久し振りに映画「ロッキー」(1976年)を見ました。

シルベスター・スタローン

こんにちは、鹿野一郎です。

先月、8月に「ロッキー」のDVDボックスを買って、久し振りに映画「ロッキー」(1976年)を見ました。

今は2022年の9月なので、46年前の映画になります。

何度も見た映画ですが、およそ30年振りに見ました。


僕はシルベスター・スタローンに憧れて筋トレを始めた55歳の男です。
スタローンは僕にとって永遠のヒーローです。
若い頃は、スタローンの映画のレーザーディスクやビデオテープを持っていましたが、ビデオテープは経年劣化で映らなくなり、レーザーディスクはDVDに駆逐されてこの世から消えてしまったので、デッキごと処分してしまいました。
気づいてみると、僕はシルベスター・スタローンの映画のDVDを1つも持っていなかったので、毎月1枚ずつ買うことに決めました。
そして、今年の3月には「ランボー」(1982年)のDVDを買い、
       4月には「ランボー怒りの脱出」(1985年)、
       5月には「ランボー怒りのアフガン」(1988年)、
       6月には「ランボー最後の戦場」(2008年)、
       7月には「ランボー・ラストブラッド」(2019年)のDVDを買いました。
これらの映画を見た感想は全て、このバーベルブログに投稿しました。

8月になって、「ロッキー」(1976年)のDVDを買おうと思ったら、ロッキーシリーズ全6作品をまとめたDVDボックスを売っているのに気づいて、それを買うことにしました。
でも、1ヶ月に1枚のペースで買うつもりだったので、一気に6作品見てしまうことは避けようと思っていました。

高校生の頃、テレビで初めて「ロッキー」を見ました。

僕が映画「ロッキー」を初めて見たのは高校生の時でした。
テレビで放送されるのを、友達から強く勧められて見ることにしました。
友達はその時、言っていました。

映画は映画館で字幕で見るのが一番だ。
テレビだと、放送時間の都合でところどころ、場面がカットされるし、コマーシャルが入るし、なんと言っても日本語吹き替えが原作のイメージを変えてしまう。
でも、あの映画はそれでも十分に見る価値があるから絶対見ろ。
お前は絶対にあの映画を気に入るから、絶対見ろ。

それによって僕は「ロッキー」を見ることになりました。
ロッキーのことはなんとなく知っていました。
そういうタイトルのボクシングの映画があるという程度しか知らなかったです。
内容は何も知らなかったです。

当時、おそらく水曜ロードショーだったと思いますが、映画の放映の前に、毎回映画評論家の人の短い解説がありました。
僕の記憶が正しければ、その時の解説者は、荻昌弘氏だったと思います。
彼の解説によると、主人公のロッキーは落ちぶれた生活をしているボクサーだそうです。
そしてトレーナーも落ちぶれていて、主人公が好意を寄せているペット屋の娘も落ちぶれた生活をしていると言います。
僕はそれを聞いて、珍しいなと思いました。
当時のドラマや漫画、映画などでは、男が落ちぶれていても、女の人は良いところのお嬢さんだったり、すごい美人だったりして、月とスッポンという設定が多かったからです。
女の人まで落ちぶれているとはすごい映画だなと思いました。

そして映画を見始めると、確かに主人公は落ちぶれていました。
ボクサーと言いながら、副業で高利貸しの集金係をやっていて、ほとんどゴロツキです。
いつもガムを噛んでいて、いつもボールを持っていて、ボールを地面にぶつけては取るということを、癖のようにやっています。
革ジャンを着て、革製と思われるハットをかぶっています。
上体はいつもよろよろしている感じで、シャキッとしていません。
部屋は散らかっていて、とても汚いし、トレーニングの時に着る服もボロボロで、穴が空いていたりします。
でも映画を見ていくうちに、だんだん面白くなってきて、最後、試合の場面では心底感動してしまいました。

