こんにちは、鹿野一郎です。
今日は2022年1月2日の日曜日です。
僕は、昨年の12月28日に6年生の娘に初めて平手打ちをしました。
内部リンク「昨夜、6年生の娘に初めて平手打ちをしました。」
あの場面でビンタを喰らわせた事については悪いとは思っていませんが、手加減しなかったことは後悔しており、年末までもやもやした気分を抱えていました。
今回は、そのビンタから、幕引きまでの過程を簡単にまとめたいと思います。
12月28日から12月30日まで
28日の夜10時頃、僕は手加減なしのフルスイングのビンタを娘に喰らわせました。
もちろん、初めてのことです。
娘の態度があまにも酷く、口で言っても効き目が全くないので、とうとう手を出してしまいました。
僕は父からは少なく見積もっても200発以上ゲンコツを喰らって成長して来ました。
小学校の先生からは400発はゲンコツを喰らいました。
でも、父や先生を恨んではいません。
僕が落ち着きのない悪ガキだったのがいけなかったんだと理解しています。
でも、今は昭和ではなく令和なので、娘に手を上げることはしたくありませんでした。
おそらく職場の友達に聞いても、自分の子供にビンタをした人などいないと思います。
28日の夜、ビンタを喰らった後、娘は自分の部屋で長いこと泣いていました。
そして、そのまま眠りについたようです。
翌日の29日は僕は6時半に起きて、8時半には仕事に出掛けました。
娘も妻もまだ寝ていたので、朝は会っていません。
夜は8時過ぎに帰宅しましたが、娘とは廊下ですれ違っただけです。
その時にギロリとにらまれましたが、お互いに何も声はかけませんでした。
妻によると、この日は娘はどこにも出掛けないで、ずっと家にいたそうです。
昼間、ウサギちゃんのお母さんから電話がかかってきて、
昨夜はうちの娘が大変失礼しました。
と、平謝りだったそうです。
29日の夜に帰宅すると、ダイニングにカップケーキがありました。
これは何かと妻に尋ねると、娘が作ったと言います。
なんのために?誰のために?
全く不思議でした。
30日は朝も夜も僕は娘と会いませんでした。
そして30日も娘は外出せず、ずっと家にいたそうです。
妻は、さすがに悪いことをしたと反省したのではないか?と言います。
果たしてそうなんでしょうか?
ビンタされて反省するなら、まだいいです。
でもビンタされて恨みを買うだけの可能性もあると思います。
30日の夜に仕事を終えて帰宅すると、カップケーキは半分減っていて、冷蔵庫に入っていました。
妻は、パパのために作ったんじゃないの?と言います。
事の真偽は分かりませんが、おなかが空いていたので、とりあえず1つ食べることにしました。
12月31日の大晦日
そして31日の大晦日、この日から仕事が休みなので、どうしても娘と顔を合わせる事になります。
僕は10時に目覚めました。
妻と娘はもうとっくに起きているようです。
いつもならば起きてすぐに朝食にするところですが、僕は愛犬の散歩に行くことにしました。
朝食の準備は珍しく妻がしてくれていましたが、僕は食卓には着かずに愛犬とともに外に出ました。
1時間ほど歩いて家に戻ると、2人はとうに朝食を済ませていました。
食事の後は、大掃除を始めました。
まずは書斎の片づけから初めて、筋トレをしながら同時並行で、大掃除をしました。
妻は下で掃除機をかけたり、脚立に乗って普段は掃除しないドア枠などを拭き取っていました。
それを見て娘も大掃除を始めました。
自分の布団をベランダに干し、部屋に敷いてあるマットを洗濯して、干しました。
それから不要な物を次々に捨て、掃除機をかけていたようです。
午後2時、妻が大晦日の買い出しに行くと言うので、僕は筋トレと大掃除を切り上げて家を出る仕度をしました。
買い物には妻と2人で行きました。
その時に妻から明日はどうするつもりなのか?と聞かれました。
1月1日の元日は、もともとは家族3人で実家に行く予定でしたが、最近は妻と娘が冷戦中で、とても一緒に行かれる雰囲気ではないので、僕と娘の2人で行くことになっていました。
でも、28日のビンタの件があったので、娘も連れて行く訳には行かなくなりました。
なので、僕は1人で実家に帰るつもりでいました。
妻にそのように話すと、さすがにそれはないんじゃないかと言います。
おそらく娘の方から明日はどうするのか?と聞いてくるんじゃないかと言います。
娘にしてみれば、このままいつまでもパパと口をきかない訳にも行かないだろうから、どこかで必ず落とし所を探ってくるだろうと言います。
明日のお正月はおばあちゃんの家に行くの?と切り出してくるのではないかと言っていました。
そうやって聞かれたらどうするの?
