2018年のピーキングの考察(スクワット編)

ピーキング

こんにちは。鹿野一郎です。
僕は2018年12月のパワーリフティング千葉県大会に向けて、初めてピーキングを試してみました。
ピーキングというのは、試合が近づくにつれて、重量を重くし、その結果回数が減っていく調整方法で、全ては試合会場での一発のためにやります。
トレーニングをしていると同じバーベルでも、やたら重く感じる時や、やたら軽く感じる時がありますよね。
ピーキングは、このやたら軽く感じる時を意識的に作るものなんです。

1 僕のピーキングの内容

試合前の一定期間、毎週バーベルを重くしていき、本番で力が出るように調整していきます。
8回2セットを基本とし、8回より多い回数や、3セット目以降は絶対にやりません。
全ての力を2セットで出し切るんです。
実際の僕のトレーニングは以下のようにやりました。

  10月04日  140kg 8回、8回  ボリューム2240kg
  10月11日  145kg 8回、7回  ボリューム2175kg
  10月18日  150kg 8回、6回  ボリューム2100kg
  10月25日  155kg 8回、3回  ボリューム1705kg
  11月01日  160kg 7回、3回  ボリューム1600kg
  11月08日  165kg 4回、5回  ボリューム1485kg
  11月15日  170kg 5回、1回  ボリューム1020kg
  11月22日  175kg 2回、0回  ボリューム  350kg

この結果、本番の試合では第一試技で170kgを挙げたものの、「ラック!」の合図の前に脚が動いてしまって失敗。
第二試技と第三試技は立ち上がったものの、しゃがみが浅いという理由で失敗になりました。
果たしてこのピーキングは効果があったのかを検証してみたいと思います。

2 換算最大筋力

世の中には最大筋力換算表というものがあります。
インターネットにも出回っていますし、たまにジムの壁に貼ってあることもあります。
それによると、換算最大筋力は次のようになります。

  10月04日 174kg相当(140kg8回)
  10月11日 180kg相当(145kg8回)
  10月18日 186kg相当(150kg8回)
  10月25日 192kg相当(155kg8回)
  11月01日 194kg相当(160kg7回)
  11月08日 190kg相当(165kg5回)
  11月15日 196kg相当(170kg5回)
  11月22日 186kg相当(175kg2回)

なんか、これをみると何で本番で170kgでしゃがめなかったのかと不思議になりますが、今でもはっきり覚えているのは、170kg5回を挙げたときは、しゃがみが完全に浅かった事です。
試合で成功と判定されるほどしゃがんでいたら、絶対に5回は出来なかったと思います。
おそらく160kgを超えたあたりから、しゃがみが浅くなったと思います。
この時の僕は160kgのバーベルを担いでしゃがむのが怖いと感じていたんです。

この時のピーキングを振り返ると、とにかく回数を多く挙げなければという意識が強すぎて、次第にしゃがみが浅くなって行ったのは間違いないと思います。
これが僕のピーキングの良くない点でした。


完全にしゃがむウォームアップをもっとしっかりやっていれば、このような結果にならなかったかも知れないです。

上の表を見ると155kgまでは8回こなせているので、それまでは換算最大筋力が順調に伸びています。
155kg8回で192kg相当です。
この辺りが当時の実力だったんでしょうか。
でも、信じられません。
155kgを8回挙げられる人間が、どうして170kgでちゃんとしゃがめなかったんでしょうか。
やっぱり怖がっていたんでしょうか。

3 ピーキングはボリュームが減っていく

ピーキングは週が進むとバーベルは重くなりますが、こなせる回数は減るので、ボリュームは減っていきます。
ボリュームとは、バーベルの重さと、あげた回数を掛け合わせたものです。
上の表を見ると、ボリュームは2240kgから始まって、350kgまで減っていきます。
なのでピーキングが進むと体力的には楽になっていきます。
試合に向けて体の疲れを取るという意味もあるそうですが、やってみた感想は楽をしすぎではないかというものでした。
ピーキングを始める前は、スクワットは大体合計30回ぐらいやっていました。
もちろんピーキング時よりも軽いバーベルでやっていましたが、合計30回ぐらいはやっていました。
なので、体が楽になるというより、トレーニングのボリューム不足でパワーダウンするのではないかという心配もありました。
この辺の判断はとても難しいですね。