ちょっと話がそれますが、この日から間も無く、映画「ランボー」がテレビで放送されました。
僕はそれもテレビで初めて見ました。
ランボーも、ロッキー同様にとても感動してしまい、この2作で僕はシルベスター・スタローンの虜になりました。
あの時、ロッキーをテレビで放映したのは映画館で公開される「ロッキー4」(1985年)の宣伝のためでした。
そしてランボーをテレビで放映したのも、映画「ランボー怒りの脱出」(1985年)の宣伝のためでした。
僕はまんまとこの宣伝に乗り、どちらの作品も映画館に観に行きました。

翌日、学校ではロッキーに魅せられてしまった男子が何人もいました。
僕もその1人ですが、もっと熱狂的な友達は、ロッキーのテーマを口ずさみながら、友達にパンチを繰り出していました。
僕が映画ロッキーを初めて観たのは1985年のテレビ放送でした。

その当時、ビデオデッキがようやく全国的に普及した頃で、世の中には急速にレンタルビデオの店が増えていました。
大学生になったあと、映画「ロッキー」のビデオを借りて見たかどうかは覚えていません。
ちゃんと英語音声で見たのか、それとも日本語吹き替えのテレビ放送しか見ていなかったのかは覚えていません。
ただ、一つ記憶にはっきり残ったのは、ある中学生の女の子の感想でした。

女子中学生に言われたショックな感想

僕は大学生の頃は、学習塾で数学を教えるアルバイトをしていました。
中学生に数学を教えていたんですが、あるとき生徒の一人がビデオで「ロッキー」を見たと言います。
僕はすぐに感想を尋ねました。
とても感動して大ファンになってしまったという返事を期待していたんですが、返事は予想外のものでした。
映像が古すぎて面白くなかったという感想だけでした。
ストーリーに関する感想はゼロでした。

おそらくこの会話をしたのは今から34年前の事(1988年)だと思います。
ロッキーは1976年の作品なので、その中学生の女の子は、12年前の映画を見て、映像が古すぎると言っていた事になります。
これは僕にはショックな事で、ずっと引きずっていました。
ちなみに、「男はつらいよ」の初めの方の作品を今見ると、とても古くて昔の映画という感じがします。
ロッキーもそうなってしまったのかと、ショックを受けました。
なので今回、ロッキーのシリーズを全て見返すと決めた時も、

鹿野一郎
鹿野一郎

「ロッキー」と「ロッキー2」は見なくても良いんじゃないかな?
映像が古いし、大昔の映画だから。


と思いました。
でも、6作品がセットになったDVDボックスを買ったので、「ロッキー」を見る事になりました。

久し振りに見たロッキー

久し振りにロッキーを見て不思議に思ったんですが、この2022年の今見直しても、映像が古いとは思いませんでした。
それよりもドラマがとても良くできていて、とても面白かったです。
見始めたら最後まで一気に見てしまいました。
あの当時のアメリカの下町の人々の様子を描いているんですが、人々はみんな短気で怒りっぽく、言葉遣いが汚く、すぐ怒鳴ります。
なんかそれが懐かしく感じられました。
日本でも昭和の頃はああいうおじさんがたくさんいました。
今の令和の世の中は、行儀良くなりすぎている感じがして、個人的にはあまり好きではないです。

ロッキーがポーリーを訪ねて酒場に行く場面があります。
そこでポーリーが初めて登場する訳ですが、ポーリーはトイレの鏡で髪型を直していました。
そこにロッキーが現れるんですが、鏡がひどく割れていて、7割ぐらい無くなっています。
残った3割が低い位置だったため、ポーリーは不自然に前屈みになって髪を直しています。
ロッキーが話しかけると、ポーリーは「ちくしょう!誰だ、鏡を割りやがったのは!」と言います。
その後、2人はしばらく会話をしますが、その間に何度か「ちくしょう!鏡を割りやがって!」というセリフが出ます。
僕はこれがおかしくて笑ってしまいました。

ロッキーの脚本は、当時無名だったシルベスター・スタローンが自分で書き上げたものです。
持ち込みで映画会社に売り込んで、自分が主演じゃないと権利を売らないと強気の交渉をして映画化に漕ぎ着けました。
「鏡を割りやがって!」というセリフはどうやって思いついたんだろうかと思いました。
もしかしたら元の脚本にはなかったのかも知れないです。
撮影に使う酒場が決まったら、トイレの鏡が割れていたので、それであのセリフが付け加えられたのかも知れないです。
とにかくあのセリフはポーリーの人柄をとてもよく表しているし、映画を面白く引き立てる大きな効果があったと思います。

