2021年大晦日の紅白歌合戦は面白かったと思うんですが

印旛沼の奥に沈む夕日 その他

こんにちは、鹿野一郎です。
2021年大晦日の紅白歌合戦は面白かったと思っています。
でも、Yahoo!のニュースを見ると、史上最低の視聴率だったそうで、ニュースの内容も、それに対する一般の人のコメントも、紅白のダメなところを列挙し、指摘するものばかりでした。
最初は、

鹿野一郎
鹿野一郎

なんで?面白かったじゃん。

と思いました。
一般の人のコメントを読んで行くうちに、ある思いが頭に浮かびました。
(今回は多くの歌手、俳優の人々の名前を書かせてもらいますが、敬称略で失礼します。)

2021年大晦日の紅白歌合戦について書かれたYahoo!のコメント

Yahoo!のコメントを読んで頭に浮かんだ思いとは、「もしかしたらこの人達は、今回と前回の紅白歌合戦を見ていないのではないか?」というものです。
もしそうならば、コメントに書かれている内容に僕も同意します。
つまり、演歌歌手が歌うときに大勢でバックに出て、踊ったり手拍子をしたりうるさくて落ち着かないとか、
お笑い芸人が次々と出てきてやかましいとか、
学芸会みたいな出し物がうざったいとか、
やたら派手な演出が多くて見ていて疲れるとか、
出演する歌手が特定の事務所に偏り過ぎていて違和感があるとか、
何年もヒット曲がない歌手が毎年中継で出てくるのはやめさせろとか、
審査員を廃止しろとか、
紅組と白組に分けるのをやめさせろとか、
番組を見ない若者に迎合しても意味がないとか、
数え切れないほどの指摘があります。
一昨年までは僕も同じように思っていました。
でも、2020年の大晦日でそれが大きく変わり、2021年の大晦日ではさらに変わったと感じています。

カッパの人形

2020年大晦日の無観客の紅白歌合戦

2021年の紅白歌合戦がぼろぼろにけなされているのとは対照的に、1年前の2020年大晦日の無観客の紅白歌合戦では、逆に好意的なコメントが多かったと思います。
それまでの紅白とは違って、じっくりと歌を聞かせる番組になっていたと思います。

2020年の紅白歌合戦は、感染症対策のために人が密にならない事が何よりも優先されました。
その結果だと思いますが、演歌歌手が歌う時に大勢がバックに出て、踊ったり手拍子をしたり、うるさくて落ち着かないという事はなかったです。
一番印象に残ったのは、五木ひろしが「山河」を歌う時、ステージに五木ひろし本人しかいなかった事です。
彼は最初から最後までたった一人でステージで歌いました。
それまでの紅白だったら、演歌歌手が歌う時は、ミニスカートのお姉ちゃん達が多数出てきて踊ったり、または若手のアイドルがずらりと出てきて手拍子をしたりしていましたが、五木ひろしは最初から最後まで一人で歌っていました。
僕はその「山河」という歌を初めて聞きましたが、その歌詞にも感動してしまいました。

 人はみな、山河に生まれ、抱かれ、挑み
 人はみな、山河を信じ、和み、愛す
 そこに、命をつなぎ、命を刻む
 そして、ついには山河にかえる

心にしみました。

他に、「香水」を歌った瑛人もステージに1人で座って歌っていました。
バックには誰もいませんでした。
プロモーションビデオでは女の人が1人踊っていたと思いますが、2020年の紅白ではその人もいなかったと思います。

他にもバックダンサーや他のアイドルなしで1人で歌った人は何人かいたと思います。

また、2020年の紅白はそれまでの紅白に比べると、お笑い芸人の出演が大分減ったと思います。
それまでは大人数のなんとか46というアイドルグループが歌う時に、お笑い芸人が紛れ込んで踊っていたりしていましたが、そういう演出はなかったと思います。
それでも気になったのは、水森かおりが「瀬戸内 小豆島」を歌う時、画面の端に、自撮り棒を持った、ふわちゃんという女性がちらちら映っていた事です。
娘は「ふわちゃんだ!」と言って喜んでいましたが、僕にとっては見た事も聞いた事もない人だったので、単に邪魔な存在にしか感じませんでした。

