こんにちは。鹿野一郎です。
平成31年(2019年)4月7日に、パワーリフティング千葉県大会に出場しました。
3回目の千葉県大会です。
結果は74kg級マスターズ2の部(50歳代の部)で銀メダルでした。
今回はこの話をしたいと思います。
1 とてもキツかった減量
この試合はとにかく減量がキツかったです。
元々この日は、娘の習い事の試合の日と日程が重なっていたので、僕は試合に出ないつもりでいました。
ところが、試合の1ヶ月前になって娘が左足に疲労骨折をしている事が分かり、試合を欠場することになりました。
そうなったら僕はパワーリフティングの試合に出るしかありません。
あ、もちろん娘の足は全く大した事はありませんでした。試合に出られたのではないか、というぐらい元気でした。
話が戻ります。
試合に出る事が決まり、久し振りに体重計に乗ってみると、なんと79.5kgもありました!
1ヶ月で5.5kg絞らないと74kg級には出られません。
しかし、何がなんでも試合に出ると心に決め、この日から減量を始めました。
実はこの試合から、マスターズの部が設置されることになったんです。
40歳代の人はマスターズ1、50歳代の人はマスターズ2です。
さらに60歳代の人はマスターズ3、70歳代の人はマスターズ4です。
マスターズが設置されるなら、メダルが取れるかも知れない、そう思うと出るしか無かったんです。
妻は無理だと言っていました。
試合までの1ヶ月の間に家族旅行もあるので、痩せられっこないと言うんです。
でもやるしかありませんでした。
急激な減量が必要だったので、糖質カットをするしかないと思い、糖質は全てカットしました。
糖質カットダイエットは昔やったことがありますが、短期的には効果絶大ですが、長期的には効果は薄いと感じました。
さらに糖質カットは筋肉の発育上好ましくないそうなんですが、リミットを下回らないと試合に出られないので、そんな事を言っている場合ではありません。
もちろん酒もやめて、お菓子も全く食べなくなりました。
食事は全て自分で作り、昼ごはんも晩ご飯も弁当にしました。
弁当の中身はサラダチキンとゆで卵と、かまぼこ、梅干しぐらいでした。
(かなり悲惨な食事です)
朝食では鶏の胸肉を600gほどと、温めた野菜、ゆで卵を食べていました。
味付けは、鶏肉が塩コショーで、野菜とゆで卵はなしです。
以前はノンオイルドレッシングを使っていましたが、いつの間にか必要なくなりました。
もちろん、この食事で足りるわけがなく、1日中空腹に耐えていました。
試合が終わったら、爆発的に食べるぞと自分に言い聞かせて、耐えました。
家族旅行で葉山、八景島に行きましたが、食事はほんのわずかで、もちろん酒は呑みませんでした。
日に日に体重は減っていきますが、同時に筋力も低下し、脱力感に見舞われることも多くなりました。
仕事をするのがキツくて、途中で投げ出したくなる事もありました。
でも、どうしてもメダルが欲しかったので、頑張りました。
試合前日は、朝食をとった後は全く水分を取りませんでした。昼ごはんはソーセージ1本です。
晩ご飯は食べませんでした。
そして試合当日、自宅で計測した体重は73.0kgでした。
当日も朝ごはんを食べず、水も飲まないで試合会場に行きました。
2 会場入り
今回の会場は、いつもの市原ゼットエー武道場ではなく、袖ヶ浦の臨海スポーツセンターというところでした。
会場について車を降りると、チーム「バーベル野郎!」の幕張さんと八幡さんが歩いているのが見えたので挨拶をして合流しました。
六月に山梨で国体の予選があるので、それに出場する人々は来ていませんでした。
チーム「バーベル野郎!」で今日参加したのは検見川さん、八幡さん、千葉さんと僕で、全員74kg級でした。
検見川さんと八幡さんがM1クラス(40歳代)で、千葉さんと僕がM2クラス(50歳代)でした。
M1はエントリーが3人しかいないので、失格にならなければ必ずメダルが貰えます。
僕が出るM2は4人エントリーしていたので、ビリになったらメダルなしです。
3 検量後の大食い
検量は72.55kgでパスしました。
