久し振りに見た「ロッキー4」は、スカッとする映画でした。

シルベスター・スタローン

こんにちは、鹿野一郎です。
今日は2023年1月8日の日曜日です。
今日は久し振りにDVDで見た映画「ロッキー4」(1985年)の感想を書いてみたいと思います。
ロッキー4は、不可能に挑戦するような内容の映画だったと記憶していましたが、久し振りに見たら、とてもスカッとしました。

大学生だった頃、「ロッキー4」のレーザーディスクを持っていましたが、DVDの登場でレーザーディスクはあっという間にこの世から姿を消してしまったので、ディスクもデッキごと捨ててしまいました。


レーザーディスクもDVDと同じ、光学ディスクですが、DVDと比べるととても大型で、昔のLPレコードぐらいの大きさがありました。
しかも、片面では映画をすべて収録できず、表面と裏面に分かれて収録されていました。
つまり、映画を見ている途中でディスクを取り出してひっくり返さないといけなかったんです。
DVDしか知らない人には驚きかも知れないですが、レーザーディスクや昔のレコードは両面に音楽や映像が記録されていました。


DVDは、レーザーディスクと比べると遥かに大容量なので、小型なのに片面で映画を収録できるようになり、両面に記録する事がなくなりました。

「ロッキー4」は僕が高校3年生の時に公開された映画です。
当時は相手役のドルフ・ラングレンがとても話題になっていました。
ドラゴの役を演じた役者さんですが、身長196cmの大男です。
極真空手をしている人で、「ロッキー4」に出演するにあたり、筋肉を15kgもつけたというのが話題になっていました。

アメリカ対ソビエト

「ロッキー4」は高校時代に友達の間で随分と話題になりました。
同じ年に「ランボー怒りの脱出」が公開され、どちらも世界的な大ヒットになりました。
シルベスター・スタローンにとっては、この1985年が最も良い年だったのではないかと思います。

映画の冒頭では、アメリカ合衆国の国旗が印刷されたボクシングのグローブと、ソビエト社会主義共和国連邦の国旗が印刷されたグローブが正面衝突して爆発します。
あそこまで露骨にアメリカ対ソビエト連邦を表現した映画は他にないのではないかと思います。
当時、友達の中には、スタローンが暗殺されてしまうのではないかと心配する人もいました。
アメリカ代表のロッキーとソビエト代表のドラゴがクリスマスにモスクワで戦って、アメリカが勝つという内容です。


あそこまで露骨にソビエトを刺激して、ミサイルでも飛んでくるんじゃないかと少々不安を感じましたが、そのような事は起こりませんでした。

ドラゴを演じたドルフ・ラングレンはソビエトの人ではなく、スウェーデンの人だそうです。
そのドラゴの奥さんの役を演じた女優さんは、当時のシルベスター・スタローンの奥さんでした。
その女優さんはてっきりアメリカ人だと思っていましたが、出身はデンマークだそうです。
つまり、あの映画でロシア人を演じていた2人はどちらもロシア人ではなかったのです。

仲間の間では、スタローンより奥さんの方が背が高いと話題になっていました。
その女優さんの名前はブリジット・ニールセンといい、身長は185cmだそうです。
た、高いですね。
シルベスター・スタローンの身長は177cmなので、確かに奥さんの方が高いんですね。
しかも8cmも差があります。
ハイヒールを履かれたら、さらに差が拡大してしまいますね。
スタローンは、ブリジット・ニールセンとは、この「ロッキー4」の他、映画「コブラ」でも共演しています。

映画では、ソビエトからドラゴ陣営がアメリカにやって来て、プロボクシングに参加すると表明します。
ドラゴはロッキーとの試合を希望しますが、ドラゴ陣営の自信満々の態度を見て腹を立てたアポロ・クリードがドラゴと対戦することになりました。
アポロはロッキーの前の世界チャンピオンで、映画「ロッキー」では、ロッキーがアポロと15ラウンドまで戦った末に、判定で敗れます。