成田山の風景

そして、2020年の紅白歌合戦について、かなり好意的に書かれていたのは、同時に複数のスタジオを使って番組を進行させた事でした。
無観客なので、同じ会場に全員が集まって、素早くセットを作り替え、MCはその間をトークで繋ぐという事をする必要がなかったんです。
次々と豪華なセットが現れて、スピーディーに展開したのは良かったと思います。
それは無観客でないと出来ない事なんですが。

2020年の紅白歌合戦では、YOASOBIという2人組のグループも出演しました。
やたら本がたくさんある場所で、やっぱり2人だけで歌っていました。
YOASOBIというグループの事は僕は全く知らなかったんですが、娘は大好きだったそうで、テレビで見られた事を喜んでいました。
番組の説明によると、このYOASOBIというグループは歌手ではなく、ユーチューバーだそうです。
再生回数が3億回を超えたので、とうとう紅白に出るまでになったとか。
おそろしく売れているユーチューバーなんですね。

それと、はっきり覚えていないんですが、JUJUが「やさしさで溢れるように」を歌った時と、Superflyが「愛をこめて花束を」を歌った時は、バックはオーケストラだったと思います。
オーケストラの前で、歌手が1人で歌うのは、やっぱり良いなと思いました。
バックに名前も顔も分からない若いアイドルがじゃらじゃら出てきて、がやがややっているより、ずっと良いと思います。

さらにもう一つ、例年の紅白歌合戦では、裏放送(というのかな?)をやっていましたが、おそらく2020年から無くなったのではないかと思います。
少なくとも2021年はなかったと思いますが、2021年の紅白ははじめの10分を見逃したので、もしかしたら今年もあったのかも知れないです。
でも、多分なかったと思います。
通常の音声とは別に、やはりお笑い芸人が数人で副音声で違う実況をしていましたが、そういうのはなくなったと思います。
とても良い事だと思います。

最後にもう一つ。
2019年以前の紅白では何年も、お笑い芸人の渡辺直美がステージに出てきて、体形に似合わないハイレベルなダンスを披露していました。
僕は、個人的にはああいうのは最初の1回だけで良く、2回目以降は必要ないと思っていましたが、2020年の紅白ではとうとう渡辺直美の1人ステージがなくなりました。

東京ディズニーランドからの映像を流した時、メインはMCの二階堂ふみと歌手の氷川きよしのデュエットでした。
そのバックで大勢の着ぐるみやダンサーが踊る中に、渡辺直美もいましたが、あくまでも大勢の中の1人であって、彼女のためのステージではありませんでした。
個人的にはあれはとても良い事だと思いました。
あの映像をみて、とにかく驚いたのは、二階堂ふみの歌唱力です。
あの氷川きよしとデュエットを組んでも、全く負けていませんでした。
歌手になれる歌唱力だと思いました。

そして、2021年の紅白歌合戦では、お笑い芸人は誰も出演しませんでした。
それまで毎年総合司会として君臨していた、うっちゃんなんちゃんのうっちゃんも出なくなりました。
とても良い事だと思いす。

すべて個人的な意見ですが、このような理由から2020年の紅白歌合戦は、2019年以前のものとは明らかに別物で、歌手が主役の番組に戻りつつあると感じました。
だから、面白かったと思っています。

2021年大晦日の紅白歌合戦の良かった点

2021年の紅白歌合戦は、僕は2020年よりもっと良かったと思っています。
何度もしつこいですが、お笑い芸人が全く出演しなかったのがとても良かったです。
そして白組のMCは2020年に引き続いて大泉洋がやりました。
2020年の紅白でははしゃぎ過ぎだという指摘もありましたが、2021年はそれと比べると大人しくなっていたと思います。
2020年の女性のMCは女優の二階堂ふみでしたが、2021年は女優の川口春奈に変わりました。

紅白歌合戦のMCは、長い間、白組は嵐が5人でやっていましたが、僕はあれは好きではありませんでした。
嵐のメンバーは全員好きですが、MCが5人というのはいくらなんでも多過ぎます。
それだったら誰か1人を選んで、1人にやらせた方がよっぽど良かったのではないかと思ってました。
でも、それも無くなって、MCが紅組1人、白組1人になったのはとても良いと思っています。

