男の一人旅2日目。29年振りの田沢湖と八郎潟

男の一人旅

こんにちは、鹿野一郎です。
今日は2022年8月24日の火曜日です。
僕は昨日から男の一人旅第2弾で、秋田県の休暇村乳頭温泉郷に来ています。
今日は男の一人旅の2日目でした。

乳頭温泉郷は田沢湖高原にあり、とても涼しいです。
昼間の気温は22度ぐらいで、昨夜寝る時は少し寒かったぐらいです。
長袖を持ってこなかったのは失敗でした。
周囲をブナの森に囲まれて、とても良いところです。

宿の温泉には、乳頭温泉と田沢湖温泉の2つのお湯があります。
乳頭温泉のお湯は茶色く濁っています。
田沢湖温泉のお湯は白く濁っていて、どちらも硫黄の匂いが強いです。
あれだけ色と匂いがあると、温泉音痴の僕でも温泉に来たという実感が強く湧きました。

29年振りの田沢湖

今朝は6時に目が覚め、8時から朝食を取りました。
9時に出発して、まずは田沢湖に行きました。
田沢湖は日本で一番深い湖です。
深さは423mあります。
僕の家の近くには印旛沼がありますが、印旛沼の最大水深は2mなので、桁が2桁違います。

田沢湖には仲間2人と、29年前に訪れたことがあります。
水が青緑色で、人工的に着色しているのではないかと思うような色でした。
当時は、田沢湖の湖畔に田沢湖スイス村というテーマパークがありましたが、今はもうなくなっています。

29年前に田沢湖で撮った写真です。水が青緑でした。

今日は田沢湖の周囲を自転車で1周しようと思っていました。
周囲は20kmという事なので、距離は問題ないです。
問題はコースの高低差です。
アップダウンがないなら楽勝ですが、激しい高低差があるなら、年齢を理由にサボるつもりでした。

宿から田沢湖は本当に近くて、坂を下りていくだけでした。
宿は涼しかったですが、田沢湖まで降りてくると、ちょっと蒸し蒸ししました。
それだけ高低差があるんでしょう。
田沢湖の水は相変わらず綺麗でしたが、昔のような青緑色ではなく、透き通った青でした。
まずは車で周りを1周してみました。
走り始めてすぐに、「こりゃあ、自転車はダメだな。」と思いました。

まず第一に、道が細くて、歩道も中央線もないんです。
もちろん自転車専用レーンなんてないです。
あの道を自転車で走っていたら、車の邪魔になることは間違いありません。

そして第二に、周回道路は木に覆われていて、道路からはあまり湖がよく見えないんです。
見えたとしても、道路から湖面を見下ろす感じで、すぐ脇を走る感じにはなりません。

こんな感じの道が多かったです。

コースのアップダウンの前に、この2つの理由で田沢湖を自転車で1周するのは断念しました。
田沢湖の遊泳場の近くに車を止めて、浜まで降りてみましたが、泳いでいる人はいませんでした。
そこで体を焼こうと思っていたんですが、あまりにも誰もいないので、僕も断念して車に戻りました。

こういう道路ばかりだったら、自転車で走りたかったです。



さて、どうしたものか?
こうなったら足を伸ばして八郎潟まで行こうかと思いました。
ナビで調べてみると、片道120km、一般道で2時間半だそうです。
昨日の570kmのドライブで結構参っていたので、往復240kmのドライブには前向きにはなれませんでした。
でも、じゃあ何をするのかと言われたら、他にすることはないので、結局行く事にしました。

田沢湖の遊泳場です。水が本当に綺麗でした。

29年振りの八郎潟はすっかり変わっていました。

八郎潟というのは秋田県の男鹿半島付近にある日本最大の干拓ですが、最近の若い人は知らないんでしょうね。
おそらく学校で習わないんだと思います。
僕の娘は中学一年生ですが、排他的経済水域は知っているのに、八郎潟は知らないです。
職場で高校生に、「八郎潟で地平線が見えるんだよ。」と話しても、八郎潟を知らない様子でした。
僕が小学生だったのは昭和50年代の話ですが、今の時代の子供たちには、秋田県の巨大な干拓なんて知る必要もないのかも知れないです。
言われてみれば、僕も、何故八郎潟を干拓したのか、その理由はよく知らないです。
農地が必要なら、湖を埋め立てなくても、山を切り拓けば良いじゃないかと思いますが、おそらくそっちの方が大変なんでしょう。