と問われましたが、そういう質問は、実際にその時になってみないとわかりません。
言い方によってどっちにでも転ぶ可能性があるので、答えようがない質問でした。
帰宅すると、夕方の愛犬の散歩には妻が行ってくれるというので、僕は書斎に引っ込んで、バーベルブログの投稿を書くことにしました。
すでに暗くなり始めていました。
もりもり文章を書いていると、扉の下から一枚の紙がスーッと入って来ました。
それには、「明日はどうするのか。」と書いてありました。
なるほど、こういう手があったのか、と感心しながら、僕は同じ紙に次のように書いて、娘の部屋のドアの下から部屋の中に送りました。
「トンボ(娘の仮名)はどうしたいのか。トンボが行かないならパパは一人で行く。」
そしてしばらくするとまた同じ紙にメッセージが書かれて、ドアの下から入って来ました。
では行くとするが、おこっているのではないか。
少しね。
ではトンボと同じだな。
これで終りかと思ったら、次はまた結構びっしりと文章が書かれ別の紙がドアの下から入って来ました。
それには以下のような事が書いてありました。
この紙は娘が持っているので、僕は記憶を頼りに再現します。
今回、パパは何に対して腹を立てているのか。
家のお金を盗ったことなのか、ママを殴ったことなのか、夜遅くまで電話をしていたことなのか。
トンボとしては、お金の件とママを殴った件は解決済みだと思っている。
夜遅くまで電話をしていたことは悪いと思っているが、パパはトンボを本気でぶったことを反省しているのか。
普段、喋る時は普通の言葉遣いで喋るんですが、この手紙でのやり取りの時は、こういう感じの文体でした。
これに対して僕は以下のように返事をしました。
あそこでビンタをした事は悪いと思っていないけど、手加減しなかったことは後悔しているよ。
夜遅くまで電話していることに腹を立てているけど、ショッピングモールでたむろしている事にも腹を立てている。
そして、これに対する娘の返事は以下の通りでした。
たむろというのはどういう意味かわからなかったので、辞書で調べた。
特定の場所で大人数で目的もなく集まり、時間を潰すことと書いてあったが、意味はあっているか。
ショッピングモールに友達と行っていたのは3ヶ月も前のことだし、最高でも3人でしか行っていない。
しかもちゃんと買い物をしに行っているので、目的はあった。
なるほど、ショッピングモールには最近は行っていないようです。
でも、これは良い機会だから、僕が娘に言いたいことをはっきりと伝えようと思いました。
そして以下のようなメッセージを送りました。
今回、トンボは完全に失敗した。
何も問題を起こさずにおとなしくしていれば中学入学と同時にiPhoneも手に入るはずだったのに、それも自分でダメにした。
今も状況では卒業式でハカマを着るのも絶望的だ。
自分の願望を実現するために、どうしたら良いのか、もっと頭を使って考えるべきだ。
幼稚園生がダダをこねれば、親はいうことを聞いてくれるかも知れないけど、もう6年生なんだからダダをこねたって無駄だ。
それよりも、いくらでもママを手伝うチャンスがあったんじゃないのか?
