こんにちは。鹿野一郎です。
平成29年(2017年)4月9日、2回目のパワーリフティング千葉県大会に出場しました。
前年の12月に初めて出場してから、5ヶ月後のことです。
千葉県大会は例年4月と12月に実施されます。
前回が2016年12月で、今回が2017年4月です。
前回はスクワット130kg、ベンチプレス105kg、デッドリフト160kg、トータル395kgでしたが、この日は、スクワット150kg、ベンチプレス100kg、デッドリフト170kgで、トータル420kgでした。
記録を25kg更新する事ができました。
種目別ではスクワットがプラス20kgと健闘し、ベンチプレスはマイナス5kgという残念な結果に終わりました。デッドリフトはプラス10kgでした。
デッドリフトはもっと伸びると思っていましたが、現実は厳しかったです。
今回はこの大会の話をしたいと思います。
1 当日の朝、コスチュームチェック
今回も74kg級にエントリーしました。
体重が少しオーバーしていたので、試合前は減量をしました。
当日の朝の体重は自宅で測って72.0kgだったので、リミットまで2kgの余裕がありましたが、自宅の体重計と試合会場の体重計は別のものなので、安心のために朝食はコーヒーだけにしました。前日の晩ご飯は食べていません。
空腹が蓄積していたので、弁当箱は3つ持って行きました。
米は白米ではなく、玄米を持って行きました。量は3合です。
おかずは唐揚げ275gとイシイのハンバーグ2枚、それと電子レンジで加熱したブロッコリーを少々持って行きました。
前回と違って今回は荷物がとても多くなりました。
荷物が多くなったのは、弁当と飲み物を持参した事と、競技で着る服を前回は着て行ったけど、今回は袋に入れてもって行った事などが理由です。
また、弁当の他にお菓子を持って行った事も大きいです。
お菓子は亀田の柿ピー大袋1つ(小袋6つ入り)、かりんとう1袋、くりまんじゅう1袋、ピーナッツチョコレート2袋、ソイジョイ1本、プリングルス(大)1本を持って行きましたが、これは明らかに多すぎました。
こんなにたくさんお菓子を買ったのは、それだけ減量中に我慢していたという事なんでしょう。
それにしてもすごい量です。
でも弁当の方はあれぐらいで調度よかったです。
受付を済ませて、コスチュームチェックを受けて、ラックの高さの調整をします。
ラックの高さというのはスクワットとベンチプレスのラックの高さです。
選手ごとに身長や腕の長さが違うので、試合では選手ごとにラックの高さを変えます。
バーベルの重さも変更するので、係員が5人ぐらいつきます。
ある選手の試技が終わるとすぐにラック高さを直して、バーベルの重さを変更します。
なので選手はあらかじめ自分の高さを測って、申告する必要があるんです。
ベンチプレスでは、ベンチの高さが高すぎる人には、靴の下に板を敷く事が許されています。
これもあらかじめ自分でチェックして、必要ならば申告します。
前回のコスチュームチェックでは靴下の長さが足りないのでは無いかと言われたので、今回はハイソックスを買って持って行きました。
どうせなら競技用のちゃんとしたものを買えば良かったんですが、当時はそういう考えはなく、とにかく安いものを選びました。
安いものと言うと僕が試合会場で履いている靴は学校の上履きです。
一流の選手になると、スクワット、ベンチプレス、デッドリフトと、競技ごとに靴を履き替え、さらにもっとすごい人になると競技ごとにウエアも着替えます。
でも僕のような駆け出しの三流選手にはそのような細かい調整は必要ないので、学校の上履きを履いて試合に出ています。
普段から上履きを履いてトレーニングをしているんですが、これには理由がありました。
昔の話ですが、2009年から5年間僕は毎週飛行機で札幌まで授業をしに行っていました。
僕の職業は予備校講師で、予備校で授業をする事が仕事です。
水曜日の朝に札幌へ飛び、授業をして札幌に宿泊します。
木曜日に札幌を飛び、千葉県の津田沼で授業をしていましたが、津田沼では浪人生の授業と高校生の授業の間に三時間の空き時間があったので、その時間を利用してトレーニングをしていました。なので札幌に持っていく荷物は多くなります。
水曜日と木曜日の授業のテキスト、パソコン、着替え、それとトレーニング用品一式です。
荷物が多いと空港で無駄に時間を使います。