調べてみたら八郎潟の周囲は35kmあるそうです。
田沢湖よりはるかに大きいですね。
日本最大の干拓地ですからね。
ちょっと調べてみたら、小規模な干拓は江戸時代から行われていたそうなんですが、本格的な工事は昭和32年に始まり、20年かけて完成したそうです。
僕は小学校4年生か5年生ぐらいで八郎潟を習ったと思いますが、それは昭和52年か53年なので、当時としては日本最大の干拓地が完成したばかりだったんですね。
だから小学生が社会で八郎潟を習ったんですね。
でも、今となってはもう、そんな事はどうでも良いので、今時の若者はそんな事は習わないのでしょう。

またしてもちょっと調べてみたら、山手線の線路の長さは20.6kmだそうです。
ということは、山手線の内側にちょうど田沢湖が入るんですね。
八郎潟はその3倍の面積がある干拓地です。

29年前に、26歳だったときに訪れた時は、その巨大な干拓地がほとんどすべて水田で、地平線がはっきり見えていました。
八郎潟で地平線が見えたのは、当時は信じられませんでした。
そこで、地平線までの距離は一体どのくらいなのだろうと思って計算してみました。
地球を半径6400kmの球体として、視点の高さが地面から2mの場合を計算してみました。
すると、計算結果は驚く値でした。

正解を発表するのはもう少し後にしますね。
僕は予備校で物理を教えているんですが、ニュートンリングという装置で2つの反射波の経路差を計算する時の計算と似た計算で導けるので、授業中にもこの話はします。
地球の半径を6400kmとして、視点が地上2mの場合、地平線までの距離はいくらだと思う?と生徒に尋ねると、100km、1000km、10000kmというような返事が返ってきます。
半径が6400kmなのに、地平線までの距離が10000kmというのは、どういうイメージなんでしょうか?
正解は、5kmです。

計算はとても簡単で、三平方の定理だけで計算できます。
地球の半径をRとし、地面から視点までの高さをhとします。
そして目の位置から地平線までの距離をxとすると、地球の中心、人間の視点、地平線の位置をつないで直角3角形が作図できます。
斜辺の長さは、R+hで、残る2辺の長さはRとxです。
この3つの辺の長さの間には、3平方の定理により、(R+h)^2=R^2+x^2 という関係が成り立ちます。
左辺を展開すると、R^2+2Rh+h^2=R^2+x^2 となります。
両辺からR^2を取り去ると、2Rh+h^2=x^2です。
h^2は2Rhと比べると無視できる程小さいので、無視します。
そして平方根を取ると、x=ルート(2Rh)となります。
これに数値を代入して計算すると、およそ5kmになるんです。

八郎潟で地平線が見えたというのに、その写真がなかったので、今日はばっちり撮ってこようと意気込んでいました。
まずは、八郎潟駅に行きました。

そういう駅があることは知りませんでした。
秋田や青森に行けるようです。
ダイヤは1時間に1、2本でした。

八郎潟駅は、八郎潟の外にあります。
最初はそこに車を止めて、そこから自転車で八郎潟に行こうと思っていたんですが、あまりにも遠いので、車で行く事にしました。


陸地から、橋を渡って、八郎潟に入ります。
八郎潟は、琵琶湖の次に大きかった湖を埋め立てて、作られました。
でも、完全には埋め立てないで、湖はドーナツ状に残っています。
僕の記憶では29年前はドーナツ状に湖があったと思います。
でも、今は日本海側は陸続きになっているようです。
今日は、八郎潟の東側から橋を渡って八郎潟に入りました。

八郎潟は僕の記憶と違っていて、道路の両側には高い木がびっしり生えていました。

八郎潟の中です。記憶と全く違います。

これでは地平線どころか、田んぼすら見えないです。
どこまで行っても道は気に挟まれていて、田んぼも地平線も見えません。

鹿野一郎
鹿野一郎

そんなバカな!