「ロッキー2」では、再びロッキーがアポロと対戦し、15ラウンドでKOしてロッキーが新しいチャンピオンになります。


「ロッキー3」では、タイトルを10回防衛したロッキーがクラバー・ラングにKO負けしてタイトルを失った後、アポロの指導を受けてクラバーを倒し、チャンピオンに返り咲きます。


そしてこの「ロッキー4」では、生意気なソビエト陣営をこらしめてやろうとエキシビションマッチのリングにあがりますが、ドラゴの猛打を浴びて、帰らぬ人となってしまいます。

ロッキーはアポロの仇を打つために、ドラゴと戦うことを決意します。
ドラゴと戦うために、ロッキーはタイトルを返上してロシアに乗り込みますが、ここは未だによくわかりません。


なぜタイトルを返上しなければならなかったのか?
映画の中では、ソビエトもプロボクシングに参加すると言っていました。
という事は、それまではソビエトはプロボクシングには参加していなかったという事なのでしょうか?
プロボクシングに参加していない国で試合をするために、タイトルを返上したのでしょうか?
ちょっとよくわからないです。

しかもドラゴとの試合のファイトマネーはゼロだそうです。
友達の仇を打つために、チャンピオンの肩書きを捨て、ファイトマネーもゼロで、敵国ソビエトに乗り込んで試合をします。
映画の中でロッキーもエイドリアンに言っていますが、勝つことができず、相手の猛打を浴びるだけかも知れないんです。
もう自暴自棄になっているようにしか見えません。

雪山を走って登頂

ロッキーは、アポロのコーチのデューク、エイドリアンの兄のポーリーと3人でロシアに行きます。
ドラゴの事だけを考えられる環境でトレーニングをしたいといい、ロシアのぽつんと一軒家の山小屋にこもってトレーニングをします。
エイドリアンは試合に反対で、「勝てっこない」「自殺よ」と言っていたので、アメリカに残り、ロシアには来てくれませんでした。
なのにポーリーは来てくれました。
テレビもないし、店も何もない雪に閉ざされた山小屋にです。
何という友達思いなんでしょうか?


ポーリーは普段は酔っ払って乱暴な口をきく怖いおじさんだと思いますが、「ロッキー3」でロッキーがアポロの指導のもと再起を目指す時もロッキー、エイドリアンとともに家を出て、アポロのふるさとまで一緒について来てくれました。


あれはまだ同じアメリカ国内だからわからなくもないですが、今度はロシアですよ。
あの当時、アメリカ人がロシアに行くというのはとても危険な事で、場合によっては試合の前に暗殺されてもおかしくない状況だったと思います。
なのに一緒についていくというのは信じられない友情です。


「ロッキー4」にサブタイトルは「炎の友情」だったと思いますが、ロッキーとアポロの友情だけでなく、ポーリーの友情も見逃してはいけないと思います。

ロシアで、ロッキーは雪山の山小屋にこもってトレーニングをします。
サンドバッグもリングもないところで原始的なトレーニングをします。
トレーニングの最後ではジョギングで尾行の車を振り切り、そのまま雪山を登り始め、頂上まで走り切ってしまうんですが、いくらなんでもあれはないでしょう。
あんな人間はこの世にいないと思います。


あのシーンの撮影はどのようにして行ったんでしょうか?
当時のCGの技術では合成は出来ないと思うので、実際にスタローンは雪山の頂上まで行ったんだと思います。
でも、映画と同じように自力であそこまで登ったら、グロッキーで撮影どころではなくなってしまうと思います。


という事はヘリコプターで運ばれていったのでしょうか?
映像ではロッキーを中心に、カメラがほぼ1周して周りの景色を映しますが、どこにもヘリコプターが着陸できそうな場所はないです。