つまり、手荷物を預けると、預ける時も受け取る時も時間がかかります。
それが嫌なので、リュックサック一つで行けるように荷物を減らして行きました。
そうなったときにトレーニングシューズというのは随分とかさばってしまい、困りました。
なんとかかさばらない靴はないかと思ったら、学校の上履きがベストだと思いついたんです。
なのでそのときに学校上履きを買いました。
あるとき、ジムに行くのに学校上履きを忘れて行った事がありました。
仕方がないので、お金を払ってジムで借りましたが、普通のジョギングシューズだと、スクワットをするときに不都合がありました。
例えば140kgのバーベルを担いで立つと、靴底のクッションが潰れてしまい、足が沈み込みます。
なんとも不安な違和感で、そのままスクワットをするのがとても怖く感じたんです。
なので、それ以降は必ず学校上履きでトレーニングをするようになりました。
今ではもう飛行機に乗らないので、シューズのかさを気にする必要はないんですが、学校上履きは靴底が薄く、絶対につぶれないので、スクワットでもデッドリフトでも安心して使えるんです。
そういう理由から僕は学校上履きを履いてトレーニングをしています。
とは言え、試合の様子を録画し、自宅で見たときは、学校上履きがあまりにもみすぼらしくて恥ずかしかったですが、今ではもう気にならなくなりました。
もちろん学校上履きはコスチュームチェックではOKです。
次はベルトです。前回の試合ではトレーニングベルトがアウトだと言われたので、試合のためにapt’のパワーベルトを新たに買ったんですが、このベルトは問題なくチェックを通りました。一安心です。
2 午前中は見物者
11時から午前の部の競技が始まりましたが、僕は午後の部だったので、客席(アリーナのパイプ椅子の最前列)で競技を見ていました。
完全に観客として楽しむ事が出来ました。
28歳のかわいい女の子が出場している事が驚きでしたが、14歳の男の子が出ている方がもっと驚きでした。
パワーリフティングというのは僕のような中年男性がやるものと思っていましたが、意外とそうでもないようです。
そして今年も老師は健在でした。
老師は今年(2017年)で79歳です。かなり年齢層の幅広い大会となりました。
12時半から午後の部の検量が始ったので、すぐに体重を測ってもらいました。
結果は73.05kgでパスでした。
自宅の体重計とは誤差が1kgもありましたが、まだ1kgの余裕がありました。
結果論ですが、これならば朝食を食べても検量はパスできたでしょう。
午後の部の場合、検量が朝じゃなくて、昼なので、それまで何も飲み食いできず、結構辛いです。
競技は午後の部より、午前の部の方が楽だと思います。
検量が終るとすぐに客席(アリーナ席ではない階段状の客席)に移って弁当を食べ始めました。
お茶もペットボトルで2リットル持って行きました。
ティッシュも1箱持って行きました。
同じように客席で食事をしている選手はたくさんいますが、僕のような大食いをしている人はいないようでした(笑)。
3 第一試技、スクワット
試合が始まりました。最初の種目はスクワットです。
スクワットは、前回は130kg成功、140kg失敗、140kg失敗でしたが、今回は140kgは絶対に挙げられる自信がありました。
第一試技は悩んだ末に145kgにしました。
バーベルを担いで、「スクワット!」の合図でしゃがんで立とうとすると、バーベルが予想外に重くて、途中で止まりそうになりました。
思わずうめき声が漏れて、なんとか立ち上がりましたが、こんな挙げ方では失敗になるだろうと思いました。
結果は白2つ赤1つで、成功でした。
なんで145kgがこんなに重いんだ?という思いと、あれで成功で良いのか?という思いがありました。
当初は145kgを成功させたら、次は155kgに挑戦するつもりでしたが、あの様子では無理そうだったので、150kgにしました。
そして第二試技。
150kgのバーベルを担いでしゃがんで立ち上がろうとすると、あまりの重さに途中で止まってしまいました、と思います(変な日本語)。
そこで物凄く大きなうめき声が漏れましたが、声の爆発力に押される形で、立ち上がる事ができました。
自分ではしゃがみが浅かったかなと思いましたが、白2つ赤1つで、成功でした。
ちょっと信じられなかったです。