場末のリングに上がる三流のボクサーは、ファイトマネーだけでは生活できないので、トレーナーでありジムのオーナーであるミッキーの言葉を借りれば、「恵まれた才能があるのに、二流の高利貸しの手先に成り下がった」のでした。
人々から借金を取り立てることで、稼ぎを得ていました。
そんな彼に突如、世界タイトルの挑戦権が与えられます。

これにより、ロッキーのことを目の敵にしていたトレーナーのミッキーは、ロッキーに擦り寄り、一緒に頑張ろうと持ちかけます。
急に態度を変えたミッキーに対してロッキーは腹を立てますが、結局二人三脚で世界戦に臨む事になります。

ここで一つ、不思議に感じた場面があります。
ロッキーが世界タイトルマッチに挑戦すると決まったら、ポーリーも手を貸すと言い出します。
雑用でもなんでも手伝うと申し出てくれるんですが、それに対するロッキーの反応は、「今まで俺をコケにしていたくせに」という、意外な言葉でした。
映画を見る限り、ポーリーがロッキーを下に見て、邪険に扱った場面は一つもありません。
ポーリーは、常にロッキーに、高利貸しの取り立ての仕事を紹介してくれと頼んでいたし、ロッキーがポーリーの妹のエイドリアンに好意を持っているのを知っていたため、二人をくっつけようといろいろ動いてくれていました。
さらにポーリーは生肉工場で働いていたんですが、ほぼ毎日ロッキーに肉をタダで渡していました。
ポーリーはそのようにロッキーに接していたので、世界戦が決まって、雑用でも何でも手伝うと言ってくれるのは自然な事です。
それに対してロッキーが、俺をコケにしていたくせに、と反応するのはどうしても理解できません。
映画の中ではこの一言を言っただけで、二人が対立するような事はなかったので、このセリフは気にしなければ気にならないんですが、僕は気になりました。

もしかしたら本当はもっといろいろな場面があって、ポーリーとロッキーが仲違いする場面があったのかも知れないです。
上映時間都合で、そういうシーンがカットされたというなら、納得が行きます。

試合のシーンは、何度も見ているので、今更見ても感動はないと思っていましたが、全く違いました。
若い頃は分からなかった細かい事がわかるようになり、今回もとても深く感動してしまいました。
若い頃、不思議だったのは、ロッキーが世界タイトルマッチに挑む時、なぜ恋人のエイドリアンは控え室にとどまったのかという事です。
リングサイドの特等席で見れば良いのに、なんで控え室に残ったのか、当時の僕にはわかりませんでした。
自分の恋人がボクシングの世界チャンピオンにめった打ちにされるところを見たくないと思うのは、女性なら当然だと思いますが、昔の僕にはこれがわかりませんでした。
試合は15ラウンドまで行われ、予想よりも遥かに長くなりました。

やがてエイドリアンは控え室を出て、試合会場にゆっくりと向かいます。
エイドリアンが会場の入り口に立った時、試合は14ラウンドの終盤で、ダウンしたロッキーが必死に立ちあがろうとしています。
エイドリアンはそれを一眼見て、顔を伏せてしまいます。
自分の彼氏があそこまでボコボコにやられているのは見たくないでしょう。
その後、エイドリアンは一瞬後ろを振り返ります。
おそらくそれは、会場を出て帰ろうかと思ったんだと思います。

14ラウンドが終わり、最終ラウンドが始まります。
試合の前の晩、ロッキーはエイドリアンに話していました。
今度の試合は勝てない。
相手は偉大で勝てる訳がない。
俺はゴロツキみたいな男で、本当に酷かった。
でももし最後のゴングが鳴っても、立っていられたら、俺がゴロツキじゃないってことを初めて証明できるんだ。
細かい言い回しは違うと思いますが、大体こんなことを言っていました。