結局1ヶ月で7kg落とした事になります。
こんなに急激な減量をしたことはありませんでした。
もう脱力感に支配され、ヘロヘロでした。
試合に出るコンディションではありません。
妻からは、検量が終わったら結果を報告するように言われていたので、72.55kgでパスしたと報告しました。
この1ヶ月間、僕だけ家族と別メニューで、妻にも負担をかけたので、報告するのは当然だと思っていました。
体重を計ってしまったら、後は食べるしかありません。
弁当箱二つに玄米二合と冷凍のハンバーグ二枚を入れて持って行来ました。
他に前日にスーパーで買っておいた鶏の唐揚げも1パック持って行きました。
さらにお菓子を、リッツ一箱、ピーナッツチョコレート1袋、ドーナツ1袋、どらやき1個、かみなりおこし1袋、柿の種1袋持って行きました。
他にあんパン1個、チョコクリームパン(5個入り)を持って行きました。
これではバーベルを持ち上げに行ったのか、大食いをしに行ったのかわかりません(笑)。
4 チームメイト達の減量
今回、検見川さんの減量はすさまじかったようです。
前日の朝の段階で、なんと77kgあったというんです!
なので昨日は一切飲まず食わずで、しかも長めの半身浴を三回もやって汗をかき、今朝の体重は75.3kgまで減ったといいます。
まだ1.3kgオーバーしているので、もう一度半身浴をして、74.3kgまで減らしてから家を出てきたそうです。
結局検量は73.6kgぐらいで通過したそうです。
凄い減量です。僕には真似できません。
検見川さんは去年九月のジャパンクラシック・マスターズ(全国大会)の時は検量で300gオーバーしてしまい、雨の中を30分ランニングして再検量でパスしたそうです。
凄すぎます。
八幡さんは普段から体重を75kgぐらいに調整してあるので、昨夜の晩ご飯を食べなかっただけだと言っていました。
理想的な調整の仕方です。
千葉さんは体重が軽過ぎることが問題で、66kgを下回らないように水を飲んでから検量することもあると言っていました。
それでも66kg級に転向する気はないそうです。
5 第一種目、スクワット
今回の試合はパワーリフティングの試合とベンチプレスの試合の同時開催でしたが、ベンチプレスが60人、パワーリフティングが69人で、合計129人という大きな大会になしました。
なので初めて二面コートで試合をしました。
試合が始まりました。
スクワットの第一試技は150kgにしました。
絶対に挙がる重さですが、外したら終りというプレッシャーがありました。
この半年前の千葉県大会では、170kgを三回連続で失敗して失格になりました。
今回はそんな事はしたくないので、減量後でも確実に上がる重量にしました。
しっかりしゃがんで完全に立ち上がり、白旗が三本あがって成功になりました。
挙がるに決まっている重さですが、それでも試合であげると嬉しいものでした。
試合のスクワットで白旗が上がるのは、実に一年半振りでした。
辛く、長い時間でした。
第二試技の160kgは重くて途中で止まりそうになりましたが、何とか立ち上がって白旗三本で成功しました。
第三試技の165kgが挙がらず、途中で潰れて失敗になってしまいました。
普段のトレーニングでは170kgが挙がっていましたが、減量で力が落ちていたんでしょう。
スクワットの結果は160kgでした。
これでも試合結果としては自己ベストを10kg更新しました。
試合の経過は逐一メールで娘に知らせていました。
自己ベストを更新したと報告できる事が嬉しかったです。
前回はスクワットで三振し、失格だったので、記録の良し悪しよりも、ちゃんと白旗が上がることが嬉しかったんです。
スクワットの後、あんパンとチョコクリームパン(5個入り)を食べましたが、これはとてもおいしかったです。
6 第二種目、ベンチプレス
ベンチプレスが始まりました。
第一試技は100kgで問題なく成功。
第二試技の105kgは白二つ、赤一つで成功しました。
第三試技の110kgは挙げる自信がありましたが、胸に下ろしたらそのまま挙がらなくなってしまいました。