ピーキング以前はスクワットとデッドリフトは別の日にやっていました。
スクワットはジムでやり、デッドリフトは自宅のバーベルでやっていました。
でもだんだん体が楽になっていくので、ある時からスクワットの後にデッドリフトをするようになりました。
果たしてこれは良い事なのでしょうか。

4 ピーキング以前のスクワットのトレーニング

2018年の7月から9月までのトレーニングで、スクワットはどういうメニューをこなしていたのか?
当時は100kgとか120kgという軽いバーベルも扱っていましたが、ここでは140kg以上のバーベルに絞って拾っていきたいと思います。
そうすると以下のようになりました。

  7月  5日 140kg6回、3回、150kg4回、3回
  7月17日 140kg5回、3回、150kg4回、3回、4回、3回、160kg2回、1回
  7月23日 140kg2回、150kg2回、160kg3回、4回、4回、4回、2回
  7月30日 140kg5回、2回、160kg2回、2回
  8月25日 140kg4回、2回、150kg3回
  9月13日 140kg3回、2回、3回
  9月20日 140kg6回、2回、6回、4回、4回、2回
  9月27日 140kg3回,4回、2回

これを見ると、まず驚くのは頻度の少なさです。
7月30日の次が8月25日というのは、ほぼ1ヶ月スクワットをしていなかったことになります。
これは避けたいことですが、毎年のことなんです。
僕は予備校講師をしているんですが、毎年夏は夏期講習があります。
普段より忙しくなるので、どうしてもトレーニングができなくなってしまうんです。
1ヶ月も間が空いてしまうのは嫌ですが、講習中にトレーニングをするというのはやっぱり体力的に無理です。
でも8月25日の後が9月13日ということは、トレーニングを一回休んでいますね。
おそらく家族旅行にでも行っていたんでしょう。

この内容を見る限り、試合で第一試技を170kgにしたのは完全に無謀だというのがわかります。
この表だけをもとに考えるならば、試合では140kg、150kg、160kgと挑戦するのが無難ではないでしょうか。
10月4日からピーキングを始めて、一応試合の日には170kgのバーベルを担いで、3本とも立ち上がったので、効果はあったと言えると思います。
7月の頃には160kgにも積極的に挑戦していて、力も強かったと思いますが、やっぱり夏期講習で1ヶ月ストップした事が大きく響いています。

5 やはり浅かったのでは?

7月から9月のトレーニングの内容を見てみると、ピーキングで170kgが5回挙がったというのは信じられなくなります。
挙げたのは事実ですが、試合だったら全て失敗と見なされるぐらい浅かったんでしょう。
実際当時も少し浅いかな?と思いながらやっていました。
あの当時の僕の認識では、大腿部が水平になればOKと認識していましたが、実際はそうではなく、膝関節よりも股関節が低くなり、大腿部が明確な下り勾配にならないと試合では成功と見なしてくれないんです。
なのにあの時の僕は水平にすらなってなくて、やや上り勾配だったにもかかわらず、試合では気をつければ大丈夫と自分に言い聞かせて、その浅いスクワットを続けていました。
認識がとても甘かったと思います。

170kgのバーベルでスクワットを5回やるとなると、今(2021年5月)の僕でギリギリです。
あの当時の僕にそんな力があったはずはないんです。

しゃがみがちょっと浅くなるだけで、随分とバーベルは軽くなるようですね。

あの当時のピーキングについては、自分がどんどん強くなるような興奮がありましたが、それはしゃがみが浅くなった事による、錯覚だったという事です。
ピーキングという手法自体の良し悪しを判断することは僕には出来ませんが、あの当時の僕は幸せな勘違いをしていて、試合会場で現実を突きつけられたという事だったんだと思います。
果たして今後の試合に向けて、ピーキングを再びやる日が来るのかどうかはわかりませんが、深くしゃがめなければ、立ち上がっても意味がないという事を肝に銘じて取り組んでいきたいと思います。
それは、ピーキングに限らず、普段のトレーニングにも言える事ですね。

ありがとうございました。

内部リンク「ピーキングの思い出2018

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