こんにちは。鹿野一郎です。
僕は昭和62年、大学一年生の時に初めてダンベルを買いました。
船橋西武のスポーツ用品店で、2.5kgのダンベルバー1本とプレートは2kg、3kgを2枚ずつ買いました。
しかし、知識のある人ならば、このような買い方はしなかったと思います。
例えば1kg、2kg、4kgを買えばもっと合理的に使う事ができたのです。
つまり、こういうことです。
1=1
2=2
3=2+1
4=4
5=4+1
6=4+2
7=4+2+1
片側にこのようにプレートを付ければ、バーが2.5kgなので、2.5kgから16.5kgまで、2kg刻みに8段階も重量設定ができるのです。
2021年3月現在、2kgとか3kgというプレートは探してもなかなか見つかりません。
よく見るのは2.5kgのプレートです。いつの頃からか、プレートの重さは1.25kg、2.5kg、5kgが主流になりました。
なので、僕が持っている2kg、3kgのプレートは、今では珍しいものになりました。
これからダンベルを買う人は、プレートの重さの比が1:2:4になるように考えなくても、1.25kg、2.5kg、5kgを一枚ずつ買えば、自動的にその比率になるのです。
ダンベルは通常2セット使うので、バーは2本、プレートは1.25kg、2.5kg、5kgを4枚ずつ買えば良いでしょう。
こうすれば2.5kgから20kgまで、2.5kg刻みに8段階の重量設定ができます。
20kgで重さが足りなくなったら、5kgのプレートを4枚買い足せば、最大で30kgのダンベルが2個できます。
これでも重量が足りなくなったら、いよいよバーベルシャフトを買って、20kgとか15kgのプレートを買うと良いと思います。
このようなプレートの買い方は、チャック・ウィルソンの「トレーニングバイブル」という本で知りました。
この本は大学一年生の時に、船橋東武の5階の本屋で買ったものですが、当時の僕にはとても為になりました。
ウエイトトレーニングについて、なんの知識もなかったのですから、全てが新鮮でした。
チャック・ウィルソンと言っても若い人は知らないと思いますので、少し説明します。
この人は、外人タレントで、僕が高校生だった頃(昭和58年から60年頃)、テレビのバラエティー番組で活躍していました。
「世界丸ごとHOWマッチ」「ザ・ベストテン」などに出演していたのを覚えています。
ある日、弟から聞かされたのですが、正月の特別番組で、チャック・ウィルソンが現役の力士と腕相撲をして勝ったそうです。
ただのタレントが力士に勝つなんて信じられませんでした。
そしてある日、本屋でチャック・ウィルソンの「トレーニング・バイブル」を見つけたのです。
その表紙の写真を見て、自分の目を疑いました。
あの人がこんな体をしているとは思わなかったからです。
そして、あまりの驚きにその本を買ったのでした。
当時は全く知りませんでしたが、チャック・ウィルソンはベンチプレスで200kg!の日本記録を8年間持っていたそうです。
僕は「トレーニングバイブル」からウエイトトレーニングの基礎を学びました。
それまでは、疲れる果てるまでトレーニングをすれば筋肉がつくと思っていました。
腕立て伏せや腹筋運動を無限に繰り返し、地平線までうさぎ跳びをすれば強靭な体が作られると思っていました。
しかし、この本には最大筋力の7割程度の重さで、10回3セットを目安にトレーニングせよと書いてありました。
「そんなにちょっとで良いの?嘘でしょ!」と思いました。
これは、昭和62年当時では、本当に驚くべき情報でした。
僕が社会人になった20代の後半、つまり、もう平成の世になっていましたが、その時にこんな事がありました。
職場の同僚がウエイトトレーニングを始めたのですが、ジムでバタフライのマシーンを15分間連続でやり続けて死んだと言っていました。
その同僚から、僕が何分ぐらいやっているのかを聞かれたので、10回3セットと答えました。
その同僚は、目玉がこぼれそうなほど目を丸くして驚いていました。
そのぐらいに、当時は回数を多くやれば筋肉がつくと思われていたのです。
今の時代では10回3セットなんていう話は誰でも知っているし、さらにトレーニングの分割法までよく知られていますよね。
筋トレをしない職場の同僚から、「トレーニングっていうのは、曜日ごとに鍛える部位を決めて、分けてやるんですよね。」と言われることもあります。
個人的には分割法というのはボディービル、フィジークやパワーリフティングの中級者以上の人がやるものだと思っています。
全くトレーニングをしない人の口から分割法という言葉を聞くと、なんか違和感を感じてしまいます。
今は昔と逆で、トレーニングの知識が必要ないぐらいに世の中に広く浸透しているように思います。
話は昭和62年に戻ります。
ダンベルと「トレーニング・バイブル」を手に入れた僕は次々とトレーニングの知識を吸収し、トレーニングの幅を広げて行きました。
この本で、超回復理論も覚えました。今では時代遅れの理論となっていますが、当時はとても刺激的で新鮮でした。
トレーニングを毎日やるのは逆効果と言われても信じられなかったです。
念のために断っておきますが、トレーニングの理論は年々改善されていて、これからも変わっていく可能性があります。
「トレーニング・バイブル」に書かれているのは昔の理論です。
カール、トライセップ・キック・バック、ショルダープレス、サイドレイズなどの種目も覚えました。
どの種目でどこの筋肉が鍛えられるのか、筋肉の名称とともに覚えました。
その時に、「腹筋」は、正しくは「腹直筋」であり、「背筋」は「脊柱起立筋」であることも覚えました。
僕にとって、この本との出会いが、ウエイトトレーニングの夜明けになったのです。
ありがとうございました。
僕のダンベル その4へつづく