第二試技が終わって、第三試技に入る前、協会の事務局長の方がわざわざ声をかけてくれました。
「鹿野さん、いまいちしゃがみが浅いから、もっと思い切ってガツンとしゃがむんだ!」と。
それを聞いて僕は怖がるのはやめようと思いました。
セーフティーバーもあるし、試合では補助員が3人もついてくれるので、バーベルが重すぎても潰れることはないと思うことにしました。
補助員は、バーベルの左右に一人ずつと、選手の後に一人付きます。
バーベルが途中で下がったり、長時間止まった場合は主審が失敗と判定するので、その場合は速やかに補助員がバーベルや選手を支えて、バーベルをラックに戻します。
そういう意味では普段ジムで一人でトレーニングをしていて、パワーラックの中で潰れるよりは安心感があります。
第三試技は155kgにしました。
猛烈に気合を入れてバーベルを担ぎ、思い切りしゃがんだら、そのまま潰れてしまいました。
しゃがんで立ち上がろうとして潰れたんではなく、しゃがむ勢いでそのまま潰れたという感じでした。
ベシャっと行ってしまいました。
バーベルは大きな音を立ててセーフティーバーの上に落ちました。
一瞬、バーベルシャフトでギロチンをやってしまったかと思いましたが、気づいてみると僕はどこも怪我をしていないし、どこも痛いところはありませんでした。
脇にいた補助員が「大丈夫ですか?」と声をかけてくれましたが、補助員の方も驚いている様子でした。
支える間もなくバーベルが落下した感じでした。
セーフティーバーの高さが膝ぐらいまでしかなかったので、かなり前かがみになりましたが、前方に転ぶことはありませんでした。
もしセーフティーバーがなかったらバーベルギロチンで命を落としていたかも知れないと思い、冷や汗が出ました。(汗)
あとで録画した映像を見てみると、首は大きく下に押しやられていましたが、上体はほぼそのまま残っていました。
首がガクンと下がってバーベルが落ちたような感じです。
それまでは、前方にバーベルを落とすときは、体ごと持っていかれて、バーベルの下敷きになるようなイメージを持っていましたが、そんな風にはなりませんでした。
でもとても恐ろしい経験で、2度とこういう事はしたくないと思いました。
今思えば、しゃがむ勢いが早すぎました。
思い切りしゃがむという事と、ハイスピードでしゃがむというのは意味が全然違いますよね。当時はそれがわかっていなかったんでしょう。
第三試技の155kgは当然失敗となり、僕のスクワットの記録は150kgになりました。
かつて、僕は左右に20kgのプレートを3枚ずつつけてスクワットをすることに強い憧れを持っていました。
重さ140kgのバーベルです。
それを担いで黙々とトレーニングをしていたら、かっこいいだろうなと思っていました。
なので、試合で150kgを挙げたのは嬉しかったです。
4 今回も妻と娘が応援に来てくれました
妻と娘は2時半にゼットエー武道場に現れました。
僕は受付の都合上朝から会場にいましたが、競技が始まるのは午後だったので、電車とバスで来てくれました。
家からゼットエー武道場まで来るのは楽ではなく、電車を2回乗り換えて、五井の駅からバスに乗ります。
おそらくバスの本数も多くないと思います。
その苦労を押して見に来てくれました。
ビデオカメラは娘が持っていたので、スクワットの試技はバーベルを落っことした第三試技だけが映像に残っています。
この頃はまだ三脚を持っていなかったので、試技を全て撮影するようなことは出来ていませんでした。
娘はまだ低学年だったので、帰りが遅くなる訳には行かず、4時半には帰路につきました。
それでも家に着くのは6時過ぎだと思います。
それから夕飯を取って、風呂に入り、8時過ぎには寝たはずです。
一方、試合会場では、閉会式が終わるのが8時頃なので、僕はその頃まで会場にいました。
5 第二試技、ベンチプレス
第二種目はベンチプレスです。
ベンチプレスは第一試技は安全のために100kgから入り、楽に持ち上げました。
100kgがとても軽く感じたので、第二試技は110kgにしました。
バーベルをラックから外して、「スタート!」の合図でバーベルを胸まで下ろします。
この時まではバーベルはとても軽かったんですが、それからおよそ1秒静止し、「プレス!」の合図がかかったときには、同じバーベルとは思えないほど、重くなっていました。挙げようにも、全く動かずそのまま潰れてしまいました。
