こんにちは。鹿野一郎です。
高校二年生だった僕は友達の勧めで、ポリアレイを買いましたが、重さ6kgではすぐに物足りなくなりました。
そして大学一年生の時、とうとう本物のダンベルを手に入れました。
昭和62年(1987年)10月16日、船橋の西武デパートの10階のスポーツ用品売り場へ買いに行きました。
売り場にはいろいろな重さのプレートが売っていましたが、何kgのものを買えば良いのかわからなかったので、適当に買いました。
この時に買ったのはNIPPYOというメーカーのダンベルです。
僕は大学受験で浪人した時から日記をつけているのですが、当時の日記を読み返してみると、ダンベルバー(2.5kg)1本、プレートは2kg、3kgをそれぞれ2枚ずつ買ったと書いてあります。つまり、合計重量は12.5kgです。
なんでこの時買ったプレートの重さを覚えていないかいうと、この後も同じ店に何回か行って、プレートやバーを追加で買っているからです。
なので最初にどれを買ったかはわからなくなっていました。
この時に買ったプレートは今でも全て家にあります。
下の写真は2021年3月に撮ったものです。
プレートは昭和62年に買ったものですが、ダンベルバーは当時のものではなく、さらに後になって買った別のものです。
最初に買ったバーはすぐに手の油で汚くよごれてしまったので、数年後に捨ててしまいました。
きっと昔のバーは表面加工がされていない、剥き出しの鉄だったのだと思います。
通常ダンベルは2セット同時に買うものですが、この時はダンベルを1セットしか買いませんでした。
お金がなかったからか、知識がなかったから、それは覚えていません。
ダンベルバーの値段は覚えていませんが、プレートの値段ははっきり覚えています。
プレートの値段は1kgあたり800円でした。
なので3kg、2kgを2枚ずつ買えば、8000円です。
当時の僕にとっては大変高価な買い物でした。
今の時代ならば、半分以下の値段で買えますが、当時は高かったんですね。
大変だったのはその後です。
12.5kgのダンベルが入っているダンボールを持って、電車で家に帰るんですよ。
まず、店頭からJR船橋駅(確かこの年に国鉄は分割民営化され、国鉄船橋駅がJR船橋駅に変わったと思います)まで運ぶのが大変でした。
ダンベルの入った段ボールを手で持って運ぶのですが、20m歩いたら休憩するという具合でした。
当時の日記には以下のように書いてあります。
今日、船橋西武でダンベルを買った。重さは12.5kgだ。かなり重く、家に持って帰るのが大変だった。
すぐに手が痛くなって片方の手で長時間は持っていられなかったのだ。
さらに雨が降っていたために余計に面倒だった。
(最寄り駅)から家までは肩にかついで持って来た。
途中で箱が壊れて3kgのプレートが転げ落ちたため、傷が付いてしまった。
家に着いて試しに使って見ると、なるほどいい重さだった。
鍛えがいがある。これで重さ5kgのポリアレイとはおさらばだ。ポリアレイは(弟)にくれてやった。
この文章を書いているのは2021年3月ですが、上の日記(34年前のもの)を読み返して驚きました。
買いに行った日が雨だったとは思ってもいませんでした。
実家から最寄り駅までは1500mも離れているのに、わざわざ雨の日に、傘をさして徒歩で駅まで行ったというのは信じられないです。
晴れの日に自転車を使えば、はるかに楽に持ち帰れたでしょう。
さらに、段ボールが壊れて3kgのプレートが飛び出したというのも全く覚えていませんでした。
今、その3kgのプレートを見ても、どれがその時の傷なのか全くわかりません。
長い事使っているので、傷だらけになっているのです。
当日の話を続けましょう。
家に着くと、母と弟が驚きました。
二人とも、人生で初めて本物のダンベルを見たからです。
特に高校生の弟が大喜びをして、使わせてくれとうるさかったです。
二人で取り合ってトレーニングをしたものでした。
そう、あの時代(昭和62年)は、ダンベルやバーベルが珍しかったのです。
今ではそこら中にジムがあり、ジムに行けばパワーラックやバーベル、ダンベルがいくらでもありますが、当時はジムなどなかったのです。
なんと言っても、体育の授業でうさぎ跳びをしていた時代ですからね(笑)。
当時と比べると今は、機材を買うのが簡単で良いですね。
インターネットで注文すると、自宅に届くなんて、当時の感覚ではSFの世界です。
また、ダンベルも進化しており、ピンの抜き差しやダイヤルの回転で瞬時に重量変更できるものも出回っています。
もしかしたら、今から10年後、20年後にはもっと便利なダンベルが出回っているかも知れませんね。
最後に、船橋西武は2018年2月28日に営業を停止し、閉鎖されました。
2021年現在、まだ建物は残っていますが、中は空っぽです。
また、メーカーのNIPPYOも随分前に無くなってしまいました。
僕が最初に買ったダンベルを作ったメーカーも、ダンベルを買った店も今は存在しません。
少し寂しいです。
ありがとうございました。
僕のダンベル その3へつづく