フロアプレスについての個人的な意見です

自分のバーベル バーベル

こんにちは、鹿野一郎です。
僕は家にバーベルを持っています。
バーベルシャフトはマーシャルワールド製で160cm、28mm、9kgです。2016年の3月に買いました。
これを買う前にはダンベルで体を鍛えていました。
それまでに持っていたプレートは15kg4枚(ALEX製)、7.5kg2枚、5kg4枚、3kg2枚、2kg2枚、1kg2枚(NIPPYO製)でした。
今はさらにボディーメーカーのハンマートーンプレート20kg4枚を持っています。

バーベルシャフトを買ったことによって、自宅でフロアプレスをするようになりました。
フロアプレスという言葉は普通の人は知らないと思います。
やる必要がないからです。
ベンチプレスと違って床に寝転んでバーベルを押し上げるんですが、ジムでこんなことをする人はいません。
自宅でやるならわかりますが、ジムではまずやらないでしょう。
また、自宅にバーベルがある人もなかなかいないと思います。
なので、初めの頃はフロアプレスという言葉を使うのがとても恥ずかしかったです。

パワーリフティングの試合に出るようになり、知り合った人からチームに入れてもらい、チームの合同練習会・懇親会に行った時、普段はどうやって鍛えているんですか?と聞かれて、

鹿野一郎
鹿野一郎

床に寝転んでベンチプレスをしています。

と答えました。
すると、「ああ、フロアプレスですね。」という反応が返って来たので驚きました。
さすがパワーリフターです!
フロアプレスを知っているんですね。
僕はフロアプレスという名称はインターネットで知りました。
そしてもう5年以上自宅でフロアプレスをしています。

僕のNIPPYOのプレート達です。

フロアプレスについてもっと詳しく知ろうと思って、今日はツイッターでフロアプレスというキーワードで検索してみました。
するとどんどん出て来ます。
多くの動画や画像を見て、次第に疑問が発生しました。
フロアプレスにはフロアプレスのメリットがあると思うんですが、僕の考えは多くの人々とは違うようです。
そこで、今日は僕の個人的な見解を述べさせてもらいたいと思います。

フロアプレスとパワーラック

フロアプレスというのは、ベンチの上ではなく床に寝転んで、ベンチプレスの要領でバーベルを押し上げる種目です。
余程胸板が厚い人でない限り、バーベルシャフトが胸に着く前に肘が床につきます。
そのため、ベンチプレスに比べると可動域が狭くなります。
これはベンチプレスの強化を目指す上では大きな欠点です。
でもフロアプレスにはいくつかの利点があるのも事実です。
まず、セーフティーバーが必要ありません。
例え潰れても、シャフトが喉に当たることはあり得ないからです。
次に、バーベルさえあれば自宅で出来ます。
もちろん、本物のベンチプレスの方が良いに決まっていますが、毎日ジムに行けない人で、自宅にバーベルがある人は、自宅でフロアプレスをすることには一定の意味があると思います。

僕のバーベルです。ALEXの15kgを4枚つけています。

僕の認識としては、フロアプレスはあくまでもベンチプレスの補助であり、トレーニングの効果ではベンチプレスには及ばないと思っています。
でも、ツイッターで見た人々のフロアプレスは少々違うように見えました。

まずはパワーラックを使っていることです。
フロアプレスをする時に一番困るのは、どうやってバーベルをスタートポジションに持っていくか、です。
僕の場合はジムでベンチプレスをするとき、ベンチの高さが42cmで、バーベルを支えているラックの高さが床から87cmです。
なので、ベンチからラックまでの高さは45cmです。
もし床から高さ45cmに調整できる低いセーフティーバーのようなものがあれば、それをラックとしてフロアプレスが出来ます。
でも、僕が探している限り、そこまで低く調整できるセーフティーバーはないようなので、ラックは諦めています。

でもパワーラックを使うとそれが可能なようです。
パワーラックのバーベル受けの高さを低くして、それをフロアプレスの時のラックとして使っている動画がいくつもありました。
あれだとベンチプレスの時のようにラックからバーベルを外してフロアプレスが出来るで、とても楽だと思います。

楽だと思うんですが、パワーラックがあるなら、何故ベンチプレスをしないんでしょうか?
これが大きな謎です。
パワーラックはあるけれど、フラットベンチは持っていないということなんでしょうか?
パワーラックをスクワット専門で使っている人ならばこういうことは起こると思います。
もし自宅にパワーラックがあるけれど、ベンチはないという人はこういうやり方をすることになるでしょう。