100kgがあんなに軽いのに、110kgがびくともしないというのは、ちょっと信じられなかったです。
でも、ベンチプレスの「止め」はそういうものなんですね。
第三試技は105kgに落とそうとしたら、係の人から重量を下げることはできないと言われたので、やむなく第三試技も110kgに挑戦しました。
僕はルールを勘違いしていました。
例えば僕が110kgを成功させた後、次の試技で110kgより軽いバーベルに下げる事ができないのだと思っていましたが、成功したか失敗したかに関係なく、前の試技よりも軽い重量申請はできないルールだったんです。
となると重量申請は慎重にやらなければなりません。
第一試技で無理な申請をして挙がらなかった場合、重量を下げられないんだから、第二試技も第三試技も失敗して失格になる可能性があります。
だから第一試技は、どんなに調子が悪くても挙がる重量を申請するべきなんですね。
この時まで知りませんでした。
第三試技です。第二試技でびくともしなかったので、第三試技も結果は同じでした。
つまり、僕のベンチプレスの最終結果は100kgでした。
前回の105kgより5kg下げてしまいました。
もっと小刻みに狙って行った方が良かったようです。
この時は知りもしませんでしたが、第二試技がびくともしなかったならば、第三試技をパスしてしまうという手もあります。
まだデッドリフトが残っているので、体力温存のためにはそういう戦術もあるでしょう。
現に、上級者の選手はそのようなやり方をする事があります。
でも僕のような駆け出しの三流新米がそんな真似をしたら、「生意気だ!」という批判を受けそうで、怖いです。
おそらく今後も、パスはしないと思います。
パスはトランプだけにしておきます(笑)。
6 第三種目、デッドリフト
第三試技はデッドリフトです。
デッドリフトは165kgから始める事にしたんですがが、ひそかに後悔しました。
もし挙がらなかったら重量を下げられないので、3回失敗して失格になる可能性があるからです。
165kgの申請をした時点では、下げられないことを知らなかったので、ダメなら160kgにしようぐらいに考えていました。
アップの時も145kgが重かったので、165kgは無謀な挑戦かと思えました。
ちなみに前回の試合では第三試技で160kgを引いています。
これは当時の僕のベストで、普段のトレーニングでもこれより重いバーベルを引いたことはありませんでした。
第一試技、165kgはあっさり挙がりました。
こんなに軽いとは思っていませんでした。
やはりあの時よりは力がついているようです。
そして第二試技、次は170kgに挑戦しました。170kgは重かったですが、何とか引き切りました。
なので第三試技は175kgに挑戦しました。
175kgは、おそらくバーベルがほんの数ミリ浮く程度しか挙がらなかったと思います。
途中で力つきてバーベルを下ろしました。
当然失敗です。
このため僕のデッドリフトの記録は170kgになりました。
今日の結果は,スクワット145kg成功、150kg成功、155kg失敗で150kg。
ベンチプレスは100kg成功、110kg失敗、110kg失敗で100kg。
デッドリフトは165kg成功、170kg成功、175kg失敗で170kgでした。
トータルはで420kgです。
前回の試合では、ジャパンクラシックマスターズのマスターズ1の標準記録である415kgを超える事が目標でしたが、今回それを達成しました。
ただし、来年(2018年)僕はもう50歳になり、カテゴリーはマスターズ1ではなく、マスターズ2になります。
マスターズ2の標準記録は370kgで、最初の大会で超えているので、この415kgというのはあまり目標としての意味はなくなっていました。
7 試合結果
僕は74kg級では15人中10位でした。
前回はビリから2番目だったので、それよりは良かったです。
この大会では、実は480kgぐらいいけると思っていたのですが、結果は420kgで、予想と全く違いました。
事前の予想では、スクワット170kg、ベンチプレス120kg、デッドリフト190kgぐらい行けるんじゃないかと思っていましたが、とんだ皮算用でした。
次はもっと頑張りたいと思いました。
帰りは残ったお菓子を食べながら、車を運転して帰りました。
ありがとうございました。