という事は、スタローンはヘリコプターからロープで降りて、カメラマンはヘリコプターから撮影し、撮影後にスタローンは自力でロープを登ってヘリコプターに戻ったのでしょうか?
それでもかなり危険な撮影だと思います。
一体、あの場面はどのように撮影したのでしょうか?
僕にとっては大きな謎です。

ドルフ・ラングレンの筋トレ

1985年に「ロッキー4」が公開された時、仲間の間ではドルフ・ラングレンがかっこいいという人が多かったです。
僕にはよくわかりませんでしたが、映画のパンフレットにはドルフ・ラングレンが役作りのために筋肉を15kgも付けたと書いてあったと思います。
その方法も書いてありましたが、最初は筋トレではなくダイエットから始めたそうです。
その後、大量のタンパク質を摂取し、筋トレを始めたような事が書いてあったと思います。
ダイエット明けの飢えた体は栄養を吸収する力が強く、大量のタンパク質をどんどん吸収して、通常より早く筋肉がついたと書いてあったと思います。
なるほど、そういうやり方もあったのかと思ったものでした。


それにしても筋肉を15kgもつけるというのはすごい事です。
身長が196cmと大きいので、普通の人より筋肉がつきやすいのかも知れないですが、それにしてもすごいと思います。
きっと映画のために、ものすごい筋トレをしたんだと思います。
具体的にどんな種目をどういう重さで何回ずつやったのか、知りたいものです。

夜中のドライブシーン

映画の中で、ロッキーがドラゴとの対戦を決めて、夜に家に帰る場面があります。
家ではエイドリアンが待ち構えていて、試合に反対します。
自分に相談なしに決められてしまったという不快感もあったと思いますが、例えドラゴに勝ってもアポロは生き返らない、勝てっこない、自殺同然だと責め立てて、口論になります。
エイドリアンは階段の上にいて、ロッキーは階段の下にいます。
ロッキーはアポロの言葉を引用して、人は変わる事はできない、君はそういう男と結婚したんだと言って家を出ます。


そしてあてもなく車を走らせるんですが、あの場面はものすごくかっこいいと思います。
車のドアに手をかけて開くところからBGMが始まり、車のエンジンがかかり、ライトがついて、ゆっくりと走り出すんですが、走りながらロッキーはこれまでのことを回想するような編集になっています。
男たちが栄光を目指して戦い、敗れ、再起をかけてトレーニングをし、再び栄光を手に入れようとする姿が描かれています。
そして立ちはだかったドラゴによって親友を奪われ、怒りを募らせていきます。


あの場面は初めて見た時もものすごく感動しましたが、何回見ても素晴らしいと思います。
あの数分だけでロッキーの歴史を全て表しているような感じすらします。

家事ロボットに強い違和感を覚えました

久し振りに映画を見て、完全に忘れていた存在を思い出しました。
映画の中で、ポーリーの誕生日をスタローンとエイドリアンが祝い、プレゼントをあげる場面があるんですが、そのプレゼントが家事を手伝うロボットでした。
1985年当時としてはあのロボットが最新型だったのかも知れないですが、今の2023年の水準から見たら、映画の中でポーリーが言っていたように、ガラクタにすぎないです。


ロボットと言っても二足歩行はできず、おそらくタイヤのようなもので走ります。
そのロボットの能力は、物を運ぶことと、しゃべることだけです。
しゃべることついては人間並の知能を持っていますが、物を運ぶ能力は極めて貧弱で、2023年現在、焼肉屋などのチェーン店で見るようなレベルのものです。


例えば自分で冷蔵庫を開けて、中のケーキを取り出して持ってくる事ができるんだったら役に立つと思いますが、上に乗せれば運べるというレベルだともらっても嬉しくないでしょう。


まあ、1985年にそのレベルのロボットがあればすごい事なんだと思いますが、なんとも陳腐な場面に見えました。
ポーリーはそんなロボットより新車が欲しいと言っていましたが、僕も同感です。
ただ、誕生日のプレゼントに新車をねだるというのは、すごい金銭感覚だと思いますが。