Yahoo!のコメントでは、紅組と白組に分ける事がナンセンスだという意見もあります。
まあ、わからなくはないですが、別に今のままでも良いのではないか?とも思います。
もし今年の大晦日の紅白歌合戦から、紅組と白組の区別をしなくなり、対戦もしなくなったとしても、別に構わないと思います。
個人的には、どっちでも良いと思っています。

何度もしつこいですが、2021年の紅白歌合戦で、最も良かった点はお笑い芸人が出なかった点です。
次に良かった点は、演歌歌手が歌う時に背景に訳の分からない人々が大勢出てきてわーわー騒がなかった事です。
学芸会みたいと言われている出し物も少なかったし、随分と悪い要素が取り除かれたように思いました。

2021年の紅白で、特に強く印象に残ったのは、「きらり」を歌った藤井風という人と、「命に嫌われている。」を歌ったまふまふという人です。
2人とも知らなかったんですが、もしかしたら歌手ではなくて、ユーチューバーなのかも知れないです。
藤井風という人は、「きらり」よりも、最後にMISIAとともに歌った歌がすごく良かったと思います。
そしてピアノがとても上手で、ピアニストになれるんじゃないか?と思うほどの腕前でした。
とても才能のある若者だと思いました。

また、まふまふという人はとても不思議な人でした。
歌を聴いた後、僕と娘で

鹿野一郎
鹿野一郎

この人は男なの?女なの?

と問答したぐらいにどっちなのかわかりませんでした。
まるで2つの声を持つ人です。
普通に歌っていると男性の声なんですが、サビの部分で高音域になると女性の声に変わるようでした。
実は、ゴーストシンガーがいて、2人で歌っているのではないか?とすら思いました。
どうやら男性のようですが、この人のステージも迫力がありました。

6年生の娘によると、学校の友達には、人間が歌っている曲はだるくて聴いていられなくて、ボーカロイドが歌う曲しか聴かないという子もいるそうです。
もしかしたら2022年の紅白歌合戦にはボーカロイドも登場するかも知れないですね。
そう言えば、何年か前にCGで復活させられた美空ひばりの歌声も、あれもボーカロイドなんでしょうか?
あの企画にはかなりの批判がありましたが、僕もあれはやり過ぎだと思いました。
そう言えば、2021年の紅白歌合戦では、氷川きよしが美空ひばりの歌を歌っていました。
それを見て娘が、

美空ひばりって何年前に死んだの?

と尋ねました。
「確かパパが高校生の時だったと思うから、そろそろ40年ぐらいかな?」と答えると、とても驚いていましたよ。

そんなに昔なの!てっきり5年ぐらい前かと思ってた!

だそうです。
果たして10年後、20年後、30年後になっても、まだ美空ひばり特集は組まれるんでしょうか?

もう一つ、2020年と2021年の紅白の両方に出ていましたが、白組のGENERATIONSという7人組は、ダンスが素晴らしくて、とても良かったです。
紅白に出たグループの中で、ダンスは突出していたような気がします。
あくまでも個人の意見ですが。

2021年大晦日の紅白歌合戦の良くなかった点

次は2021年の紅白歌合戦をみて、改善して欲しいと思った点を述べさせて頂きます。
まずは、審査員です。
審査員は6人全員が白組が勝ったと判定しましたが、会場のお客さん、お茶の間の視聴者さんの意見により、紅組が勝ちました。
審査員が全員一致で決めた結論が、お客さんと視聴者の意見で覆ったんです。

鹿野一郎
鹿野一郎

だったら、審査員の意味ないじゃん!

と思います。
勝ち負けを決めたところで、別に意味がある訳でもないので、もう勝敗を決める必要も、審査員をおく必要もないのではないかと思いました。
審査員ではなく、ゲストコメンテーターで良いのではないでしょうか?

