ポンド5回
これで年間のボリュームは、90130ポンドでした。
今年は11月23日の今日の時点ですでに年間ボリュームが100970ポンドに達しているので、去年を超えていますが、どうせなら100ポンドや140ポンドなど、各重さごとにすべて去年の回数を上回りたいので、やっています。
これは去年の自分に勝つ!という征服欲(そんな名前の欲望が存在するんでしょうか?調べてません。)に従ってやっている事です。
全ての重さで去年を上回るためには、120ポンドがあと7回、140ポンドがあと37回、160ポンドがあと138回、180ポンドがあと37回必要です。
これはボリュームにすると、34760ポンドで、およそ15.8トンに相当します。
僕は毎週月曜日にジムに行きますが、仕事の都合もあるので、ジムにいかれるのは今年はあと4回です。
4回で15.8トンなら、1回あたり4トン弱なので、ボリューム的には行けそうです。
でも、160ポンド138回は厳しそうだなあ。
まあ、趣味ですからね。
仕事ではないですからね。
すでに去年のボリュームは超えているのに、各重さごとの回数をすべて更新したいというのは、あくまでも遊び心ですよ。
趣味ですからね。
今回はこんなところです。
ありがとうございました。
内部リンク「脚のトレーニング」