ボディーメーカーの20kg4枚、ALEXの15kg4枚、NIPPYOの5kg4枚を付けたバーベルです。これで169kgです。

でも、動画を見る限り、どうやらジムでやっているようです。
ジムでやるならば、ベンチがないという事はあり得ないです。
ジムでわざわざフロアプレスをする意味がなにかあるのでしょうか?
色々考えてみると、どうやらあの人々はツイッターに投稿するためにあの撮影をしたのではないかと思ってしまいます。
投稿した人々がそれぞれその方法で普段からフロアプレスをやって大胸筋を鍛えているのかというと、かなり疑問です。

驚いたことに、千葉県が誇るパワーリフティングのスーパースター、渋谷優輝さんもパワーラックを使ったフロアプレスの動画をあげていました。
パワーラックに頭を向けて寝転んで、パワーラックからバーベルを外してフロアプレスをしていました。
渋谷さんは普段からああいうトレーニングをしているのでしょうか?
僕にはわかりません。

肘が床に触れないフロアプレス

ツイッターの動画を見ていると、肘が床に全く触れないフロアプレスをしている人も多いです。
僕の個人的な感想としては、肘は軽く床に触れる程度まで下げた方が良いと思います。
フロアプレスはベンチプレスと違って可動域が狭くなります。
バーベルシャフトが胸につくよりも先に、肘が床につくからです。
でも肘を全く床につけずに空中で切り返すんだったら、わざわざ床に寝る必要はないと思います。
その人は僕のように自宅のバーベルを持っていて、バーベル以外のラックは何もないというならまだわかりますが、わざわざジムでそれをするんだったら、普通にベンチプレスの台に寝て、ハーフベンチプレスのような感じでやれば良いと思います。

ベンチプレスでは、通常はバーベルシャフトが胸に触れるまで下ろします。
でも、触れるだけであって、胸にバーベルを完全にのせて、腕や胸から力を抜くわけではありません。
シャフトを胸に接触させる意味は、おそらくちゃんと下までおろしましたという確認のためだと思います。
ならば、フロアプレスでも、肘が床に軽く触れる程度まで下げるのが自然なんじゃないでしょうか?
床に寝てフロアプレスをするけれど、肘が床につく前に切り返すんだったら、ベンチプレスで浅目に切り返せば同じことだと思います。
わざわざ床に寝ないで、ベンチでやれば良いと、僕は思ってしまいます。

ダンベルを使ったフロアプレス

ダンベルを使ったフロアプレスの動画や画像もいくつかありました。
これは僕も以前やっていたので、なつかしさすら覚えます。
これはバーベルでフロアプレスをする場合に比べてとても楽です。
両足を伸ばして座り、ダンベルを脚の上に載せて、そのまま寝転べばスタートポジションに持っていけます。
ベンチの上でこれをやると、左右に落ちるのではないかという恐怖心がありますが、床の上なので恐怖心は全くありません。
ただ、床に傷をつけないか?という心配はありますね。
床が板張りでも畳でも、ダンベルを間違って落としたら傷がつくので、座布団とか、トレーニングマットなどを敷いて養生しておく必要はあると思います。
バーベルの場合はこの心配がないので、ダンベル特有の心配だと思います。

僕のダンベルです。

ダンベルで、ベンチを使ったダンベルプレスをする場合は、どこまで下げるのかという明確な基準がないですよね。
強いていうならば、プレートが胸や腕に触れるまででしょうか。
床に寝てダンベルフロアプレスをすると、肘が床にあたるので、どうしても可動域が浅くなります。
それでもダンベルフロアプレスにも一定の効果があると思います。
もう10年以上昔のことですが、僕は自宅で39.5kgのダンベルでダンベルフロアプレスをしていました。
まだ子供が生まれたばかりでジムに行かれなかったので、ベンチプレスはせずに、ずっと自宅でダンベルフロアプレスをしていました。
ある日、仙台に出張になったので、仙台のゴールドジムに行って久し振りにベンチプレスをしてみたら、100kgが9回挙がりました。
これは僕にとって、自己ベストの更新でした。
自宅でダンベルフロアプレスをしていただけなのに、ベンチプレスの自己ベストが伸びたので、ダンベルフロアプレスには一定の効果があると言えると思います。
家にダンベルはあるけど、バーベルもラックもないという人は、ダンベルフロアプレスがとても良いと思います。

ラックがない場合のバーベルフロアプレス(僕の場合)

僕はパワーラックもハーフラックも持っていません。
ベンチもセーフティーバーも持っていません。
持っているのはバーベルとダンベルだけです。
だからフロアプレスをする時は、スタートポジションに持っていくのが大変です。