それと、朝の連ドラの内容を紅白歌合戦に組み込むのはやめて欲しいです。
僕は2013年に放送された「あまちゃん」は見ていましたが、それ以来、朝の連続ドラマ小説は全く見ていないので、紅白で朝の連ドラの場面が始まると意味が分からなくなるんです。
別の番組なんだから、あのように深くリンクさせるのはやめて欲しいです。
それともNHKの人々は、日本国民がみんな朝の連ドラを見ていると思っているんでしょうか。
わが家では、午前中や日中にリビングのテレビの電源が入る事はまずあり得ないです。

もう一つ言うと、「浮世傘」を歌った三山ひろしですが、けん玉でギネスブックを狙うのはもうやめにして欲しいです。
もう何度も記録を更新しているんだから、あの企画は終りで良いと思います。
けん玉をやられると歌を聴けないという部分もあるので、三山ひろしにはオーケストラをバックに一人でじっくり歌って欲しいです。
もし、どうしてもけん玉のギネス記録を更新したいなら、会場とは別の場所で、三山ひろしも関係なしに、番組の放送開始から放送終了まで延々とけん玉をやらせ続ければ良いと思います。
もし11時45分までやり通す事が出来たら、それは本当に凄い記録だと思います。
でも、それは歌とは関係ないので、紅白歌合戦とは違う番組でやって欲しいです。

それと、これは良くなかった点ではないんですが、2021年は東京オリンピックが開催された年だったのに、オリンピックの話題が全くなかったと思います。
これまでの紅白だったらオリンピックをスルーするはずはないと思うんですが。
1998年の長野オリンピックの年にはメダリストが何人も審査員に呼ばれていたと思いますが、今回はそういう事はありませんでしたね。
もしかしたら、東京オリンピックには、新型コロナウィルスの観点から、賛否がかなり割れていたので、危ない橋は渡らなかったのかも知れないです。
別にオリンピックを取り上げ欲しい訳ではないんですが、まったくスルーだったのは意外でした。

若者は紅白を見ない

若者は紅白歌合戦を見ないと言います。
それは事実だと思います。
僕も若かった時は紅白歌合戦なんて見なかったです。
なんか、物凄くダサく感じるんですよ。
そんなものを見るなら、腕立て伏せでもやっている方がマシだ、ぐらいに思っていました。
若者が紅白を見ないのは、別にYouTubeの台頭やサブスクリプションサービスの台頭が原因ではないと思います。
「紅白歌合戦」というイメージが、若者にはダサくてダサくて仕方ないので、見ないんですよ。

鹿野一郎
鹿野一郎

年が明けたからって、何がめでたいんだ?理解できん!
なんで餅食って、凧なんかあげなきゃなんないんだ?意味がわからん!
何で身内で集まらなければならないんだ!うざったい!

若者の感覚だとこんなところじゃないでしょうか?
僕は若かった頃はそう思っていました。

でも、年を取って若くなくなると、また見るようになりました。
テレビが面白いかどうかというのは、誰と見るか、にも依りますよね?
1人で見ていたら紅白歌合戦はつまらないと思いますよ。

僕は芸能人がたくさん出るクイズ番組は絶対に見ない人間だったんですが、妻と結婚したら見るようになりました。
1人で見ているとつまらなくて仕方なかったんですが、妻と見ていると面白いんですよ。
妻は僕の計算の速さに驚き、僕は妻の歴史、文学の知識の多さに驚きました。
そして、子供が生まれたら、紅白歌合戦が面白くなったんです。
わが家では歌番組は見ないので、娘にしてみればああいう豪華なステージの歌番組は1年に1回しか見るチャンスがないんです。
だから面白いんでしょう。

娘は春には中学生になります。
中学生か高校生のあたりで、「紅白なんてダッサ!!」というようになり、見なくなると思います。
そうなったら僕も紅白は見なくなると思います。
それこそ、紅白を見るよりバーベルを持ち上げている方が面白くなると思います。
紅白歌合戦というのはそういう番組だと思います。

行く年来る年と同じように、今後、10年、20年、30年と末長く続いて欲しいと思います。
今回は(今回も?)勝手な事を好きなように書かせて頂きました。
あくまでも個人の意見ですので、ご了承下さい。
ありがとうございました。

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