そして15ラウンドの最後まで戦い抜きます。
試合が終わるとマスコミ関係者がインタビューを求めてロッキーに群がります。
ロッキーは何を聞かれてもエイドリアンの名前を叫ぶだけでした。
それを聞いてエイドリアンはリングに駆け寄ります。
途中で帽子が脱げて落ちてしまいますが、構わずリングに駆け寄ります。
そしてロッキーにはっきりと、I love you! と伝えます。
それまで二人は付き合う事になっても、お互いに I love youとは言っていませんでした。
試合の後、初めてお互いにその言葉を口にします。

それがどういう事なのか、若い頃の僕には全くわかっていませんでした。

実話に基づいて書かれたストーリー

シルベスター・スタローンはモハメド・アリの試合を見て、このストーリーを思いついたそうです。
相手はロートルのボクサーで、早い回にKOで勝負がつくと予想されていましたが、相手が予想外に粘り、最終的にラウンドまでもつれたそうです。
会場でその試合を見ていたスタローンは感動し、ロッキーのストーリーを書いたそうです。

いつかテレビか何かで見ましたが、ロッキーの監督は最初に話を持ちかけられた時、ボクシングの映画なんてくだらないと思い、受ける気はなかったそうです。
2人の漢が殴り合うなんて馬鹿げていると話していました。
でも脚本を読み進めると、ある場面で、おや?と思ったそうです。
主人公がペットの亀に話しかけるシーンです。
そこから脚本に興味を持ち、最後まで読み切ると、ボクシングはただの背景に過ぎず、1人の男の生き様をテーマにした映画だと分かったと言っていました。
本当にその通りだと思います。

スタローンのボクシング技術

映画ロッキーでスタローンがサンドバッグを殴るシーンを見ると、スタローンは本当にボクシングをやっていたのではないかと思います。
僕にはボクシングの経験はないんですが、ボクシングをやっている人から見たらあれはどう見えるんでしようか?
あのサンドバッグ打ちは僕には出来ません。

僕なんかよりはるかにうまいと思います。

僕は若い頃は空手をやっていました。
シルベスター・スタローンは、映画「ランボー怒りのアフガン」の中で、飛び後ろ回し蹴りを見せますが、それは僕の目には完全に素人の真似事に見えました。
ちゃんと空手をやっていたらあんなに遅くないし、もっとキレがあると思いました。
それは僕が空手をやっていたからであって、やっていない人から見たら、すごい蹴りに見えるのかも知れないです。

同じようにスタローンのサンドバッグ打ちの技術は、ボクシングをしている人が見たらどう見えるのでしょうか?

娘にロッキーについて聞いてみたら

朝食を食べている時に、中学一年生の娘に、ロッキーという映画を知っているかと尋ねたら、知らないと言っていました。
全く知らないそうです。
じゃあ、ゴッドファーザーという映画を知っている?と聞いたら、聞いた事があると言っていました。
では、ダーティーハリーという映画を知っている?と聞くと、これも聞いた事はあるそうです。
ならインディー・ジョーンズは?と尋ねると、知っていると言います。
他に何かないかなと思いましたが、スターウォーズだったら知っているに決まっているので、それ以上聞くのはやめました。
ゴッドファーザーやダーティーハリーは知っていても、ロッキーを知らないというのは複雑な気分です。

ランボーを見ていた時も、職場の41歳の同僚に話を振ったら、「ランボーって、どういうストーリーなんですか?」という質問を受けて、開いた口が塞がらなくなりました。

僕にとっては、ロッキーやランボーは知っていて当たり前の映画なんですが、世間ではそうでもないようです。
一応、ロッキーはアカデミー賞を取っているんですけどね。
そして「ロッキー」のヒットだけでなく、「ロッキー2」「ロッキー3」「ロッキー4」「ロッキー5」「ロッキー・ザ・ファイナル」まで作られて、少なくともロッキー4までは大ヒットしたと思うんですが。
さらに現在も、「クリード」というスピンオフの作品が作り続けられているんですが、世間ではそれほどの知名度はないようです。

最後になりますが、今回「ロッキー」を見たのは、およそ30年振りでした。
ずいぶん長い時を経て再び見ましたが、初めて見たときと同じぐらい面白かったです。



今回はこんなところです。
ありがとうございました。

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