例えば夕飯の仕度を手伝うとか、部屋に掃除機をかけるとか、玄関を掃除するとか。
普段から率先してそういう事をしてくれるなら、ママだってハカマの事を前向きに考えてくれたかも知れない。
トンボは自分の軽率な行動で、すべて自分の願望を潰してしまっているんだ。
そのことに気がつくべきだ。
僕はこのメッセージを送る時、どういう反応が返ってくるのか少し楽しみでした。
自分が間違っていた。今後は少しは考えるという内容の物が返ってくると思っていたんですが、全く予想もしなかった内容だったので、驚きました。
娘の返事は以下のようなものでした。
ママの手伝いというのは、夕飯を一緒に作るということか?
うちの台所は狭いから2人で作ると邪魔になるだけなので、それはしないようにしている。
でも、休みの日は全員の朝ご飯を作っている。
普段、お風呂を掃除して沸かしているのもトンボだし、ヨコちゃん(わが家のセキセイインコ)の鳥カゴの掃除とエサの補充もしているのもトンボだ。
土曜日と日曜日はクルル(わが家の愛犬)の散歩にも行っている。
自分としては結構やっているつもりだ。
どうせママもパパも見ていないし、気付いていないと思うけど。
なるほど、言われてみれば娘は随分と家の手伝いはしてくれています。
普段、娘がお風呂を掃除してお風呂を沸かしているというのは、僕は知りませんでした。
僕は仕事で家を空けているからです。
僕が休みに日は僕がお風呂の掃除とお風呂沸かしをしていますが、平日は娘がやってくれていたようです。
それと、ヨコちゃんの世話も確かに毎晩やってくれています。
僕は全くやったことがないです。
妻からは、もっと早い時間帯にやって欲しいと言われているようですが、毎日必ずちゃんとやってくれています。
そして休みの日は朝食を作ってくれます。
土日祝日だけでなく、夏休みや冬休みも朝食の準備をしてくれます。
確かに、かなりやってくれているようです。
では、この事について妻は感謝しているんでしょうか?
おそらくしていないと思います。
それは、僕も妻から感謝されていないからです。
僕は平日は6時に起きて朝食を作り、洗濯をして、洗濯物を干し、愛犬の散歩に行きます。
そして、たまにですが2階の部屋の掃除機かけ、布団干し、トイレ掃除、洗面所の掃除をしています。
土日祝日は僕が昼ご飯を作り、お風呂の掃除をしてお風呂を沸かします。
職場の友達にその話をすると、「それじゃあ、奥さんから感謝されるでしょう?」と言われます。
そんなことは全くないと答えると、「奥さん働いているの?」と聞かれます。
「専業主婦ですよ。」と答えると、みんな驚きます。
これと同じ構図がここにもあったんです。
確かに僕は気付いていませんでした。
娘が随分と家事を手伝ってくれている事を。
そして、どうせママとパパは気付いていないだろうとまで書いてありました。
なるほど、娘としては出来る限りの事はして、自分の願望を実現できるように働きかけていたんです。
でも、妻と僕は娘のそういう所には鈍感で気付かず、娘がショッピングモールでたむろしているとか、夜の電話が遅いという所にとても敏感で、やたらめったら怒ってくる、という事なんでしょう。
娘にしてみれば、怒る前にまずは日頃の家事手伝いを感謝しろ!という事なのかも知れないです。
良いことをしても気付かない、または当然と受け流され、ちょっと悪いことをしたら猛烈に怒られるのでは割が合わないと思ったのかも知れないです。
それでも親に暴力を振るうのは絶対にダメですが、娘にしてみれば、我慢に我慢を重ねた末の爆発だったのかも知れないです。
僕は娘のそのメッセージを受け取って、なんて返事を書こうかと考えました。
特に良いアイデアも浮かばなかったので、「ならばせめて、ママに対する反抗的な態度はやめるんだな。」と書いて送りました。
それでメッセージのやり取りは終りました。
夜は娘と2人で紅白歌合戦を見ました。