フロアプレスだと、ベンチプレスより重いバーベルを扱えるようになります。
僕はベンチプレスのMAXはパワーリフティングの試合で107.5kgですが、フロアプレスだと124kgまで挙げた事があります。
124kgのバーベルをスタートポジションに持っていくのはなかなか大変です。
考えてみてください。
124kgのバーベルを床に置き、その下に潜り込んで、バーベルシャフトの下に胸がくる位置まで入ります。
その状態からバーベルを押し上げるのはほとんど不可能ではないでしょうか?
これはベンチプレスで潰れた場合を想像するとわかりやすいと思います。
重さに押しつぶされてセーフティーバーに落ちたバーベルを、そのまま押しあげられるかと言われたら、無理ですよね。
それと同様に、バーベルの下に潜り込んでも、そこからバーベルを押し上げる事は出来ないんです。

なので、ちょっとしたコツが必要になります。
まずは、バーベルシャフトの下におへそが来るような位置まで入り込みます。
僕の場合は足から入ります。
頭から入るのはちょっと嫌ですから。
そうしたら、バーベルを両手で掴んで、両足を床につき、ブリッジをする要領で、おへそを大きく上に押し上げます。
すると、124kgのバーベルでも床から浮き上がります。
そしておへそを押し上げたら、腕でバーベルを胸の方へ引き下げます。
おへそより胸の方が低いので簡単にバーベルは移動します。
バーベルが胸の位置まで来たら、肘を床につけて、バーベルをしっかり受け止めます。
そうすると前腕がバーベルを受けるラックのような形になります。
世の中のほとんどすべての人がそうだと思いますが、前腕はバーベルの半径より長いので、この状態でバーベルは床から離れて空中に浮いています。
これがフロアプレスのスタートポジションになります。

この状態から押し上げるので、最初の1回目はバーベルがとても重く感じます。
2回目からは肘が床に軽く接触したら切り返すという感じでやっています。
床に完全に肘を下ろしてしまうと、床からのアシストを受けることになり、大胸筋に負荷がかからなくなるので、余程サボりたい時以外はそういうやり方はしていません。

ちょっとした余談ですが、こうやってお腹の上でバーベルを滑らせてスタートポジションに持っていく時、服装はプリントTシャツなどは避けた方が良いです。
バーベルが強烈に擦れるときにプリントの凹凸に引っかかって滑りにくいし、プリントが剥がれて来ます。
無地の服が絶対に良いです。
しかもドライ素材の方が滑りが良いので、綿の服よりもドライ素材がおすすめです。

フロアプレスでの可動域の確保のために

フロアプレスは自宅で手軽にできるし、ベンチプレスに比べて安全というメリットがあります。
(ベンチプレスで亡くなった人は何人もいると思いますが、フロアプレスで命を落とした人はいないと思います。)
でも可動域が浅いというデメリットがあります。
これを補うために、僕は背中の下にタイルマットと板を敷いて、高さを出すようにしています。
タイルマットの厚さは4mm、板の厚さは18mmです。
こうすると、僕の場合はバーベルシャフトを胸まで下ろしても、肘が床につかなくなります。
可動域が確保できるため、使用重量も落ちます。
大体20kgは落ちます。
床に直接寝るならば、124kgまで押し上げられますが、板の上に寝ると、せいぜい104kgが限界です。
ベンチプレスより挙がらなくなります。
おそらくブリッジを組む事ができず、脚の踏ん張りが効かないからだと思います。
板の上に寝ても、バーベルシャフトが喉に落ちるという事はあり得ないので、危険性はありません。
板を出したり片付けたりするのが面倒ですが、床に寝るより実戦的なフロアプレスです。
もう一つ、板を敷いて背中を高くすると、バーベルを床に置いたままではバーベルシャフトの下に入りにくくなります。
なので、この場合はバーベルも少し高さを出して何かの上に置く必要が出て来ます。
僕の場合は15kgのプレートの上に、自作の木のバーベル受けを置いて、その上にバーベルを置いています。