あとでビデオで見ると右だけ挙がって左がおいてきぼりになっていました
ベンチプレスの最終結果は105kgで、自己ベストタイでした。
この結果もすぐに娘にメールで知らせます。
ベンチプレスの後は残りの弁当を食べました。玄米一合とハンバーグ二枚です。
しかし、これは食べ過ぎだったようです。
デッドリフトのアップをしているときに、口から食べたものを吹き出すかと思いました。
7 第三種目、デッドリフト
デッドリフトです。
第一試技を170kgで成功。
第二試技は180kgでやりました。重かったですが、手が開くことなく完全な形で引き切ることが出来ました。
これも白旗三本で成功です。
第三試技は190kgではなく185kgにしましたが、それでも左のプレートがわずかに床から持ち上がっただけでした。
最終結果はデッドリフトは180kgで、自己ベストを10kg更新しました。
そしてトータルは445kgで、自己ベストを25kg更新しました。
今回はちゃんと最後まで試合をすることが出来、自己ベストも更新することが出来たので良かったです。
これまで辛い試合が二回続きましたが、今日は本当に楽しかったです。
無理な挑戦をして玉砕するよりも、着実に一歩前進する方が楽しいと思いました。
もう若くないですしね。
8 マスターズ新設で、初心者が増え、三振多発
千葉県大会は4月と12月に開催されますが、12月の試合は翌年の国体の一次予選を兼ねていて、強い選手がたくさん出て来ます。
一方、4月の大会には今年からマスターズの部が設置されるようになりました。
このため、4月の大会では普段よりも、僕のような中年の選手がとても多かったです。
初参加の人も多かったです。
そして多かったのは、スクワットでの三振です。
しゃがみが浅くて三本とも失敗してしまう人が多かったです。
それぐらいにパワーリフティングのルールで定められているしゃがみは深いという事なんでしょう。
僕も半年前の試合でしゃがみが浅くて三振をしてしまいましたが、どうしても重いバーベルを担いでスクワットをすると、しゃがみが浅くなってしまうので、普段のトレーニングでは重いバーベルに挑戦するだけでなく、軽いバーベルでしっかりしゃがむセットもやった方が良いと思いました。
ベンチプレスも試合では胸で1秒止めなければならないんですが、この「止め」によってバーベルがかなり重くなります。
このことを知らないで試合に出ると、挙げられずに潰れることになってしまいます。
そのようにしてベンチプレスで三振している人もいました。
負け惜しみを言わせてもらうと、僕は「止め」なしならばベンチプレスで120kg挙げられます。
でも、胸で止めると110kgが限界です。
「止め」で110kgを挙げた事はありますが、試合でのベストはこの日の105kgです。
デッドリフトで三振する人は見ませんでした。
確かにデッドリフトは、スクワットやベンチプレスに比べると、普段のトレーニングと試技の間に大きな違いはないと思います。
9 銀メダルが確定
試合がすべて終って、壁に貼られた最終結果を見ると、僕の名前の横には確かに2位と書いてありました。
本当に銀メダルが取れたんだと思うと感慨深かったです。
メダルを取れたことはすぐにメールで娘に知らせました。
今回は色々な人と知り合えて本当に楽しかったです。
試合に出る回数が増えるたびに、知り合いの数も増えていくのが嬉しいです。
しかも全員バーベルを愛する仲間なのです。
実はこの日の二日前は職場で立食パーティーがありました。
同じ職場の7人が連れ立ってホテルのパーティー会場に向かう中、僕だけ「帰ります。」と行って群から離れて一人で帰ってきたんですが、あの時は本当に虚しい気持ちでした。
どうして僕はこんなことをしているのだろうとすら思ったものです。
でも今日、試合に出て、記録を伸ばし、メダルを獲得してしまえば、あの時の事はどうでも良くなりました。
試合に出る方が遥かに楽しいです。
(どうせなら立食パーティーは試合の翌日にして欲しかったです。そうすれば掃除機のようにあらゆる料理を吸い込んだでしょう)
次の試合も頑張ります。
ありがとうございました。