娘は初めて11時45分の放送終了まで起きていることが出来ました。
今回の紅白歌合戦は面白かったと思いました。
お笑い芸人が1人も出ず、演歌歌手が歌う時に背景に若手の芸能人やダンサーがうじゃうじゃ出てくることもなく、とても基本に忠実な歌合戦だったと思います。
ただ、会場の審査員が全員白組の勝ちと判断したのに、会場のお客さんや視聴者の判断で紅組が買ったのはおかしいと思いました。
あれでは審査員の意味がないですね。
なにはともあれ、大晦日のこの手紙のやり取りで、幕引きとなりました。
手紙だと、面と向かって話すより、感情的にならず、冷静に意見交換が出来るので、とても良いと思います。
お風呂から手紙へ、新しいコミュニケーションの形
娘がまだ小さかった頃、僕と娘が腹を割って話せる場はお風呂でした。
娘は小さい頃から友達との間でいくつかの問題を起こしました。
すると妻は娘のことを猛烈に叱りつけます。
あまりにも凄い剣幕で、娘の言い分など聞きません。
なので、毎回、僕が娘と一緒にお風呂に入る時に、細かい話を全て聞きだしていました。
事実関係や、何故そうしたのか、他に方法はなかったのか、などです。
あれはとても重要なコミュニケーションの場でしたが、娘が6年生になった時からお風呂は別々になりました。
まあ、当然の流れです。
僕自身も娘が4年生になったあたりから目のやり場に困るようになり、努めて娘の顔ばかり見るようにしていました。
娘とお風呂に入る機会が失われたせいで、娘と本音できっちりと話が出来る場所はなくなりました。
娘は最近はソファーでゲームをしているばかりで、話しかけられる状況ではありません。
もし、今でもお風呂コミュニケーションが続いていれば、娘が妻に暴力を振るう事も未然に防げたかも知れないです。
あのようなお互いに正直になれる、第三者の干渉がないコミュニケーションの場はもうないのかと思っていたら、ドアの下から手紙が顔を出したんです。
うまいことを考えたと思います。
これならば、今後もずっと続けることが出来ます。
妻の気持ち
妻には大晦日の晩に、娘との一連のやりとりをすべて話しました。
妻は「面白い!」と言って笑っていましたが、一通り話した後で、次のように言いました。
ママを殴ったことは解決済みと言われても、こっちはそんなにすぐには「はい、そうですか。」と忘れることは出来ない。
もちろん、ずっと許さないつもりでいる訳じゃないし、いつかは許すと思うけど、まだ心の傷はいえていない。
なのに「もう解決済み」なんて言って欲しくない。
そのことははっきりとトンボに伝えておいて。
まったくその通りだと思いました。
今回の反省
今回、僕は娘に痛烈なビンタを喰らわせました。
その一発で娘がふらふら出歩くのは止まり、夜遅くまで友達と電話で話をすることもなくなりました。
でも、あの一発を喰らわせる前に、もっと娘と話し合うべきでした。
今回の手紙のやり取りでそれを痛切に感じました。
僕は娘の事はちゃんと見ているつもりでしたが、いつの間にか妻の側に立って、その角度からしか見ていませんでした。
自分は中立で公平だと思っていましたが、違っていました。
もっと娘ときちんと話をするべきでした。
今回は娘の方から手紙を寄越してきたので、救われました。
僕にはああいうアイデアは浮かびませんでした。
娘は今、反抗期まっさかりです。
これからもしばらくは続くと思います。
中学にあがって、終ってくれたら売れしいですが、もっと続く可能性もあります。
大変ですが、このぐらい手応えがあった方が子育ては面白いと思うようにします。
いつかはちゃんと立派な大人になってくれると信じて、今のこの騒ぎに向き合って行きたいと思います。
家族が皆健康で、元気に笑うことが出来なかったら、僕も楽しんでバーベルを挙げる事が出来ませんからね。
どうか、今年が良い年になるように、頑張って行きたいと思います。
ありがとうございました。