板の上に寝てフロアプレスをします。上が頭、下が足です。90cmの板に頭からお尻まで乗ります。

まとめ

ここでまとめさせていただきます。
僕の考えとして、フロアプレスはバーベルを持っているけれど、ベンチプレス台やラックを持っていない人が自宅でやるものだと思っています。
自宅にベンチプレス台やパワーラックがある人は、フロアプレスなどやらないで、ベンチプレスをやった方が良いと思っています。
フロアプレスはあくまでも補助種目で、本家のベンチプレスにはかなわないと思いますが、バーベルさえあれば自宅で出来るところが優れています。
しかもセーフティーバーも必要ないし、怪我をする可能性もベンチプレスより低いです。
ベンチプレスをする時にバーベルシャフトを胸に接触させるまで下げるように、フロアプレスをする時はバーベルでもダンベルでも、肘が軽く床に接触するまで下ろす方が良いと思います。
背中に厚みのある板を敷けば、ベンチプレスと同じ可動域が取れるので、よりベンチプレスに近づきます。
ただし、足で踏ん張れない分だけ、ベンチプレスに比べると10kg程度使用重量が下がると思います。
試合に向けてベンチプレスを鍛えるならば、筋力アップだけでなく、ブリッジの組み方、全身でバーベルを持ち上げる感覚も養わなければいけないので、その場合はフロアプレスは効果が貧弱になると思います。

つまり、自宅にバーベルを持っている人以外はやる必要がない種目だと思います。
僕だって、自宅にパワーラックとベンチがあったら、フロアプレスは2度とやらなくなると思います。
以上が僕の考えです。
これは、僕の考えを述べているだけで、考え方が人それぞれなのは理解しています。
異なる意見を否定するつもりもないですし、誰かと敵対するつもりはないです。
ただ、自分の意見を言いたくなっただけです。
ご了承ください。

最後にまさに個人的な意見ですが

個人的な意見で恐縮ですが、筋トレをしている人は、家にバーベルを持った方が良いと思います。
バーベルシャフトとプレートを買うだけです。
バーベルはセットで買えばかなり安く買えます。
例えばボディーメーカーの140kgセットを買えば、バーベルだけでなく、ダンベルバーまでついて来ます。
値段は49000円です。(2021年11月16日時点です)
少し詳しく書くと、プレート1.25kg4枚、2.5kg4枚、5kg4枚、10kg2枚、15kg2枚、20kg2枚、ダンベルバー2本、バーベルシャフト(180cm、28mm、10kg)1本のセットです。あとバーベル用のカラーも2個ついています。
これだけあれば、バーベルだけでなく、ダンベルとしてもかなり使えます。
140kgで49000円なので、1kgあたり350円です。
僕のプレートもシャフトも全部バラで買ったので、この2枚以上の値段がしました。
昔はセット販売がなかったので、ものすごく高かったんですよ。
回転寿司がない時代のお寿司みたいなものでした。

194kgのバーベルです。これが一番重たい僕のバーベルです。

週に3日も4日もジムに通っている人は良いですが、1日とか2日しか行かれない人は、家にバーベルがあった方が絶対に良いと思います。
軽いバーベルならば、カール、ライイング・トライセップ・エクステンションなどで腕を鍛えられるし、もう少し重くすれば、フロントレイズ、アップライトロー、ショルダープレスで肩を鍛える事ができます。
ダンベルがあればサイドレイズが出来ますし、ダンベルがなくてもバーベル用の15kgとか20kgのプレートでサイドレイズが出来ます。
最近のバーベルプレートは大体持ち手用の穴が空いているので、サイドレイズで使用可能です。
さらにもっと重くすれば、ベントオーバーローやデッドリフトで背中を鍛える事ができるし、フロアプレスで大胸筋も鍛える事ができます。
僕は自宅にバーベルがありますが、それでも週に1回ジムに通っています。
理由はただ一つ、スクワットをするためです。
スクワットをするならばどうしてもパワーラックやハーフラックがなければダメなので、スクワットだけはジムでやることにしています。
家にパワーラックやハーフラックがあれば、僕の場合はジムに行かなくなると思います。
普段、ケーブルマシーンは特にやらないので。
最近は、怪我でスクワットが出来ないので、怪我が治るまではレッグエクステンションやレッグカールなどをしますが、怪我が治ったらまたスクワットに戻すつもりです。
自宅にバーベルがあると、トレーニングの環境は大きく変わります。
決して邪魔になる事はありません。普段は解体してバラバラに置いておけば良いだけです。
体を鍛えたいならば、バーベルを買いましょう。
このブログはバーベルブログなので、バーベルを推させてもらいます。
とはいうものの、僕自身も初めはダンベルから入りました。
初めのうちはバーベルを持つなんて大それたことで、あり得ないと思っていましたが、持ってしまえば、何でもっと早く持たなかったんだろうと思うばかりです。

今回は、こんなところです。
ありがとうございました。

内部リンク「僕のバーベル その3(マーシャルワールドのバーベルシャフトを購入)

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