という思いでした。
昔はこの木立はなかったはずです。
一面水田だったはずです。

では、どうして今のような姿になったんでしょうか。
勝手に生えたとは思えないので、人間が意図的に植えたんでしょう。
何か目的があってやっているんだと思いますが、個人的には昔の八郎潟の方が好きです。
今日の八郎潟はちょっとがっかりでした。

八郎潟には、標高0メートルの日本で一番低い山があるんですが、そこに車を止めて、自転車で10kmほど中を走りました。

自転車で、車では入れないところまで入っていくと、広い土地が見えるようになりました。

車では入れない道に、自転車で入りました。砂利道で、自電車でもかなりガタガタでした。

でも、この感じだと、もう来年からは、授業中に「八郎潟で地平線が見える」とは言えないです。
どうやら過去の話になってしまったようです。

その後、車に戻って、車で八郎潟の中を一応、一通り走ってみましたが、やっぱりとてつもなく巨大ですね。
おそらく八郎潟には信号が1つもないと思います。
今日、交差点は5つぐらい通りましたが、信号はありませんでした。
強いていうなら、八郎潟の日本海側の道路には信号がありました。
でもあそこはもう八郎潟の外なのではないかと思います。
その信号がある通りには、道路に平行に電線が張ってありましたが、それ以外の場所では電線すら見ませんでした。
僕の勝手な推理では、電気がないから信号がないのではないかと思っています。

八郎潟には大潟村という村があり、人が住んでいます。
大部分が水田なので、人口は少ないと思いますが、ちょっと調べてみたら、大潟村の人口は2900人だそうです。
あの面積でその人数とは、すごいです。
僕は千葉県佐倉市に住んでいますが、僕が住んでいる街と比べても、おそらく人口密度は100分の1ぐらいだと思います。
で、その2900人の方々は電気のない暮らしをしているのでしょうか?
どうやらそうではないようです。
詳しいことはわかりませんが、電気はあるようです。

八郎潟には大きな鳥が結構たくさんいました。
鳥の名前はわからないです。
鷹や鷲ではなかったと思いますが、かなり大きい鳥です。
あれだけ自然が豊富なら、餌となる小動物はいくらでもいるんでしょうね。
ものすごく自然環境が豊富だと思いました。
電線がない道路を見て、ふと北海道のサロベツ平原を思い出しました。
行ったことはないですが、手付かずの自然が広範囲に渡って残っているそうです。
毎年行っている人から聞いた話では、見渡す限り電線がなく、道路以外の人造物がないそうです。
いつかは行ってみたいと思っているんですが、遠くてなかなかチャンスがないです。
サロベツ平原は北海度の北西部にあります。
楽をして行くなら、飛行機で稚内まで飛んで、そこでレンタカーを借りるのが良いですが、それは男の一人旅のポリシーに反するので、行くなら自宅からマイカーで行きます。
今回、秋田まで来るのにこんなにへばっているんですから、サロベツ平原まで行くとなると、少なくても1週間、長ければ10日ぐらいの休みが必要だと思います。
休みは取れても、妻の許可が取れないと思います。
永遠の憧れで終わるかも知れないです。

日本海側の風力発電の風車たち

八郎潟を出て男鹿半島を目指そうと思いましたが、男鹿半島の先端まで行ってしまうと、夕飯までに宿に戻れなくなる事がわかったので、断念してそのまま帰りました。
ナビの言う通りに帰ると、日本海沿いの道路を走る事になりました。
すると、多数の風力発電の風車が回っていました。
大中小、さまざまな大きさの風車がものすごい数回っていました。

千葉県でも銚子の方に行くと、巨大な風車が10基ぐらい(ちゃんと数えていません)回っています。
春に鳥取県に行った時も、日本海側では巨大な風車が多数回っていました。
でも、秋田県の風車の数はレベルが違います。
数えていませんが、おそらく50基以上あると思います。
大中小の風車が多数、異なる周期でくるくる回るのをみていると、天空の城ラピュタのプロペラを連想させられました。
このまま秋田県が飛んでいくのか?というぐらいすごい迫力でした。

道路の右側はすぐ日本海です。

少し行くと、なまはげの巨大なオブジェが立っているところがありました。
オブジェというより、人形というべきなのでしょうか?
おそらくガンダム(身長18m)と同じぐらいの巨大ななまはげ像が2つ立っていました。
時間があったら絶対に寄りたい場所でしたが、時間がなかったので、泣く泣く素通りしました。

写真は撮れませんでしたが、「なまはげ立像」で検索すればすぐに出てきます。
身長は15mだそうです。
時間があれば、寄りたかったです。

帰りの運転は眠くて仕方なかったです。
昨日のドライブの疲れが抜けていないようです。

明日は八幡平に行こうと思っています。


今日はこんなところです。
ありがとうございました。

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