ラストシーンのスタローンの瞳が綺麗でした

ロッキーとドラゴの試合です。
会場はモスクワなので、ロッキーにとっては完全アウェイです。
観客は敵意に満ちていて、ドラゴはこれでもかとロッキーを殴りつけます。
試合は長丁場になりますが、会場のロシア人たちは次第にロッキーを応援するようになります。
ロッキーはドラゴをKOした後のインタビューで、初め自分達は憎しみあったが、変わる事ができた、誰でも変わる事ができるんだと言って映画が終わります。


つまり、アポロが言っていた、人は変わる事ができないという考えを翻した訳です。
人は変わる事ができるから、アメリカとソビエトもいがみ合わずに仲良くできるというメッセージですが、とても印象的だったのは映画の一番最後のシーンでのスタローンの瞳がとてもきれいだった事です。
試合後、両手にアメリカ合衆国の国旗を持って高く掲げるところで映画は終わるんですが、あの時の瞳があまりにも綺麗で、それまでの壮絶な打ち合いを忘れさせるような力があったと思います。
あまりにも瞳が綺麗だったので、「アポロの事はもういいのかな?」と思いましたが、でも、清々しい終わり方だったと思います。

ロッキーのシリーズでは、「ロッキー3」がとてもテンポが良くて、見てスカッとする映画だと思っていましたが、久し振りに見たら、「ロッキー4」もスカッとする映画でした。
ストーリーは極めて単純です。
ロッキーのシリーズの中で最も単純なストーリーだと思いますが、見てスカッとしたし、面白かったです。

ロッキーとエイドリアン

「ロッキー3」を見た時、ロッキーのトレーニングをエイドリアンが全部、じっと見ているのが不思議でした。
アメリカ人だからそうなのでしょうか?


僕だったら筋トレしているところを妻に見られるのはとても嫌です。
あっちに行っててくれ!と言ってしまうでしょう。

「ロッキー4」では、ロッキーとエイドリアンが仲違いし、ロッキーはエイドリアンを置いて、ポーリー、デュークと共にロシアに旅立ちます。


で、ロッキーがトレーニングをしていると、ある日突然その山小屋にエイドリアンがやってきます。
エイドリアンは我慢が出来ずに来ちゃったといいます。
するとロッキーは驚くことに、オレもだと答えます。


え?あんた、トレーニングをしながら奥さんの事を考えていたの?

奥さんに会いたいと思いながらトレーニングしていたの?
ドラゴの事だけを考えられる環境に身を置きたいからわざわざロシアまで来て、雪山の中にぽつんと一軒だけある山小屋にこもったんじゃないの?
そう思わずにはいられませんでした。

ロッキーのシリーズでは、この場面のように「え?」と思わされる2人の場面がいくつかあります。
アメリカ人から見たらあれが普通なんでしょうか?
それともアメリカ人から見ても、あれは???な場面なのでしょうか?

これまで僕はこのバーベルブログにシルベスター・スタローンの映画のDVDを買って観たあと、感想を投稿してきました。
これまでに書いてきたのは、以下の通りです。


(1)ランボー
(2)ランボー怒りの脱出
(3)ランボー怒りのアフガン
(4)ランボー最後の戦場
(5)ランボー・ラストブラッド
(6)ロッキー
(7)ロッキー2
(8)ロッキー3
(9)ロッキー4

この後は、ロッキー5とロッキー・ザ・ファイナルの感想を書いたら、バーベルブログに感想を投稿するのはやめようと思います。
この後も、スタローンの映画のDVDは1ヶ月に1枚のペースで買い続けますが、感想を書くのは、ロッキーシリーズで終わりにしたいと思います。
感想を書くのは結構疲れるんですよ。
書くことによって、自分自身あらたな発見もあるんですが、疲れるので、ロッキーシリーズでおわりにしたいと思います。

今回はこんなところです。
ありがとうございました。

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